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LIVE REPORT

Overseas

YUKSEK

2009.08.08 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ

Writer 遠藤 孝行

 今のフレンチ・エレクトロ・シーンの最新型と言われるYUKSEK 。フランスから出てくるダンス系の多くのニュー・カマーはポストDAFT PUNK、ポストJUSTICEと言われるが、正統に引き継ぐというという所から見ると彼は一歩抜きん出た存在だろう。

 隣のステージでエレクトロ・ポップの歌姫として注目を集めるLITTLE BOOTSがライヴをしているにも関わらず、DANCE STAGEはびっしりと埋まっている。右端の前方に少しのスペースを見つけ滑り込む。大きなステージにぽつりと真ん中に置かれた様々な機材。JUSTCEのライヴで見られるそびえ立つアンプや、大きなスクリーンも無く、とても質素でシンプルなステージ。

 まだ明るい時間帯に、ゆっくりとYUKSEKは登場。少し遠目の位置からでも、彼のスラっとしたスタイルとルックスの良さを感じる。エレクトロ王子とも言われる事も納得。途中機材トラブルで音が止まるハプニングもあったが、彼の実力を見せつける圧巻のライヴだった。
攻撃的で分厚いビートを連発するだけではなく、彼の魅力は間に挟まれる美しいメロディと柔らかい音色だ。この日もブレイクでは大歓声が上がっていた。

それは彼がダンス・ミュージックだけではなく、BEACH BOYSなどロック・クラシックやヒップ・ホップを自分なりに消化し、表現をしているからだろう。

 自身の曲をインターバルなしでそのまま繋ぐライヴ・スタイル。淡々と作業をこなす様に、クールにプレイを続けるYUKSEK。逆にフロアでは狭いスペースの中ビートに合わせみんな思い思いに踊る。次第にキャッチーなフレーズが飛び出し、フロアはヒートアップしていく。このライヴのピーク・タイムはもちろん中盤で披露された「Tonight」。前方に人が傾れ込む。僕の近くにいたカップルは途中出ていこうとしていたのに、この曲のフレーズが聴こえると引き返し二人で仲の良さそうに踊っていた。フェスならではの光景を見て少し嬉しくなった。

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