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LIVE REPORT

Japanese

ACIDMAN

Skream! マガジン 2024年03月号掲載

2024.02.06 @TOKYO DOME CITY HALL

Writer:山田 いつき 
Photographer:Victor Nomoto - Metacraft 、Taka"nekoze photo"、AZUSA TAKADA

ACIDMANが、2月6日にTOKYO DOME CITY HALLにて今年初となるワンマン・ライヴ"New Single Release Live「輝けるもの」"を開催した。

本公演は、シリーズ累計2,700万部突破のベストセラー漫画を実写化した、現在大ヒット公開中の映画"ゴールデンカムイ"の主題歌に起用されている新曲「輝けるもの」のシングル発売を記念したリリース・ライヴ。同曲の生パフォーマンスをいち早く観ることができたほか、"ゴールデンカムイ"とコラボしたノベルティが入場者全員にプレゼントされるなど、一夜限りのスペシャルなライヴとなった。

ステージ背景のスクリーンに映画"ゴールデンカムイ"の予告映像が流れたあと、SEが鳴り響き、観客のクラップに迎えられる形でメンバー3人が登場。オープニングを飾ったのは、この日の主役というべき楽曲「輝けるもの」。ロック・バンド然とした凄まじいダイナミズムと勢いで会場の熱気を一気に上昇させていく。先述した映画の予告映像でもこの曲は使われていたが、目の前で繰り広げられるパフォーマンスの迫力に、いい意味でまったく別の曲を聴いているような錯覚を覚える。

曲間では大木伸夫(Vo/Gt)が"映画「ゴールデンカムイ」みなさん観てくれましたか?"と問い掛けると、フロアからたくさんの手が挙がる。原作の大ファンだったという大木は"お世辞抜きで本当に素晴らしい映画だったと思うし、こんな素晴らしい映画の主題歌をやらせてもらえるなんて本当に光栄だなとつくづく思っております"と喜びを語った。

小気味良いカッティング・ギターが身体を揺らす「Rebirth」でライヴを再開。ミラーボールが夜空に煌めく星のように会場を照らした「FREE STAR」、温かい聴き心地のミディアム・ナンバー「アルケミスト」と次々に楽曲を披露していく。円熟したアンサンブルで観客を魅了したのは2003年リリースの「リピート」。昨年発売20周年を迎え大々的にフィーチャーされた2ndアルバム『Loop』からの選曲にフロアから拍手が送られる。また、小林武史をプロデューサーに迎えたバラード「愛を両手に」では叙情的な歌詞にオーディエンスがじっくりと聴き入るひと幕も。幅広いサウンドで3ピースの可能性を広げ続ける彼らの魅力を体現したようなこのセットリストは、往年のファンだけでなく、今回の映画主題歌がきっかけで初めて彼らのライヴに足を運んだ人たちにもしっかり届いたことだろう。そして最後は「ある証明」、「Your Song」など盛り上がり必至のアッパーチューンで本編を締めくくった。

アンコールではなんと、映画で鶴見篤四郎中尉を演じた玉木 宏がサプライズで登場。ACIDMANのメンバーと玉木は20年来の仲なのだとか。両者の仲の良さが窺えるようなやりとりのあとは、この日のために久保茂昭監督が用意したという映画"ゴールデンカムイ"の特別映像をバックに「輝けるもの」を再びドロップ。大人気漫画を原作とした実写映画の主題歌のために書き下ろされた曲だが、バンドの軸がブレることは決してない。セットリストのラストに再び「輝けるもの」が置かれたことで、この曲で描かれる愛や信念が、約27年のキャリアを通して彼らが歌ってきたテーマと地続きであることに気づかされた。この曲をアンコールで演奏するのはめちゃくちゃ疲れると演奏前に吐露していた彼らだったが、オープニング以上に気迫に満ちたパフォーマンスを見せ、今宵の祝祭は幕を閉じた。

なお、本公演の模様は2月27日にWOWOWにて独占放送/配信される。


番組情報

WOWOW"ACIDMANワンマンライブ「輝けるもの」"
2月27日(火)19:00〜 ※放送終了後~1ヶ月間アーカイヴ配信あり
3月31日(日)17:20~
収録日:2月6日
収録場所:TOKYO DOME CITY HALL
詳細はこちら


[Setlist]
1. 輝けるもの
2. ストロマトライト
3. 波、白く
4. Rebirth
5. FREE STAR
6. アルケミスト
7. リピート
8. 2145年
9. 愛を両手に
10. 世界が終わる夜
11. 夜のために
12. ある証明
13. 造花が笑う
14. ALMA
15. Your Song
En1. 輝けるもの

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