Japanese
Suck a Stew Dry
Skream! マガジン 2017年01月号掲載
2016.12.07 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 秦 理絵
たしかにバンドの今後の予定は白紙のままだった。だが、まさか活動休止になるとは。2016年8月にフセタツアキ(Gt)の脱退が発表されてから、Suck a Stew Dryは5人体制の最後の年と位置づけて、1本1本のライヴをとても大切に活動してきた。そして、11~12月にかけて開催した東名阪対バン・ツアー"遺失物取扱所"。ここでいったん、5人のSuck a Stew Dryは最後になるはずだったが、追加公演として急遽発表されたのが12月7日の渋谷CLUB QUATTROでの"遺失物取扱所:Another End"だ。その日のアンコールで、篠山コウセイ(Vo/Gt)の口から活動休止が発表された。ラスト1曲を残して、"今日でフセ君は僕たちのバンドを脱退するけど、残った4人は一度お休みさせていただきます"と。"お休み"。そう表現した篠山の口調からは、それほど長い期間を置かず、新生Suck a Stew Dryに会えそうな気はする。だが一方で、彼らのどの楽曲にも鮮やかなギターで彩りを与えてきたフセの存在なくして、Suck a Stew Dryはありえないという想いもある。いずれにせよ、ここで6年間の歴史に区切りをつけたSuck a Stew Dryが、次の一歩を踏み出すには準備期間が必要なはずだ。おそらくそんな前向きな意味で決断を下したであろう5人の最後のライヴは、聴き手と深いところで共鳴し合う、いつもどおりのSuck a Stew Dryだった。
静かにステージにスタンバイしたメンバー。篠山がアコースティック・ギターを弾きながら歌い始めた「ユーズドクロージング」からライヴはスタートした。キラキラとしたサウンドがクリスマスを間近に控えた街の様相とも重なった「カラフル」。篠山の朴訥とした優しいメロディと、奇をてらわないSuck a Stew Dryのバンド・サウンドは、歌詞の意味を問わなければ、シンプルで明快なポップ・ソングに聴こえる。だが、その歌詞にたっぷりと込められた皮肉や諦念、絶望という負の感情が、その場所に独特の空気感を作り上げていく。ティーンエイジャーの憂鬱を散りばめた「Thursday's youth」から、EDM調の「エヴリ」へ。イタバシヒロチカ(Dr)とスダユウキ(Ba)によるボトムの低いグルーヴ、ハジオキクチ(Gt/Cho)の性急なギターのカッティング、そして、フセが奏でる雄弁なギター・リフ。彼らの楽曲の中でも群を抜いてノりやすい四つ打ちの楽曲がフロアの観客を一斉に踊らせた。
節目のライヴだけあって、この日は比較的初期のナンバーが多く披露された。特に終盤にかけては、篠山の闇が色濃い時期のナンバーが続き、ライヴはますますダークで混沌としたムードを深めていく。スロー・テンポなリズムに歪んだギターが陰鬱に絡み合う「SaSD[eve]」から、"君"への情念を込めたバラード「傘」へ。Suck a Stew Dryの楽曲には"死ぬ"という言葉がよく出てくる。"死にたい"なんて、わざわざ口に出して言う奴ほど、結局は生きたがりだ。Suck a Stew Dryの楽曲は、そういう感情を肯定して、どうせ誰もがいつかは死ぬのだということを描くことで、大勢の"生きたがり"を救ってきた。
ラスト1曲を残したところで、フセが脱退について触れた。"この素晴らしいSuck a Stew Dryというバンドを脱退することになりました。もうメンバーとの殴り合いは済んでいるので......(笑)"(ここで篠山は苦笑いをしながら、ジェスチャーで"いやいや"と否定)、"これからも同じ界隈にいるし、よかったらまた会いに来てくれたらと思います"と、締めくくった。そして、篠山も"生きてさえいればまた会えると思うので。できればでいいので、また会いましょう"と言うと、ラスト・ソングは「トロイメライ」。ミラーボールが渋谷CLUB QUATTROの壁に無数の光を映し出し、爽快なバンド・サウンドに乗せて、描き出す明日への小さな光。最後のフレーズは"明日から何を着て出かけようか"だ。たとえ希望に満ちていなくとも、自分なりの明日を夢想する。それがSuck a Stew Dryらしい希望の描き方だった。
アンコールで再びメンバーがステージに揃うと、篠山が少し考え込むように間を置いてから、"あんまり知らないと思うけど、Suck a Stew Dryで初めて合わせた曲をやります"と紹介して、1stフル・アルバム『ジブンセンキ』に収録されている「アパシー」を披露した。5人の"はじまりの曲"を、5人が終わる日に演奏する。そこで湧き立つエモーショナルな感情を、あえて語るようなバンドでもないのだが、最後に披露された「遺失物取扱所」では、そんなメンバーが何度も目を合わせながら演奏をする姿が印象的だった。すべての曲が終わり、メンバーがステージ袖にハケたあとも、ずいぶん長いこと、渋谷CLUB QUATTROのフロアから拍手が鳴り止まなかった。次にSuck a Stew Dryに会えるのがいつになるのか? それは誰にもわからない。だが、そのときもまた希望や喜びとは反対側から、私たちに生きる勇気を与えてくれる、そんな稀有なバンドであってほしいと思う。
- 1
LIVE INFO
- 2024.04.27
-
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜 / TOKYOてふてふ
ReN
TK from 凛として時雨
TRIANGLE 2024
People In The Box
ポップしなないで
"ARABAKI ROCK FEST.24"
BIGMAMA
SEKAI NO OWARI
ズーカラデル
KEYTALK / キュウソネコカミ / ポルカドットスティングレイ ほか
セックスマシーン!!
SAKANAMON
原因は自分にある。
BACK LIFT
リュックと添い寝ごはん
Base Ball Bear
SCANDAL
岡崎体育
the engy
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
Johnnivan
スカイピース
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
Novelbright
Amber's
THE YELLOW MONKEY
Ado
SPENSR
- 2024.04.28
-
ASP
眉村ちあき
ASH DA HERO
ポップしなないで
TRIANGLE 2024
SAKANAMON
ザ・クロマニヨンズ
People In The Box
"ARABAKI ROCK FEST.24"
SEKAI NO OWARI
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜 / TOKYOてふてふ
The Ravens
Omoinotake
THE BOYS&GIRLS
MAIZURU PLAYBACK FES.2024
いきものがかり
MYTH & ROID
愛はズボーン
SCANDAL
超能力戦士ドリアン
忘れらんねえよ
"JAPAN JAM 2024"
ハシリコミーズ
礼賛
にしな
Ado
Laughing Hick
- 2024.04.29
-
ReN
fox capture plan
岡崎体育
TRIANGLE 2024
小山田壮平
ザ・クロマニヨンズ
シノダ(ヒトリエ)
リュックと添い寝ごはん
私立恵比寿中学
ゆいにしお
Creepy Nuts
眉村ちあき
ASIAN KUNG-FU GENERATION / THE ORAL CIGARETTES / Vaundy ほか
moon drop
MAIZURU PLAYBACK FES.2024
Age Factory
the shes gone / Ivy to Fraudulent Game / ドミコ / パスピエ ほか
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / Not Secured,Loose Ends ほか
The Ravens
愛はズボーン
"JAPAN JAM 2024"
Novelbright
超能力戦士ドリアン
ヤユヨ
Poppin'Party × MyGO!!!!!
- 2024.04.30
-
I Don't Like Mondays.
シノダ(ヒトリエ)
藤巻亮太
君島大空
山内総一郎(フジファブリック)×斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN/XIIX)
フラワーカンパニーズ
- 2024.05.01
-
I Don't Like Mondays.
神はサイコロを振らない
ハンブレッダーズ
忘れらんねえよ
Rhythmic Toy World
アカシック
GRAPEVINE × Hedigan's
- 2024.05.02
-
サカナクション
君島大空
Novelbright
神はサイコロを振らない
ゆいにしお
Maki
- 2024.05.03
-
I Don't Like Mondays.
サカナクション
古墳シスターズ
フレデリック / 04LimitedSazabys / キュウソネコカミ / BLUEENCOUNT ほか
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / 弐ノ名 ほか
忘れらんねえよ
"JAPAN JAM 2024"
清 竜人
ザ・クロマニヨンズ
VIVA LA ROCK
RAY
いきものがかり
- 2024.05.04
-
Machico
KiSS KiSS
ExWHYZ
"OTODAMA'24~音泉魂~"
ビッケブランカ
KEYTALK / THE BACK HORN / THE BAWDIES / FLOW ほか
SCANDAL
岸田教団&THE明星ロケッツ
フィロソフィーのダンス
ドレスコーズ / 特撮 / 小林私 / 月蝕會議 ほか
halca
"JAPAN JAM 2024"
ずっと真夜中でいいのに。
VIVA LA ROCK
- 2024.05.05
-
go!go!vanillas
I Don't Like Mondays.
古墳シスターズ
ExWHYZ
愛はズボーン
Machico
"OTODAMA'24~音泉魂~"
ザ・クロマニヨンズ
ユプシロン
ASP
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / 星歴13夜 ほか
JYOCHO
SEKAI NO OWARI
"JAPAN JAM 2024"
BiS
ずっと真夜中でいいのに。
VIVA LA ROCK
- 2024.05.06
-
I Don't Like Mondays.
愛はズボーン
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
小山田壮平
ヒトリエ
挫・人間
ぜんぶ君のせいだ。
SHAKALABBITS
夜の本気ダンス
SEKAI NO OWARI
ヤングスキニー
SCANDAL
かりんちょ落書き
VIVA LA ROCK
- 2024.05.08
-
礼賛
I Don't Like Mondays.
WANIMA
MOROHA
KALMA
Ryu Matsuyama
神はサイコロを振らない
cadode
- 2024.05.09
-
I Don't Like Mondays.
超能力戦士ドリアン
礼賛
アカシック
センチミリメンタル
ZAZEN BOYS
ハンブレッダーズ
白昼堂々踊レ人類
神聖かまってちゃん
神はサイコロを振らない
- 2024.05.10
-
夜の本気ダンス
超能力戦士ドリアン
Creepy Nuts
BREIMEN
フレンズ
Base Ball Bear
WANIMA
AIRFLIP
Tempalay
KALMA
ACIDMAN
ヤユヨ
渡會将士
崎山蒼志
Novelbright
a flood of circle
ZAZEN BOYS
四星球
感覚ピエロ
tricot
the dadadadys
LEGO BIG MORL
- 2024.05.11
-
愛はズボーン
SEKAI NO OWARI
LONGMAN
夜の本気ダンス
Tempalay
ヤユヨ
小山田壮平
KALMA
ハンブレッダーズ
TK from 凛として時雨
フルカワユタカ(DOPING PANDA)× 荒井岳史(the band apart)
ASP
ASH DA HERO
FINLANDS
Base Ball Bear
ぜんぶ君のせいだ。
tacica
SCANDAL
ヤバイTシャツ屋さん
"OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2024"
ExWHYZ
センチミリメンタル
ハシリコミーズ
The Ravens
a flood of circle
People In The Box
SAKANAMON
ザ・クロマニヨンズ
Rhythmic Toy World
白昼堂々踊レ人類
THE BAWDIES
ネクライトーキー
Amber's
"SWEET LOVE SHOWER SPRING 2024"
THE BOYS&GIRLS
ホリエアツシ(ストレイテナー)/ 田島貴男 / とまとくらぶ ほか
- 2024.05.12
-
愛はズボーン
私立恵比寿中学
SEKAI NO OWARI
LONGMAN
TK from 凛として時雨
WANIMA
ASP
The Ravens
SCANDAL
岡崎体育
ヤバイTシャツ屋さん
"OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2024"
KiSS KiSS
THE BAWDIES
the quiet room
FES☆TIVE
tacica
ヒトリエ
フラワーカンパニーズ
SAKANAMON
ザ・クロマニヨンズ
フルカワユタカ(DOPING PANDA)× 荒井岳史(the band apart)
MYTH & ROID
AIRFLIP
メメタァ
BiS
ネクライトーキー
ゆいにしお
"SWEET LOVE SHOWER SPRING 2024"
BIGMAMA
井上竜馬(SHE'S)✕藤井怜央(Omoinotake)/ Jane Jade(藤原さくら✕優河)ほか
RELEASE INFO
- 2024.04.27
- 2024.05.01
- 2024.05.02
- 2024.05.03
- 2024.05.04
- 2024.05.05
- 2024.05.06
- 2024.05.07
- 2024.05.08
- 2024.05.09
- 2024.05.10
- 2024.05.15
- 2024.05.17
- 2024.05.22
- 2024.05.29
- 2024.05.31
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
BREIMEN
Skream! 2024年04月号