Japanese
mzsrz
Skream! マガジン 2022年12月号掲載
2022.11.03 @吉祥寺SHUFFLE
Writer 長澤 智典 Photo by Daisuke Suzuki
楽曲が激しく駆け出すのに合わせ、メンバーたちの気持ちにも一気に熱が漲ったのか、彼女たちは「インベーダー」を通して揺れ惑う乙女の恋心を、強く言葉を吐き出すように歌っていた。5人が煽り、突き上げる拳に合わせ、フロアのあちこちでも拳が高く上がる。メンバーたちのスクリームする声が心を騒がせた。5人も、観ている側の気持ちもどんどん高まってゆく。
トライバルなデジ・ロック・ナンバー「ノイズキャンセリング」に乗せ、彼女たちは観客たちをここではない幻惑の世界へ連れ出した。5人が見せた夢の景色は、決してドリーミーなんかじゃなく、むしろ生々しくて毒々しい。だからこそ、"生きているからこその痛み"を覚えずにいられないのだ。彼女たちは迷い葛藤し、乱れる気持ちを抽出しては、それを増幅しながら伝えてゆく。だからこそ、痛みを携えた熱さと気迫に気持ちが揺さぶられる。
MCではよせいが復帰したことを伝え、この日からmzsrzが完全復活したと語る。すると、それまでのヒートアップした世界から色を塗り替えるように、「フェーダー」では"濁っていくんだ"と連呼しながら、奈落の底で蠢くような悲壮な心模様を見せてきた。この歌でも楽曲が表情を豊かにするのに合わせ、5人は歌声に少しずついろんな色を塗り重ねながら高らかに歌い上げていた。熱量のある歌声とそれを支えるハーモニーとのコントラストもとても印象的だ。
少し甘い声で、でも、そこには切ない色も滲ませ、彼女たちは「アンバランス」を歌い始めた。心の叫びをひとりひとりが歌声で繋ぎながら、想いを表現してゆく。彼女たちが"失うのは大切ばかり"と歌うたびに、mzsrzの描く世界へ心が強く引き寄せられる。オルタナティヴでトライバル、そしてシンフォニックな音世界が、もがき乱れる乙女の感情へ生々しさを与えてゆく。終盤に彼女たちはパワフルに歌声を響かせ、心の叫びを伝えていた。
"「今この瞬間逃げ出せたらな」って/もしものストーリー読むように/ただ言ってみただけって"とスタートした5人のアカペラ。演奏が始まるのと同時に、フロアから響くクラップ。メンバーたちは、モノクロな感情へ次々と色をつけるように「エコー」を歌う。弱い自分を傷つけるのではなく、必死に肯定しながら、物語の主人公は未来を見つめていた。その気持ちに5人は染まり、想いを込めた歌声の絵筆で主人公の心に希望という色を塗り重ねてゆく。いや、彼女たち自身が、自分たちに魔法をかけるように歌っていたというほうが正しいかもしれない。その姿に観客たちも高揚を覚え、一緒に音のうねりの中で溶け合うことを楽しんでいた。メンバーと観客たちが互いに求め会うように心の距離を縮めてゆく姿も印象深い。
ここからもっともっと攻めようとmzsrzはオープニング・アクトでも披露した楽曲「パンデモニウム」を突きつけた。挑むように観客の心を突き刺す歌い方も魅力的だ。並べた言葉のひとつひとつが気持ちを荒げ、メンバーたちの沸き立つ熱に興奮を覚えた観客たちがクラップをし出す。甘い表情を浮かべながら、胸の中に秘めていた感情を次々と吐き出すように彼女たちは歌っていた。躍動する楽曲に合わせジャンプしながら歌う5人に刺激を受け、フロアでも飛び跳ね、熱を分かち合う人たちが次々と生まれる。そして......。
"たったひとりのあなたへ向けた歌"。最後にmzsrzは、夜明けと共に訪れる明日という未来へ希望を託すように「夜明け」を歌っていた。弱い自分を認めながら、惑い葛藤するその先には、陽の差す景色があることを信じている。だから5人は、強い自信を胸に"怖いこと乗り越えたら ちょっと新しい僕になろう"と歌っていた。彼女たちの生きる答えを探す旅はこれからも続いていくだろう。でも、自分がここに存在する意味を知り、その思いを深めるたびに、5人は弱さを肯定し力に変える自分になれる。彼女たちは、たとえその答えが希望でも絶望であろうとも、"ちょっと新しい僕になろう"と歌っていた。「夜明け」は、傷つき恐れた心を知っている人に夜明けの光を与える歌だ。
彼女たちが心の夜明けを求めて水底から歌い続ける限り、僕らも奈落で冷たい呼吸を繰り返しながら少しずつ水面へと浮上していける。その最中でいろんな景色を見ていける。音源で聴く印象以上にライヴでは激しくダークな音像だった。メンバー自身の振幅が激しく生々しい歌声も、臨場感を持って楽しめる。音源とライヴではまったく異なるわけではない。でも、ライヴならではの増幅感に強く惹かれるのも事実。
mzsrzの次の主催イベント"水底現在地 vol.2"は、12月10日に吉祥寺SHUFFLEで行われる。そして、デビュー2周年となる来年1月11日には、1stフル・アルバム『現在地未明』(全曲DECO*27プロデュース)を引っ提げた初のワンマン・ライヴ"mzsrz 1st one-man live -始線(シセン)-"の開催も決定! 彼女たちの歌声の内側に見える切実さや、なぜだか胸が締めつけられるような、そんな心揺さぶるステージを期待せずにはいられない(会場は、彼女たちのデビューのきっかけとなったオーディション最終審査会場"Shibuya eggman"。彼女たちにとっての "始まりの場所"で、最終審査のときと同じくバンドを背負っての公演となる)。
ぜひ、次回の主催ライヴ、さらには初のワンマン・ライヴへと足を運び、一緒に心の闇をくぐり抜けた先で輝く光が照らす、その姿を観に行かないか。
mzsrz
LIVE INFORMATION
"mzsrz 1st one-man live -始線-"
1月11日(水)Shibuya eggman
OPEN 18:15 / START 19:00
[チケット]
全自由 前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500(税込/ドリンク代別)
■一般発売中
※各ライヴ会場物販でも販売
※来場者全員にニュー・シングル&限定ステッカーをプレゼント
詳細/購入はこちら
EVENT INFORMATION
"mzsrz pre.「水底現在地 vol.2」"
12月10日(土)吉祥寺SHUFFLE
OPEN 11:30 / START 12:00
出演:棘-おどろ- / com / リリスリバース / mzsrz
[チケット]
前売 ¥2,500 / 当日 ¥3,000(税込/ドリンク代別)
購入はこちら
RELEASE INFORMATION
7thシングル
「ストレイシープ後進曲」
2022.12.07 ON SALE
※配信リリース
ライヴ・アルバム
『LIVE - 現在地未明』
2022.12.07 ON SALE
※配信リリース
1stフル・アルバム
『現在地未明』
NOW ON SALE
【CD+Blu-ray(ライヴ映像 ver.)】
AVCD-96906/B
【CD+Blu-ray(リリックビデオ ver.)】
AVCD-96907/B
【CD ONLY】
AVCD-96908
[CD]
1. 夜明け
2. ノイズキャンセリング
3. エコー ※テレビ東京 水ドラ25「JKからやり直すシルバープラン」主題歌(エンディング)
4. インベーダー ※テレビ東京 次世代型オーディション番組「ヨルヤン」課題曲
5. パンデモニウム
6. フェーダー
7. アンバランス ※アンバランス映画「ショコラの魔法」主題歌
8. パントマイム
9. フィルター
10. Repeat
[Blu-ray] ※CD+Blu-ray(ライヴ映像ver.)のみ
1. 夜明け
2. インベーダー
3. アンバランス
4. ノイズキャンセリング
5. innocence performed by 作山 由衣
6. 22歳 performed by 大原きらり
7. 深い森 performed by ゆゆん
8. プラネタリウム performed by よせい
9. 愛すべきひとよ performed by 実果
10. 大切なもの performed by mzsrz
11. エコー
12. フェーダー
[Blu-ray] ※CD+Blu-ray(リリックビデオ ver.)のみ
・夜明け
・ノイズキャンセリング
・アンバランス
・インベーダー
・エコー
・フィルター
・フェーダー
配信はこちら
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Plastic Tree
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GANG PARADE
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サカナクション
THE BAWDIES
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片平里菜
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Baggy My Life × Comme des familia
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ネクライトーキー
"ながおか 米百俵フェス 2025"
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浅井健一
GLIM SPANKY / 阿部真央 / 和田 唱(TRICERATOPS)ほか
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