Overseas
THE DRUMS
Skream! マガジン 2012年06月号掲載
2012.05.21 @渋谷duo MUSIC EXCHANGE
Writer 伊藤 洋輔
“3分間ポップ・ソング”なんて表現はどこか軽やかで穏やかな雰囲気を醸すかもしれないが、彼らのライヴ・パフォーマンスとなると、良質なポップ・ソングとしてのアルバム音源からは想像できないほど、まったく別次元の逞しさが満ち、強靭なものとして変貌するから驚かされる。約1年振り、THE DRUMSの来日公演@渋谷duo MUSIC EXCHANGE。2010年のデビュー以降コンスタントな来日を繰り返し、そのたび音源とパフォーマンスの違いは話題となっていたが、この夜もまた、昨年の2ndアルバム『Portamento』リリース以降またしても彼らは大きく飛躍した、そう感じさせる素晴らしい内容だった。
その要因を考えると浮かび上がるのは、バンドを取り巻く環境の変化が見えてくる。簡単にこれまでの経緯を振り返るが、2年前にギタリストの脱退にともないサポート・メンバーを追加しステージでは5人体制となった。各ポジションも変更され、とりわけそれまでギターだったJacob Grahamがシンセサイザーに変更された点はバンドに大きな影響を与えたようだ。『Portamento』でもシンセが大胆にフィーチャーされ、リリース当初“THE DRUMSがダークになってしまった!”と聞こえた多くの声はこのシンセ・サウンドによる世界観の変化だろう(歌詞自体も随所に“死”という表現が使われているが)。しかしインタビューでも語っていたが、デビュー当時に世界中から贈られた称賛はメンバーの想像を遥かに超え膨れ上がってしまい、ついには混乱に陥ってしまったということは、自然と内省感を強めていったのだろう。その表現の模索として、シンセ・サウンドに新たな活路を見出した、と。デビュー・アルバムと比較するとこれまでにない叙情感が漂う2枚目となったが、パフォーマンスもノリの良さだけではない味わい深さを身に纏ったようだった。逆境を乗り越え、自分を見つめ直し、辿りついた新境地は、力強くも思慮深いポップ・ソングとしての躍動がある。
スタートは2枚目の「What You Were」。1枚目の延長線にある小気味よいギター・メロディが印象的だが、フロントマンJonathan Pierceのファルセット・ヴォイスもメロディに溶け込むように響く。ほどよく空間を暖めたところでオーディエンスの大きな歓声が上がるは、人気の高い「Best Friend」だ。伸びやかなコーラスは空間の温度が上昇していくように響き渡り、そして一体感が生まれた瞬間でもあった。続く「Me And The Moon」でもオーディエンスの反応は良い。力強いリズムに繊細なギター・メロディが跳ね上がり、踊らずにはいられないのだ。JonathanまるでIan Curtisのようなダンスをみせる。その独自さにちょっと笑ってしまうけど、これもDRUMSの重要なカラーのひとつだ。「If He Like It Let Him Do It」~「Book Of Stories」~「How It Ended」~「Money」~「I Need Fun In My Life」と2枚目と1枚目の楽曲がバランス良く鳴らされる。とくに「If He~」のダークな曲調ではたっぷりの情感で歌い上げるJonathan、そしてJacobのシンセが活きたアレンジでDRUMSの新境地を象徴するかのようだった。ライヴは続き、本編のハイライトとなった盛り上がりをみせたのは「Forever And Ever Amen」! キャッチーなメロディが走ればフロアではモッシュに近いほどオーディエンスは激しくジャンプする。冒頭の“We are in love And we forever”という一節がDRUMSとオーディエンスを繋ぐように、幸福感と高揚感入り混じる盛り上がりだ。その熱のまま本編が終了しアンコールに突入すると、あの口笛が聞こえてくる……「Let’s Go Surfing」! 彼らの代表曲であり、オーディエンスが最も待ち望んでいた1曲だろう。荒々しい波を起こすような性急なリズムに身を委ねるオーディエンス……というかここではサーファーかな? フロアのボルテージは沸点を刻んだ瞬間に、色褪せない楽曲の強さをまざまざと見せられた。何度も“アリガトウゴジャイマス”と呟き、ラストはしっとりと「Down By The Water」。やり切ったという達成感か、Jonathanに安堵のような表情が浮かんでいたような気がする。最後の力を振り絞るように、そして噛み締めるように歌い上げ、素晴らしいパフォーマンスは終わった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.28
-
終活クラブ
SIX LOUNGE
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
吉澤嘉代子
藤巻亮太
超能力戦士ドリアン
サニーデイ・サービス × NOT WONK
リュックと添い寝ごはん
- 2025.10.29
-
吉澤嘉代子
Damiano David(MÅNESKIN)
amazarashi
キュウソネコカミ
moon drop
怒髪天
- 2025.10.30
-
超☆社会的サンダル
LONGMAN
YOASOBI
凛として時雨
夜の本気ダンス
キュウソネコカミ
SIX LOUNGE
打首獄門同好会
Nikoん × Apes
挫・人間
- 2025.10.31
-
すなお
ExWHYZ
吉澤嘉代子
東京スカパラダイスオーケストラ
LONGMAN
YOASOBI
ガガガSP
フリージアン
FINLANDS
Newspeak
夜の本気ダンス
go!go!vanillas
超能力戦士ドリアン
インナージャーニー
岸田教団&THE明星ロケッツ
ポップしなないで
RAY
アイナ・ジ・エンド
- 2025.11.01
-
東京スカパラダイスオーケストラ
怒髪天
PIGGS
超☆社会的サンダル
ポルカドットスティングレイ
MONOEYES
シド
LACCO TOWER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
LiSA
Omoinotake
"ボロフェスタ2025"
ドミコ
TOKYOてふてふ
Dannie May
SIX LOUNGE
hockrockb
go!go!vanillas
osage
WurtS
RADWIMPS
The Biscats
brainchild's
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
chilldspot
moon drop
インナージャーニー
KANA-BOON
AFTER SQUALL
松永天馬(アーバンギャルド)
NANIMONO
愛美
CYNHN
DeNeel
kobore
the cabs
離婚伝説
[Alexandros] / WANIMA / UNISON SQUARE GARDEN / くるり ほか
- 2025.11.02
-
osage
OKAMOTO'S
PIGGS
HEP BURN
秋山黄色
吉澤嘉代子
MONOEYES
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
離婚伝説
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
"ボロフェスタ2025"
KING BROTHERS
wacci
Laura day romance
PIXIES
WurtS
Devil ANTHEM.
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
Dannie May
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
キタニタツヤ
moon drop
KANA-BOON
AIRFLIP
ハンブレッダーズ×秀吉×囲碁将棋
羊文学 / sumika / クリープハイプ / マルシィ ほか
私立恵比寿中学
The Biscats
WtB
:[Alexandros] / 10-FEET / go!go!vanillas / マカロニえんぴつ ほか
bokula.
- 2025.11.03
-
irienchy × no more
NANIMONO
秋山黄色
フレデリック
怒髪天
OKAMOTO'S
東京スカパラダイスオーケストラ
Devil ANTHEM.
ポルカドットスティングレイ
セックスマシーン!!
キタニタツヤ
シド
LiSA
"ボロフェスタ2025"
yama
キュウソネコカミ
愛美
brainchild's
藤巻亮太
AIRFLIP
私立恵比寿中学
Bye-Bye-Handの方程式
moon drop
SPRISE
SCOOBIE DO
the telephones
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
THE BACK HORN
凛として時雨
Age Factory
hockrockb
LACCO TOWER
阿部真央
- 2025.11.06
-
RADWIMPS
古墳シスターズ
ねぐせ。
超能力戦士ドリアン
吉澤嘉代子
TENDOUJI
東京スカパラダイスオーケストラ
THE SPELLBOUND
LEGO BIG MORL
LONGMAN
キュウソネコカミ
フィロソフィーのダンス
夜の本気ダンス
GLIM SPANKY / 神はサイコロを振らない / レトロリロン
礼賛
ブランデー戦記
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
- 2025.11.09
-
コレサワ
Mrs. GREEN APPLE
Laura day romance
ねぐせ。
NANIMONO
SUPER BEAVER
フラワーカンパニーズ
あたらよ
ズーカラデル
osage
FINLANDS
SCOOBIE DO
MONOEYES
SPRISE
Devil ANTHEM.
崎山蒼志
打首獄門同好会
キタニタツヤ
リュックと添い寝ごはん
LUCY
水平線
KANA-BOON
ラックライフ
暴動クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
chilldspot
インナージャーニー
ドミコ
森 翼
PompadollS
Appare!
キュウソネコカミ
eastern youth
Cody・Lee(李)
BLUE ENCOUNT
優里
岸田教団&THE明星ロケッツ
Rhythmic Toy World / BIGMAMA / LACCO TOWER / kobore ほか
ASIAN KUNG-FU GENERATION / SHISHAMO / 水曜日のカンパネラ / TENDRE ほか
シド
"四星球放送局FESTIVAL"
Dannie May
a flood of circle
センチミリメンタル
怒髪天
- 2025.11.11
-
PEDRO
Age Factory×ジ・エンプティ
BIGMAMA
Laughing Hick
SAKANAMON
僕には通じない
Ado
RELEASE INFO
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.01
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
- 2025.11.21
- 2025.11.26
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号
















