Japanese
ART-SCHOOL
2011.01.14 @Shibuya O-EAST
Writer 沖 さやこ
加速する瞬間、動き出す瞬間、幕が上がる瞬間、恋に落ちる瞬間――。ART-SCHOOLの発するエネルギーは今も昔も“何かが始まる瞬間”を彷彿させる刹那的な躍動感がある。昨年の9月にスタートした10周年記念ツアー最終日。満員のフロアを前に、メンバーは薄暗く青白い光が浮かび上がるステージへゆっくりと姿を現した。1曲目「Anesthesia」。緊迫感のあるギターのカッティングで、音が一気に凝縮する。2曲目「水の中のナイフ」のイントロが鳴った瞬間、観衆は衝動的に前に押し寄せた。水の中へ飛び込むように、彼らの鳴らす音に身体を委ねる。木下理樹(Vo&Gt)の声はいつにも増して危うく不安定だったかもしれない。だがそれが曲の持つ焦燥感を引き立てていた。
「スカーレット」「Siva」「NEGATIVE」「ガラスの墓標」と、新旧織り交ぜた曲で攻める。宇野剛史の安定感のあるベース、鈴木浩之のヘヴィーでダイナミックなドラムは広い会場によく似合う。スケール感を増し続ける音像。弱気は微塵も感じられない。「アイリス」「DIVA」が放つ、生き急ぐような切迫感で息が出来なくなる。このリアルがグロテスクになりすぎず、ポップに昇華されるところはART-SCHOOLの醸すロマンチシズムだと感じる。木下理樹と戸高賢史が向かい合いギターを鳴らすシーンが印象的な「BLACK SUNSHINE」。両極端の2人が鳴らす音は、歯車のように美しく噛み合ってゆく。
「次はどうしてもやりたかった曲を」と戸高が語り演奏された「LILY」。彼の奏でる希望と切なさに満ちた、美しく繊細な旋律が心を静かに巻き込んでゆく。セット・リストの影響もあるのかもしれないが、1曲1曲で、そのリリース当時のART-SCHOOLが次々と鮮明に蘇り、胸に熱いものが込み上げた。10年の活動でオリジナル・メンバーは木下ただひとり。だがこの日はメンバー全員がART-SCHOOLの10年間に敬意を表していたように見えた。そんな4人の愛情が、聴く者の心の中にART-SCHOOLの10年間をフラッシュバックさせたのではないだろうか。
穏やかな空気は「MISS WORLD」で一転。高い塀を全速力で走り抜けるような危うさを伴うリズム。4人の音は強靭さを増し、フロアの熱もどんどん高まってゆく。「OUTSIDER」のギターの残響を切り裂くように、「UNDER MY SKIN」のイントロ・ベースが鳴り始めた。湧き上がる歓声、掲げられる拳。指の間から零れてゆく水をスローモーションで眺めているような感覚。目と耳に飛び込む全ての情景が果敢無げで尊い。
ダブル・アンコール。宇野、戸高が加入時の話をした後に、木下は「みんなと同じように僕は、終電で家に帰って、ビールを飲んで、“世の中クソだ”と心の中で呟いて生きていくんだと思います。みんなそんなもんだと思うし、僕はそういう目線のままでいたいんです」と語った。10年間、彼はART-SCHOOLという場所で彼の信じる音を鳴らし、素直な気持ちを音に込めてきたのだと思う。そこには純粋な真実のみが存在する。ラストに演奏された「しとやかな獣」の“美しいしとやかな獣よ/あなたは汚れたままでいい”というフレーズはその象徴のように感じた。この日彼らが見せてくれた世界は、10年の歴史が培った“クソみたいな世の中”に輝く、確かな希望だった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.06.18
-
BLUE ENCOUNT
星野源
Hump Back
Creepy Nuts
銀杏BOYZ
sumika
Saucy Dog
YONA YONA WEEKENDERS
Amber's × シズクノメ
ネクライトーキー
Mr.ふぉるて
東京スカパラダイスオーケストラ
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.06.19
-
星野源
古墳シスターズ
KALMA
WANIMA
四星球
にしな
Hump Back
TenTwenty
フラワーカンパニーズ
斉藤和義
MAN WITH A MISSION
YONA YONA WEEKENDERS
reGretGirl
meiyo / 侍文化
- 2025.06.20
-
BLUE ENCOUNT
ポルカドットスティングレイ
古墳シスターズ
SHE'S
SAKANAMON
緑黄色社会
大原櫻子
女王蜂
おいしくるメロンパン
ヤングスキニー
サイダーガール
chilldspot
東京スカパラダイスオーケストラ
WtB
あれくん
斉藤和義
Organic Call
Absolute area
YONA YONA WEEKENDERS
the dadadadys
石野卓球×鎮座DOPENESS
藤巻亮太 × POOLS
小林私
THEラブ人間×ニッポンの社長
ReN
SUPER BEAVER
indigo la End
otona ni nattemo / ミノヒカル(Homesick Humming) / THE LAST MEAL ほか
- 2025.06.21
-
a flood of circle
BLUE ENCOUNT
SHE'S
HY
コレサワ
Nothing's Carved In Stone
ASP
Laughing Hick
the shes gone
ドレスコーズ
YUTORI-SEDAI
オレンジスパイニクラブ
FIVE NEW OLD
四星球
ヤングスキニー
GRAPEVINE
People In The Box
東京スカパラダイスオーケストラ
浅井健一
サカナクション
鶴
竹内アンナ
Organic Call
Novelbright
怒髪天
ACIDMAN
[Alexandros]
Chimothy→
SIS×タテタカコ
THEラブ人間×ニッポンの社長
阿部真央
"YATSUI FESTIVAL! 2025"
ねぐせ。
SUPER BEAVER
indigo la End
岩田栄秀(The Songbards)
RAY
Suchmos
"LIVEHOLIC &ROCKAHOLIC 10th Anniversary series~ VRide×Virtual Sounds Borderless"
- 2025.06.22
-
Laughing Hick
HY
the shes gone
ドレスコーズ
ASP
サイダーガール
Nothing's Carved In Stone
コレサワ
荒谷翔大
androp
ブランデー戦記
緑黄色社会
四星球
UNCHAIN
SAKANAMON
寺口宣明(Ivy to Fraudulent Game)
神はサイコロを振らない
LOCAL CONNECT
ADAM at
サカナクション
鶴
竹内アンナ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
GRAPEVINE
Amber's × シズクノメ
おいしくるメロンパン
斉藤和義
浅井健一
[Alexandros]
the dadadadys
NOMELON NOLEMON
"YATSUI FESTIVAL! 2025"
FIVE NEW OLD
reGretGirl
ヒトリエ
Suchmos
- 2025.06.23
-
MAN WITH A MISSION
PIGGS×ガガガSP
パピプペポは難しい
アカシック
- 2025.06.24
-
にしな
星野源
ビッケブランカ
キノコホテル
きのホ。×POLYSICS
ExWHYZ
リュックと添い寝ごはん
Devil ANTHEM.
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~Miracle PON☆〜"
- 2025.06.25
-
オレンジスパイニクラブ
ザ・シスターズハイ
SHE'S
星野源
TenTwenty
Czecho No Republic
PEDRO×詩羽
People In The Box
斉藤和義
岡崎体育
- 2025.06.26
-
Creepy Nuts
ザ・シスターズハイ
ヤングスキニー
怒髪天
ドミコ
TENDOUJI
the dadadadys
斉藤和義
WANIMA
岡崎体育
にしな
プルスタンス / Navy HERETIC / cherie / ライティライト
- 2025.06.27
-
四星球
Creepy Nuts
GOOD ON THE REEL
Subway Daydream
東京スカパラダイスオーケストラ
ビッケブランカ
the shes gone
The Slumbers
GLIM SPANKY
オレンジスパイニクラブ
女王蜂
ポルカドットスティングレイ
ドミコ
フリージアン
サイダーガール
TENDOUJI
Nothing's Carved In Stone
荒谷翔大
yama × 群馬交響楽団
chilldspot
WHISPER OUT LOUD / Good Grief / CrowsAlive / UNMASK aLIVE
Amber's × シズクノメ
空白ごっこ
WANIMA
岡崎体育
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~ナニカシラ presents sunriseeee!!!!〜"
- 2025.06.28
-
眉村ちあき
女王蜂
鶴
LOCAL CONNECT
竹内アンナ
GRAPEVINE
怒髪天
[Alexandros]
Lucky Kilimanjaro
Organic Call
浅井健一
"CRAFTLAND"
チリヌルヲワカ
the shes gone
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
w.o.d. / MONO NO AWARE / Laura day romance ほか
いゔどっと
いきものがかり
ASP
コレサワ
ドレスコーズ
神はサイコロを振らない
Laughing Hick
荒谷翔大
福永浩平(雨のパレード)
FINLANDS
the dadadadys
私立恵比寿中学
スカート
ゴキゲン帝国
礼賛
ORCALAND
"World DJ Festival Japan 2025"
ネクライトーキー
FIVE NEW OLD
斉藤和義
sumika
"TAKASAKI CITY ROCK FES.2025"
忘れらんねえよ / BLUE ENCOUNT / ヒトリエ / 打首獄門同好会 ほか
Halo at 四畳半
TGMX(FRONTIER BACKYARD etc.)
岡崎体育
Novelbright
- 2025.06.29
-
眉村ちあき
アルコサイト
ヤングスキニー
ブランデー戦記
鶴
竹内アンナ
GRAPEVINE
[Alexandros]
GLIM SPANKY
怒髪天
FINLANDS
Lucky Kilimanjaro
ネクライトーキー
東京スカパラダイスオーケストラ
浅井健一
Chimothy→
SVEN(fox capture plan)
いゔどっと
大原櫻子
荒谷翔大
reGretGirl
ドレスコーズ
VOI SQUARE CAT
終活クラブ
サイダーガール
ポルカドットスティングレイ
いきものがかり
ASP
コレサワ
清 竜人25
私立恵比寿中学
"World DJ Festival Japan 2025"
おいしくるメロンパン
斉藤和義
sumika
"TAKASAKI CITY ROCK FES.2025"
yutori
岡崎体育
Nothing's Carved In Stone
Novelbright
- 2025.06.30
-
清 竜人TOWN
浜崎容子(アーバンギャルド)
Hump Back
岡崎体育
- 2025.07.01
-
ビレッジマンズストア
Mirror,Mirror
岡崎体育
RELEASE INFO
- 2025.06.18
- 2025.06.20
- 2025.06.22
- 2025.06.25
- 2025.06.28
- 2025.07.02
- 2025.07.03
- 2025.07.04
- 2025.07.05
- 2025.07.06
- 2025.07.07
- 2025.07.08
- 2025.07.09
- 2025.07.11
- 2025.07.13
- 2025.07.15
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
音ノ乃のの
Skream! 2025年06月号