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LIVE REPORT

Japanese

MERRY / 真空ホロウ

Skream! マガジン 2015年07月号掲載

2015.06.11 @下北沢LIVEHOLIC

Reported by 沖 さやこ

異種格闘戦と思われそうなブッキングだが、精神性に関しては共通点の多いバンド同士であると思う。音楽的にも両者共に昭和歌謡の要素があり、どちらのバンドも愛聴している身としてはとても嬉しい2マンだ。そう思っていた人も少なくないのでは? チケットはソールド・アウト。2バンドのファンの割合もほぼ半々、そしてどちらのファンも両バンドのアクトに期待を寄せているという非常に理想的な状態だった。


先攻はSEと共にフロアの上手から登場したMERRY。1曲目は「千代田線デモクラシー」。昭和歌謡をパンキッシュにしたMERRYらしい楽曲で、フロアのクラップとシンガロング、ヘッドバンギングも完璧だ。ガラ(Vo)はモニター上に乗りフロアを煽り、破壊力のあるネロのドラムにも圧倒される。この日、療養中のテツ(Ba)は不在だったが、それを感じさせない音圧。4人であってもステージには5人いる気がした。
ガラの"下北沢に絶望を!"で、キラー・チューン「絶望」。フロアとのコール&レスポンス、ガラは手桶に入った水を柄杓でフロアにまき散らすなど、"絶望"という言葉とは相反する非常に明快でポジティヴな空間が広がった。ダンス・ナンバー「Zombie Paradise ~地獄の舞踏曲~」も色気のあるガラのパフォーマンスに目が離せない。彼は楽器隊が演奏する音をすべて自身の体に取り込んで、歌と全身でMERRYの世界観を体現する。フロントマンとしての意識の高さが指先まで通っているのだ。
「暗闇にピンク」に続いては8月にリリースされる新曲「Happy life」を披露。ガラの笑顔が眩しいアー写が賛否両論を呼んでいるが、楽曲はMERRYらしさ溢れる、哀愁のあるメロディと結生と健一のギター、開けたサビのコントラストが印象的な楽曲だ。歌詞にもリアリティとメッセージ性があり、今後アンセムになる予感がした。すると間髪入れずに結生のコール&レスポンスから「オリエンタルBLサーカス」へ。ここからは狂乱状態で、「Midnight Shangrila」のスリリングかつ多幸感のあるグルーヴ、「Carnival」のトランス感と強靭な音像はさすがのひと言に尽きる。ラストは「梟」。激情と哀愁が入り乱れた全身全霊のステージを最後まで貫き通し、ステージから去る際、観客とハイタッチしていく姿もクールだった。


後攻は松本明人(Vo/Gt)の"LIVEHOLIC、帰らないでくれてありがとう。真空ホロウへようこそ"の台詞で真空ホロウ。妖しげなトーンで話す彼の声がその場に零れるだけで、たちまちLIVEHOLICが真空ホロウの色に染まっていく。「被害妄想と自己暗示による不快感」から、彼のヴォーカルの輝き方がこれまでと全然違ったことに驚いた。ずっとどこか壁を作り、何かを演じるように歌っていた彼が、松本明人という自分自身で体当たりしているように見えたのだ。彼の"行くぜ下北!"の煽りで「ホラーガールサーカス」へ。村田智史のベースと大貫朋也のドラムによるリズム隊のグルーヴの勢いにも圧倒される。曲間で明人は"まさかMERRYが最初だなんて思わなかったでしょ"と笑わせるなど余裕を見せ、完全にバンドがネクスト・ステージに進んでいることを感じさせた。「虹」は言葉を聴き手にねじ込むように情感溢れるヴォーカルで魅せ、「こどものくに」は一音一音に漲る気魄がこちらに襲い掛かる。その力強さは闇から光を掴みとるような人間らしいもがきで、そこから「引力と線とは」に繋がった瞬間は、まさしく夜明けのような眩しさだった。
MCでは村田がMERRYのファンにも配慮を忘れずトークを展開。7月18日に控える自身のツアー・ファイナルの東京キネマ倶楽部公演に触れると"なんとMUCCのツアー・ファイナルと日程が被っております!"と笑わせる。村田ワールドで完全にフロアのハートを掴むと"曲わかんなくても、わかっちゃうような感じにしちゃうから! MERRYのファンのみなさん、真空ホロウのファンのみなさん行けますか!?"と「アナフィラキシーショック」、「闇に踊れ」とハードな楽曲を畳みかけ、最新作『真空ホロウ』に収録されている硬派且つ大胆なダンス・ナンバー「MAGIC」へ。この曲にもものすごい牽引力が生まれており、楽曲が育っていることを肌で感じた。ツアーが充実している証だろう。


アンコールはMERRYと真空ホロウがTwitterでも匂わせていた通り、真空ホロウとガラがコラボレーション! 衣装チェンジをしたガラがハンドマイクでセンターに立ち、4人で「バタフライスクールエフェクト」を披露した。明人が"また対バンできるときがあったらぜひみなさん来てください"と言い、最後に感謝の言葉を告げると、相性抜群の2マンは幕を閉じた。