Japanese
Appare!
Skream! マガジン 2024年02月号掲載
2024.01.28 @Zepp DiverCity(TOKYO)
Writer : 長澤 智典 Photographer:真島洸
Appare!が日本武道館を目指すと宣言をしたのが、2022年9月に日比谷野外音楽堂で満員の観客たちを前にしてだった。そのとき以降、彼女たちは何度も全国ツアーを重ね、何枚もの作品をリリース。ひとつひとつの動きを示すたび、着実に、確実に成果を上げてきた。その重ねた歩みの過程のなか、Appare!が今回挑戦したのがZeppワンマン・ツアーだった。今年1月よりスタートしたAppare!の全国ツアー"玉ねぎ食べるぞ!ツアー2024 ~初志貫徹~"。過去に何度も全国ツアーを行ってきたが、全国各地のZeppのみを回るツアーは今回が初。ここでは、同ツアーのファイナルとなったZepp DiverCity(TOKYO)公演の模様をお伝えしたい。
客席後方まで、大勢の観客たちが集まった会場。オリエンタル且つダンサブルな音色も印象深いお馴染みのSEが流れた途端、場内から轟きだした熱い声、声、声。その声援へ呼ばれるように7人が舞台へ姿を現した。
ライヴは、過ぎ去った夏をこの空間へ呼び戻すように、超アッパーでポップなダンス・ビートに乗せ、"燃え上がれっか!ついてこれっか!/いっせーのせのせ!"と歌いだす「Summer spit!」から始まった。メンバーの"騒げ!"の声を合図に、フロアから途切れることなく熱い声が飛び交う。激しくも重量感を持ったダンス・ビートの上で、彼女たちは声を高らかに"Say! Ya! ラッセーラッセーラー"と煽れば、掲げた手を揺らめかせ、この空間へ、在りし日の夏の宴の様を作り上げる。愛らしい姿を見せながらも、7人ともかなり攻めた表情だ。その姿に煽られ、場内中の人たちも最初から頭を空っぽに祭り上がっていた。いや、この場にいて、一緒に祭り上がらずにはいられない。フロアの誰もが7人と同じ動きをしながら、本気で馬鹿騒ぎをしていた。でも、それこそがAppare!のライヴのスタンダードなスタイルだ。
「アッパレルヤ!!」が流れた途端、フロアの感情のボルテージが急上昇。7人は舞台の上ではしゃぎながら、この場を極彩色な世界に染め上げる。彼女たちは躍動した華やかな楽曲に乗せ、オーディエンスの心を晴れやかに染め上げる。観客もコールや振りコピをしながら、全力で熱情した思いをステージに返していた。その熱い関係性が"天晴れ"じゃないか。
派手なリズムに乗せ、自己紹介をするメンバーたち。ひとりひとりの紹介を終えるたびに、フロアから野太い声が飛び交う。どんな環境の中でもブチ上がる、そんな天晴れな空気を作り出すところが彼女たちらしい。
"私たちと一緒に、いっぱい踊りましょう"の声を合図に飛び出したのが、超ポップでカラフルな音に乗せて跳ね続ける「ぱ ぴ ぷ ぺ POP!」。彼女たちがリズムとシンクロしながら"ぱ ぴ ぷ ぺ POP!"と歌うたびに、心と身体がピョンピョン弾みだす。途中、ひとりひとりがチャーミングな様で歌い掛ける場面も。童心に戻った女の子たちが、胸弾む気持ちへ突き動かされるままにわちゃわちゃ弾け飛ぶ(!?)キュートなその姿にポップで楽しい衝撃を、Appare!はこの曲の間中ずっと与え続けていた。
横一列で並んだメンバーたちのひょこひょことした動きが、とてもかわいらしい。キュートなポップ・チューンの「キミだけのワンダーランド」を歌うメンバーらに向け、場内から熱いMIXやコールが飛び交う。7人は舞台の上を駆け回れば、みんなで掲げた手を大きく左右に振り、これまで以上に沸いた景色を作り上げる。歌い踊るメンバーがいつだって笑顔なのはスタンダード。むしろ、その笑顔の魔法に魅了され、胸の鼓動がどんどん大きくなっていた。彼女たちの愛らしいパフォーマンスも目に眩しい。
MCでは、改めて"たまねぎ=日本武道館に行くぞ!!"という決意と意志を伝えていた。ツアーのサブタイトルに付けた"初志貫徹"の言葉通り、目標に掲げた"日本武道館を目指し続ける思い"についても、メンバーたちは触れていた。
次に披露したのが、今の季節に相応しい「ホットラブウィンター」。この曲で観客は手にしたペンライトの色を白に統一。メンバーいわく"この空間に白い雪を降らせる"形を取って、ライヴはスタート。「ホットラブウィンター」も胸をキュンキュン弾ませるポップ&ダンサブルな楽曲。足を蹴り上げ歌い踊る振りに合わせ、フロアでも腕を振り上げる光景が誕生。たくさんの白い光を大きく揺らめかせ、メンバーと観客たちは、会場へとても綺麗な景色を描きだしていった。
"てぃーりーりーり"と声を上げ、メンバーが舞台の左右へ横移動する「カラフルミラクルディスカバリー」が飛び出した。さすがに観客の移動は難しかったが、気持ちだけは7人と一緒に横移動。彼女たちが"まさに天晴れ! これが天晴れ!"と腕を振り、歌うたびにオーディエンスも同じ動きを真似、思い切りはしゃいでいた。メンバーと観客がサビで同じ動きをしながら、一緒に熱狂と楽しい空気を作り上げる。まさにここには、天晴れな景色が生まれていた。最後に上がった"たまねぎ食べるぞー"というメンバーの声も嬉しい。
続く「超絶スーパーLOVE!」では、7人とも恋に恋する乙女に気持ちを染め上げ、舞台の上でガールズ・トークするような様も示しながら、胸をときめかせ、ラヴラヴな気持ちを大きく膨らませて歌っていた。ダンサブルな表情も魅力的な「なんとかなーれファンファーレ」が流れだした。気分を一気にホットに上昇させるカラフルな楽曲を通し、メンバーたちは笑顔ではしゃぎ倒す。巧みに転調も繰り返しながら、この曲でもキュートな仕草を交ぜて煽りながら、観客のハートをずっとドキドキさせていった。最後に、たまねぎのポーズをして締めくくった姿もこのツアーらしさ!?
次に歌ったのが、"ポケモンカードゲームバトルツアー"大会応援ソングである「I YOU WE OUR」。"ポケモンマスターになれますか!"の煽りが嬉しい。口上的な歌始まりも印象深い「I YOU WE OUR」は、野太い強烈なビートに乗せ、観客たちの気持ちを熱く鼓舞する攻めたダンス・ポップ曲で、Appare!らしいポップでカラフルでエモい楽しさと、腹の奥底までズンズンと響き渡るダンス・ビートがクロスオーバーした、初見で触れようと騒がずにいれない楽曲だ。場内でも、攻めたビートに合わせて身体を揺らす人たちがあちこちに登場。途中には、熱いMIXも飛び交っていた。一緒に沸いてこそという最強の熱狂チューンが、また新たに誕生した。
ライヴも後半戦へ。たおやかで雅な音色が流れだす。そこから一転、"Appare!参ります!"の声を合図に、再び7人は感情を戦闘モードに染め上げ、凛々しい表情と歌声を魅力に「破天荒シンデレラ」を歌い踊る。サビで、それぞれがメンバー・カラーの扇子を振りながら歌い踊れば、間奏では、"破! 破!"と声を上げて観客と熱いバトルを展開。背景には、大きな火花を散らしたいくつもの花火が上がりだす。巧みに転調を繰り返す楽曲の上で、7人は常に扇子をひらひらと翻し、観客たちと一緒に声を上げ、一体化した景色を作りだしていった。
攻めた姿勢をさらに刺激的に強調するように、Appare!流ダークでダンサブルな「アイネクライネ幼き恋だね」を歌唱。愛らしい様で歌い煽る7人に向け、場内から野太い声が上がり続ける。曲が進むごとに騒ぎたい感情のボルテージが上がれば、後半にはメンバーがサークルを描くように舞台の上を駆け回っていた。
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