Japanese
神様、僕は気づいてしまった
Skream! マガジン 2019年07月号掲載
2019.06.04 @Zepp Tokyo
Writer 秦 理絵
"満を持して"というのは、まさにこういう瞬間のために使うのだろう。2016年、「だから僕は不幸に縋っていました」のミュージック・ビデオがいきなり大きな話題を呼び、その翌年メジャー・デビューを果たした4人組ロック・バンド、神様、僕は気づいてしまった。彼らのバンド史上初となるワンマン・ツアー[神様、僕は気づいてしまった 1st Tour "From 20XX"]が東名阪のZeppで開催された。これまでに大型フェスの出演経験はあるものの、音源のリスニング体験こそ至高と公言する彼らは、これまでバンド主催のライヴには踏み切ってこなかった。そんな神僕(神様、僕は気づいてしまった)が満を持して開催したワンマン・ツアー。その初日となったZepp Tokyoは、開演前からお客さんの期待と興奮が入り混じった凄まじい熱気で満たされていた。
ステージ前面に張られた紗幕に宇宙空間のようなオープニング映像が描き出されると、その奥にメンバーが姿を現した。それだけで、会場からは割れんばかりの歓声が湧き起こる。1曲目は「オーバータイムオーバーラン」。蓮(Dr)が叩き出すスピーディなビートに乗せて、和泉りゅーしんのベースが激しく暴れ出し、東野へいとの華やかなギターが楽曲の疾走感を加速させる。夢を諦めた過去の自分に歌い掛けるような「ストレイシープ」から、ダンサブルなリズムがフロアを一斉に踊らせた「20XX」へ。音源と寸分の狂いもなく紡がれる正確無比なメロディに、ライヴならではの熱量を込めたどこのだれかの圧倒的なヴォーカルは、人間が持つ弱さも、強さも、葛藤も、すべてを暴き出すような切実さを孕んでいた。
蓮と和泉が繰り出すクールなグルーヴと、紗幕に映し出した額縁のデザインが艶やかな夜の美醜を描いた「わたしの命を抉ってみせて」など、ライヴの中盤はミニ・アルバム『神様、僕は気づいてしまった』からの楽曲が立て続けに披露された。途中にMCは一切挟まず、楽曲の世界観に合わせた映像や歌詞をスクリーンに映し出しながらライヴは進んでゆく。大都会の夜景を俯瞰する映像が流れたあとの「TOKIO LIAR」では、MVで登場したホログラムを用いた精巧な映像演出が斬新で目を奪われた。まさに"虚構"という歌のテーマに相応しい皮肉な演出だ。
ダウン・テンポなビートに乗せて、蓮と東野がハンドクラップを煽った「Troll Inc.」、和の趣が漂う映像とは裏腹にサビを英語詞で歌い上げる「deadlock」を経て、ライヴがクライマックスへと突き進んでゆくと、アルバム『20XX』の中でもとりわけメッセージ性の強い楽曲が続いた。どこのだれかの胸を切り裂くようなヴォーカルが"曖昧な正義"に踏みにじられる命を痛烈に歌い上げた「ウォッチドッグス」、郷愁を誘うメロディにひとりの人間の半生を綴った「大人になってゆくんだね」へ。そのライヴはメンバーがどんな表情で演奏をしているのかもわからない圧倒的な匿名性の中で繰り広げられるが、曲を追うごとに熱を帯びてゆくメンバーの姿や、あまりにも生々しく人間の心を炙り出す楽曲からは、"確かに同じ時代を生きている人間の姿"がくっきりと浮き彫りになる。そして、どこのだれかが"最後の曲です"と伝えたあとに届けたラスト・ソングは、バンドの始まりとなった曲「だから僕は不幸に縋っていました」だった。そこに気休めの希望はない。だが、言いようのない生きづらさを抱えながら、それでも足掻き続ける私たちの心を代弁する嘘のないその歌は、詭弁で満ち溢れた世界に投げ掛ける、ひとつの"希望"と呼んでいいような気がした。
[Setlist]
1. オーバータイムオーバーラン
2. ストレイシープ
3. 20XX
4. UNHAPPY CLUB
5. 僕の手に触れるな
6. わたしの命を抉ってみせて
7. 天罰有れかしと願う
8. メルシー
(Instrumental)
9. TOKIO LIAR
10. Troll Inc.
11. deadlock
12. 青春脱出速度
13. ウォッチドッグス
14. 大人になってゆくんだね
15. だから僕は不幸に縋っていました
EN. CQCQ
- 1
LIVE INFO
- 2025.09.04
-
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
とまとくらぶ
マカロニえんぴつ
DIRTY LOOPS
ハンブレッダーズ
終活クラブ
a flood of circle × 金属バット
TOOBOE
神はサイコロを振らない
- 2025.09.05
-
Age Factory
GOOD BYE APRIL
fox capture plan
水曜日のカンパネラ
大森靖子
セックスマシーン!!
YOASOBI
JYOCHO × 長瀬有花
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
KING BROTHERS
DIRTY LOOPS
EGO-WRAPPIN' / Original Love Acoustic Session
秋山黄色
ぜんぶ君のせいだ。
This is LAST
WtB
神はサイコロを振らない
PENGUIN RESEARCH
Bentham / Yobahi / WELL DONE SABOTAGE / Loojy
- 2025.09.06
-
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
Creepy Nuts
eastern youth
Broken my toybox
青木陽菜
9mm Parabellum Bullet / 眉村ちあき / 浪漫革命 / THE BOHEMIANS ほか
Appare!
カミナリグモ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
藤沢アユミ
大森靖子
なきごと
"TREASURE05X 2025"
ADAM at / TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍
セックスマシーン!!
ぜんぶ君のせいだ。
TOOBOE
YOASOBI
NANIMONO
KING BROTHERS
Victoria(MÅNESKIN)
Ryu Matsuyama
SIX LOUNGE / TENDRE / ハナレグミ / 日食なつこ ほか
WtB
SCOOBIE DO
NakamuraEmi
りぶ
優里
PIGGS
- 2025.09.07
-
Girls be bad
Broken my toybox
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
This is LAST
レイラ
WtB
ナナヲアカリ
豆柴の大群
TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍 ほか
ヨルシカ
eastern youth
大森靖子
GOOD ON THE REEL
Aooo
"TREASURE05X 2025"
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
TOOBOE
the cabs
心愛 -KOKONA-
Keishi Tanaka
KING BROTHERS
Mellow Youth
cinema staff
OAU / LOVE PSYCHEDELICO / 大橋トリオ ほか
"くさのねアイドルフェスティバル2025"
渡邊一丘(a flood of circle)
ぜんぶ君のせいだ。
りぶ
ART-SCHOOL
HY
優里
SILENT SIREN
[激ロックpresents"Burning Blue vol.5"]
- 2025.09.08
-
レイラ
JACK'S MANNEQUIN
fox capture plan
- 2025.09.09
-
Age Factory
THE GET UP KIDS
Hump Back
YOASOBI
打首獄門同好会
9mm Parabellum Bullet
JACK'S MANNEQUIN
"LIVEHOLIC 10th Anniversaryseries~奏・騒・壮!!!Vol.4~"
- 2025.09.10
-
Aooo
Hump Back
ハンブレッダーズ
This is LAST
The Birthday
パーカーズ × 浪漫派マシュマロ
とまとくらぶ
THE GET UP KIDS
打首獄門同好会
- 2025.09.11
-
Bye-Bye-Handの方程式
YOASOBI
The Birthday
w.o.d.
MONOEYES
THE GET UP KIDS
TOOBOE
鶴 × ONIGAWARA
- 2025.09.12
-
Aooo
ナナヲアカリ
神聖かまってちゃん
TOOBOE
w.o.d.
ビレッジマンズストア
YOASOBI
THE BOHEMIANS × the myeahns
the band apart (naked)
Rei
Awesome City Club
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~この声よ君の元まで!!〜"
- 2025.09.13
-
cinema staff
ヤバイTシャツ屋さん / UNISON SQUARE GARDEN / sumika ほか
神はサイコロを振らない
The Birthday
AIRFLIP
神聖かまってちゃん
This is LAST
GRAPEVINE
佐々木亮介(a flood of circle)
四星球 / 藤巻亮太 / eastern youth / 踊ってばかりの国 ほか
Creepy Nuts
KING BROTHERS
崎山蒼志 / moon drop / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / ExWHYZ ほか
"ナガノアニエラフェスタ2025"
WtB
PIGGS
TOKYOてふてふ
LACCO TOWER
安藤裕子
GOOD BYE APRIL
The Biscats
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
wacci
- 2025.09.14
-
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
AIRFLIP
TOOBOE
THE BOHEMIANS × the myeahns
flumpool / 三浦大知 / コブクロ / C&K
ガガガSP / GOING UNDER GROUND / 日食なつこ / LOVE PSYCHEDELICO ほか
ナナヲアカリ
WtB
Academic BANANA
Creepy Nuts
打首獄門同好会 / GLIM SPANKY / yama / bokula. ほか
KING BROTHERS
"ナガノアニエラフェスタ2025"
センチミリメンタル
mzsrz
ぼっちぼろまる
SIRUP
Maica_n
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
Mirror,Mirror
- 2025.09.15
-
セックスマシーン!!
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
WtB
ビレッジマンズストア
Kroi
GRAPEVINE
Appare!
THE CHARM PARK
TOKYOてふてふ
緑黄色社会 / 04 Limited Sazabys / キュウソネコカミ / Hump Back ほか
羊文学
PIGGS
DYGL
THE SMASHING PUMPKINS
FOUR GET ME A NOTS
Bimi
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
FIVE NEW OLD
eill
UNFAIR RULE / Blue Mash / ペルシカリア / ポンツクピーヤ
アーバンギャルド
NOIMAGE
- 2025.09.16
-
THE CHARM PARK
THE BOHEMIANS × the myeahns
MONOEYES
Aooo
コレサワ
Laughing Hick / アンと私 / つきみ
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series〜NEWIMAGE〜"
- 2025.09.17
-
YOASOBI
THE ORAL CIGARETTES
DYGL
Mirror,Mirror
Hump Back
a flood of circle
THE SMASHING PUMPKINS
ガラクタ / 東京、君がいない街 / Fish and Lips
点染テンセイ少女。
RELEASE INFO
- 2025.09.04
- 2025.09.05
- 2025.09.06
- 2025.09.09
- 2025.09.10
- 2025.09.12
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.05
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ExWHYZ
Skream! 2025年08月号