Japanese
THREE1989
Skream! マガジン 2022年01月号掲載
2021.11.27 @渋谷WWW X
Writer 秦 理絵 Photo by YURIE PEPE
THREE1989が"聴く映画"をテーマにしたアルバム『Director's Cut』の完全再現ライヴを渋谷WWW Xで開催した。東名阪をまわった"THREE1989 1st Album Director's Cut Release Tour 2021"のツアー・ファイナルだ。今年11月にTHREE1989がリリースしたメジャー1stアルバム『Director's Cut』は、インタールードを含めて全26曲を収録。ラヴ・ロマンスからSFの世界をめぐり、春夏秋冬を駆け抜けて、渋谷から北海道へとワープする。空間も、時空も超えて広がってゆく楽曲たちは、THREE1989というグループが持つ深い音楽的造形とユーモアに富んだ遊び心を感じさせるのに十分な内容だった。それを、まさか全曲、曲順どおりに再現するとは。アンコールも加えると、トータル30曲におよぶライヴが終わりに差し掛かったとき、Datch(DJ)は"上演時間が「タイタニック」と並びます(笑)"と冗談っぽく言った。実際そこまでには及ばないが、約2時間にわたり、圧倒的な没入感を生んだライヴは時間が経つのを忘れてしまうような一夜だった。
映画のナレーションのようなメンバー紹介で、まずはサポート・メンバーのSUKISHA(Ba)とRyo(Dr)、女性コーラスのふたり組 N.Y.C.が紹介され、続けて、Shohei(Vo)、Shimo(Key)、Datchの名前が呼ばれた。お客さんの大きな拍手がメンバーを出迎える。Shoheiの柔らかなファルセット・ヴォーカルを乗せたゴージャスなオープニング・ナンバー「A. me too」でライヴは幕を開けた。"今日は余すところなく『Director's Cut』の楽曲をお届けします"とDatch。原曲では川畑 要をフィーチャリングした「ココロゴト」では、Shimoのクールなリード・シンセがゆったりとフロアを踊らせる。艶やかな和のエッセンスを滲ませた「紫陽花」から、アンビエントなアレンジで生まれ変わった竹内まりやのカバー「恋の嵐」へ。スクラッチとサンプラーを駆使したDatchによるエッジの効いたサウンドを、生のドラムとベースが生み出す骨太なグルーヴが支え、Shimoのシンセが全体を煌びやかに彩る。80年代以降のR&Bやソウルを中心にしたダンス・ミュージックをルーツとしながら、最新作『Director's Cut』では"踊る"という概念にとらわれない新たなアプローチに挑戦したTHREE1989。序盤からその進化が十二分に伝わってくる。
冬の渋谷に常夏の景色を描いた能天気なサマー・チューン「夏ぼうけ」はあまりにも楽しい時間だった。"Pa ya Pa Pa Papaya!"という遊び心溢れるフレーズ。じっとしていることが不可能なダンサブルなビートに合わせて盆踊りのようなコミカルな振付で踊る。季節は夏から冬へ。N.Y.C.が「きよしこの夜」のフレーズをハミングしたあと、Shoheiが椅子に腰かけて歌った「Hot Chocolate」は、ラテンのリズムにシャンシャンと鈴の音が鳴るという異色のクリスマス・ソング。1曲ごとに異なる世界観を描く楽曲たちには、スクリーン映像を使った見せ方も似合いそうだが、あくまでも今作のテーマは"聴く映画"だ。視覚的な演出は削ぎ落とし、純度の高い音楽だけで様々な物語を描く、まさにストロング・スタイルとも言えるライヴ。それを可能にするのは、緻密なアンサンブルもさることながら、Shoheiの表情豊かなヴォーカルの力も大きかった。
シネコンをイメージした今回のアルバムは7つのパートで構成される。それぞれのパートにはタイトルがあり、MCではメンバー同士でどのパートが好きかを語りあった。Datchは、先ほど届けた「Hot Chocolate」を含むパート4の"Christmas Bell at Dawn"。理由は"今の季節にぴったりだから"。Shimoは「夏ぼうけ」を含むパート3の"絶対主観論"が好きだという。また、Shoheiは次に披露するパート5の"Re:Birth of Love"の内容について"舞台は霧雨が降ってる中目黒"と解説。"もともと付き合っていた男女が信号待ちで出会ってしまう。そのまま隠れ場のバーで盛り上がり、ホテルに行く、そんな話です"と楽曲の背景を説明し、その物語を描いた「Stay Gold」をピアノの伴奏だけで歌いきった。甘いサックスの調べにDatchによるスクラッチがスリリングに絡んだ「甘い降伏」、トークボックスを通したShimoの歌声を合図に男女ツイン・ヴォーカルで聴かせた「愛の処方箋」へ。中盤は愛をテーマにした楽曲が続いた。
あっこゴリラとケンチンミンを呼び込んだパーティー・チューン「SAKASAMAの世界」では、ステージ上で互いにぶつかりそうになりながら会場を盛り上げた。最後のパートに残されたのは、THREE1989がメジャー第1弾として配信リリースした「エゴイスティック渋谷」だ。"僕たち3人はずっと渋谷で活動をしてきました。今までの悔しいことも悲しいことも全部ひっくるめて作った曲です。これからも大切に歌い続ける曲になると思います"というShoheiの言葉で、都会の喧騒を表現したインタールード「東京白夜」から「エゴイスティック渋谷」へと繋ぐ。ジャジーなピアノがリードする狂騒的なサウンドがやがてカオティックな渦へと変わってゆく。THREE1989が描いた東京は、あらゆる欲望や犠牲を呑み込みながら、決して希望を失わない残酷で美しいものだった。
"また呼んでくれて幸せです"(Datch)とメンバーが再登場したアンコールでは、『Director's Cut』のボーナス・トラック「明日風交差点」を3人だけの演奏で届けた。多くの楽曲が北海道のニセコで制作された『Director's Cut』の中で、とりわけ、その豊かな自然の影響を受けて素直な想いが綴られたというナンバーだ。"そのときの空気感が伝わるように歌います"とShohei。どこか懐かしいメロディで綴られるその小曲には、"僕ら何を残せただろう/塞ぎ込んだ時代の入り口で"という印象的なフレーズがある。『Director's Cut』という作品は、パートごとに映画のストーリーが描かれていると同時に、メンバーの人生をドキュメンタリー風に表現したという側面もある。パート1からパート6で過去を描き、パート7の「エゴイスティック渋谷」を経て、最後に「明日風交差点」で未来へと繋がる。ここに至ってようやく『Director's Cut』の完全再現が達成した。
最後は「UNIVERSE」や「High Times」、「Mr.Sunshine」という彼らの代名詞的なダンス・ナンバーでこの日一番の盛り上がりを作り上げると、当初は予定していなかったソウル・バラード「Rambling Rose」を急遽追加で披露した。お客さんには椅子に座ってもらい、Shoheiが熱い歌唱で伝えたのは、どんなときもあなたの傍にいること、だから笑顔でいてほしいということ。最後にそのメッセージを残したくて、この曲を選んだのだろう。ライヴ中、ShoheiとDatchが"エンタメ性がヤバい"、"今までにないライヴだね"と手応えを口にする場面があった。本当にそのとおりのライヴだったと思う。その一曲一曲に、語られる言葉の隅々に、集まったお客さんを楽しませたいという想いが溢れたボリューム満点のライヴには、THREE1989というユニットの根底にある、エンターテイメント精神がくっきりと炙り出されていた。
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