WRITERS' COLUMN
編集部 山元 翔一の『ワイルドサイドを歩け』
2015年12月号掲載
2015年は多くのアーティストがその活動における記念碑的な作品をリリースしたり、節目となることを印象づける動きが目立った。例えば、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの『Wonder Future』には"ロック"という概念を再定義/更新するエネルギーと明確さがあったし、クラムボンの『triology』は日本語のポップスの可能性を押し広げる気概が満ちていた。そしてBUMP OF CHICKENはNHK紅白歌合戦に初出場することを発表し、RADWIMPSはメジャー・デビュー10周年を迎えた。そんな激動の2015年、Base Ball Bearの6thフル・アルバム『C2』がリリースされた。これが本当に素晴らしい出来栄えで、日本のロックの未来を託してしまいたくなる名盤だ。今年、やはり彼らもひとつの節目を迎えようとしている。当コラム、2回目となる今回は、『C2』について書いていきたい。
今作は、2006年にリリースされた1stアルバム『C』から作品を重ね、成長してきたバンドの歴史を振り返ることで少しずつ形が見えてくる。まず、デビュー以降、"青春"をひとつのモチーフとしてギター・ロックを鳴らした『C』、『十七歳』、『(WHAT IS THE) LOVE & POP?』という初期3作から『CYPRESS GIRLS』と『DETECTIVE BOYS』というバンドとしての転機を決定的に印象づける3.5thアルバムまでのドラマチックな成長過程がある。その中で、世間の声や周囲の評価といった喧騒に揉まれ、苦悩しながらバンドとしての在るべき形を模索したことで培われた地力や芽生えた自我が、『新呼吸』で見せたバンドの新たな可能性に繋がり、RHYMESTERと運命的コラボを果たした『THE CUT』、ギター・ロックの可能性に賭けた『二十九歳』を経て、『C2』は完成したのである。
今作の肝はリズムやグルーヴが楽曲の中心に据えられていることだろう。サウンド面で言うと、ベーシスト関根史織のテクニックの飛躍的な向上によってリズム・セクションは強度を増し、それに伴いブラック・ミュージックに接近、そのエッセンスがバンドの血肉として取り込まれる。それはバンドとしてこの先の未来を生き抜くための必要不可欠な選択だったに違いない。そこからは、彼らがフォーマットとしての"ギター・ロック"から脱却を図り、太文字の"ロック"を鳴らそうとする意思を汲み取ることができる。さらにより踏み込んで見るならば、めまぐるしいスピードで消費されてしまう"ギター・ロック"に対するアンチテーゼとしても機能していると言えるのではないだろうか。
前作『二十九歳』まででバンドが築き上げてきた"Base Ball Bear"という存在を再定義する――『C2』はそういう作品なのだと思う。いわば、バンドとして一巡した彼らがこれから先どのような活動を展開するのか、何年かの後、この作品がどのような評価をなされるのか非常に興味深いところだ。この『C2』が2015年にリリースされたことが、Base Ball Bearの活動において......いや、もしかすると日本のロック史におけるひとつのターニングポイントになる、そんな予感がしてならないのだ。
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