FOSTER THE PEOPLE|Skream!ライブレポート

FOSTER THE PEOPLE|Skream! ライブレポート

2012.01.18 @代官山UNIT
Reported by 山口 智男
FOSTER THE PEOPLE : Official-Site facebook myspace

普段、僕がどんな音楽を聴いているか知っている人からは“柄じゃない”と言われそうだけれど、実は密かに愛聴していたFOSTER THE PEOPLEのデビュー・アルバム『Torches』。“STROKESとVAMPIRE WEEKENDとMGMTとDAFT PUNKによるバーベキュー・パーティでの出会い”とイギリスの音楽紙、NMEが指摘した現代のミュージック・シーンを見据えたクールなサウンドもさることながら、個人的にはどこか80年代の煌きを思い出させるポップ・ソングのキャッチーなアピールにすっかりはまってしまったのだ。いや、2009年の結成からわずか半年ほどで、このロサンゼルスの3人組が大きな注目を集めるようになった理由は、サウンドがクールだったということよりも何よりもまず、彼らが作る下世話なくらい……いや、下世話という言葉がネガティヴに聞こえるなら、言いなおそう。そう! 万人に愛されるキャッチーなダンス・ポップ・ナンバーを数多くレパートリーに持っていたからなんじゃないかとさえ考えている。

もちろん、そういうポップ・ナンバーを決して、下世話なもので終らせないクールなセンスを認めないわけではないけれど、僕自身は彼らの曲を聴いたとき、正直、NMEの指摘はピンと来なかった。それよりもむしろ、たとえば、今回の来日公演のBGMに使われていたFINE YOUNG CANNIBALSや「Word Up」のヒットで知られるCAMEOといった、革新性を持ちながらももっとポップな打ち出し方をしていた80年代のバンドや、ソウル・ミュージックからの色濃い影響という共通点からMAROON 5のようなバンドを連想してしまうんだけれど……と、まぁ、そんな前置きはさておき、東京公演が即完したため、急遽決定、そしてソールド・アウトしてしまった追加公演を見せていただけるというので、足を運んだ(因みに大阪公演もソールド・アウトした)。予想通り1曲目の「Houdini」から満員の客席は歓喜に満ちあふれたダンス・フロアと化してしまった。

スーツを着たメンバーの写真から勝手に、もっとクールな連中を想像していたけれど、パーカッション&キーボード、ギター&キーボード担当のサポート・メンバー2人を加えたステージの5人は終始、エネルギッシュ。中でもフロントマンのMark Foster(Vo, Gt, Key)はキーボードをプレイしていないときは軽やかなステップをキメたり、スピーカーによじのぼったりする熱演を見せ、ファンを大いに喜ばせた。

跳ねるリズムとMarkのファルセット使いが印象的な「Miss You」、ウーララ・コーラスが愛らしい「I Would Do Anything For You」、レゲエのリズムが意表を突く「Broken Jaw」、スピーカーによじのぼるMarkの熱演もあいまって、ファンの熱狂が頂点に達した「Don’t Stop(Color ON The Walls)」、どこか懐かしい「Warrant」……バンドが次々に繰り出すポップ・ソングの数々を聴きながら、彼らの曲が持つキャッチーなアピールと強烈な即効性を改めて実感。ソウル・ミュージックの影響が色濃いスタイリッシュな楽曲と、あどけなささえ残した、いかにもインディ・ロック・キッズ然としたメンバーの佇まいのギャップがちょっと意外と言うか、なんだか不思議だった。逆に言えば。そこがFOSTER THE PEOPLEのおもしろさであり新しさでもあるんだろう。

鳴り止まない拍手の中、再びステージに現れたバンドはアンコールの1曲目にWEEZERの「Say It Ain’t So」のカヴァーを披露。WEEZERが彼らの「Pump Up Kicks」をカヴァーしたお礼にカヴァーするようになったというこの曲は今ではFOSTER THE PEOPLEの重要なレパートリーになっているようだ。うれしいサプライズ(?)に大喜びしたファンの興奮はバラード調の「Ruby」を挟んで、最後の最後についに演奏した2011年のアンセム「Pump Up Kicks」で再び頂点に達した。

誰もがFOSTER THE PEOPLEの輝かしい未来を確信したにちがいない。彼らの初来日公演は後々まで語り継がれることだろう。


1.Houdini
2.Miss You
3.Life On The Nickel
4.I Would Do Anything For You
5.Broken Jaw
6.Waste
7.Call It What You Want
8.Don’t Stop (Color On The Walls)
9.Say It Ain’t So
10.Helena Beat

~encore~
11.Warrant
12.Pumped Up Kicks

Torches

Price:¥2100 → ¥1993  by Amazon

Release : 2011-11-02


英NME誌による2010年のベスト新人50にランク・インし、この夏日本でもシングルである「Pumped Up Kicks」がクラブ・アンセムとして定着したLA出身のFOSTER THE PEOPLE。彼らの日本盤がいよいよ登場。PASSION PITをダンス・フィールド寄りにしたようなお洒落な感覚。そして、そのポップ感と少しのユルさが絶妙なバランスで成り立っているのが彼らの最大の魅力だ。シンガロング必死な「Call It What You Want」や極上のシンセ・ポップ「Houdini」など、アルバム全体としても楽曲は粒ぞろい。まだまだシングル・ヒットがここから生まれるだろう。日本盤のみに収録されている、KNOCKSなどの注目アーティストが手掛けたリミックスも聴き応え抜群だ。

(遠藤 孝行)

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