Japanese
原田珠々華 / Miyuu
Skream! マガジン 2021年09月号掲載
2021.07.28 @下北沢LIVEHOLIC
Writer 稲垣 遥 Photo by 濱谷 幸江
この日の下北沢LIVEHOLICには、ひとりの人間としての生き方をグッド・メロディに乗せてナチュラルに表現する、楚々とした女性シンガー・ソングライターふたりが登場した。

 "みなさんこんばんはMiyuuです。よろしくお願いします"と挨拶しながら、軽やかにアコースティック・ギターを紡ぎ、「introduction~over the rainbow~」からさらりとステージを始めたMiyuu。"こんなにいっぱいなライヴ会場久しぶり!"と興奮気味にフロアを見渡すと、続いて、愛犬"ゆる太"の横でのんびりしながら書いたという新曲へ。まさにそんなリラックスした光景が思い浮かぶ温かく美しい旋律を奏でながら、"一生懸命にゆるっといこう"と、優しくキュートな歌声の中にも確かなメッセージを感じさせるのが彼女らしい。そこから、海辺で涼やかな風を浴びるような、オーガニックなサーフ・ロック「indigo night」。フロアを気持ち良く揺らし、肩ひじを張らない、自然体なMiyuuの空気を会場の隅々まで響かせていく。
"みなさんこんばんはMiyuuです。よろしくお願いします"と挨拶しながら、軽やかにアコースティック・ギターを紡ぎ、「introduction~over the rainbow~」からさらりとステージを始めたMiyuu。"こんなにいっぱいなライヴ会場久しぶり!"と興奮気味にフロアを見渡すと、続いて、愛犬"ゆる太"の横でのんびりしながら書いたという新曲へ。まさにそんなリラックスした光景が思い浮かぶ温かく美しい旋律を奏でながら、"一生懸命にゆるっといこう"と、優しくキュートな歌声の中にも確かなメッセージを感じさせるのが彼女らしい。そこから、海辺で涼やかな風を浴びるような、オーガニックなサーフ・ロック「indigo night」。フロアを気持ち良く揺らし、肩ひじを張らない、自然体なMiyuuの空気を会場の隅々まで響かせていく。
ここで、この日のMiyuuは、彼女なりのテーマとして"今までの自分を振り返るセットリスト"で届けると宣言すると、2018年の1stミニ・アルバム『COME ONE, COME ALL』のオープニング・チューン「never be fine」を披露。ここまでのアンビエントなモードとは異なり、理不尽な世の中で、自分の道を見失わないために戦う気持ちがサウンドにもストレートに表れたこの曲は、前をキッと見て鋭さも湛えて届ける。ただ心地好い音を鳴らすだけではない。"みんなのいろんな一面を音楽で彩りたい"という彼女の想いが伝わるひと幕だった。
そして、MCでは、10月に自分で車を運転して全国を車中泊しながらめぐる計画を発表。その旅の準備をするなかで周りの人の支えを実感したと言う彼女が投下した新曲「don't cry my girl」は、出色の出来だった。自分の想いを吐き出すだけではなく、誰かを想う気持ちの大切さが込められたナンバーには彼女自身の成長も窺えたし、傍にいる人を自分のできることで守りたいというシンプルな願いが切に綴られた言葉に、胸がいっぱいになる。そうして愛で埋め尽くした空間で、ラストは最新アルバム『LA LA RAINBOW』から「fly」を演奏。スケール感のある爽やかなサウンドに乗せて、どこまでものびやかに、尽きることのない夢を歌うこのナンバーは、私たちの心に青空を描いてくれる。どんな世の中でも、無理せず前を向いていこうというメッセージを残していった。

 原田珠々華のライヴは、うまく踏み出せない恋心を歌う「帰路」から甘酸っぱく幕開け。原田は可憐なルックスよりもぐっと大人っぽい、落ち着いた深みのある歌声が魅力のひとつで、今年大学に入学したばかりでありながら、シンガー・ソングライター活動は4年目で、声色の豊かさでも魅せる。続く「消えない魔法」は、恋人とさよならをしたあとに素直な気持ちを吐露するナンバーで、"知らん振りしないでよ"などドキッとする言葉選びも秀逸だ。
原田珠々華のライヴは、うまく踏み出せない恋心を歌う「帰路」から甘酸っぱく幕開け。原田は可憐なルックスよりもぐっと大人っぽい、落ち着いた深みのある歌声が魅力のひとつで、今年大学に入学したばかりでありながら、シンガー・ソングライター活動は4年目で、声色の豊かさでも魅せる。続く「消えない魔法」は、恋人とさよならをしたあとに素直な気持ちを吐露するナンバーで、"知らん振りしないでよ"などドキッとする言葉選びも秀逸だ。
"「LIVEHOLIC 6th Anniversary series」呼んでくださってありがとうございます"。ハイチェアに腰掛け、そうお礼を伝えると、2019年に自身が出演したサーキット・イベントでLIVEHOLICにメメタァを観に来たことが思い出になっていたので、出演できて嬉しいとひと言。そして、ダウナーな一面を見せる「プラチナ」から「光合成」へ繋げていく。目まぐるしく動く世界を遠くから眺めているような、少しの孤独感を孕む心の内を、ぽつりとこぼすその繊細な描写も巧みで、MCなどでの言葉数は少なくとも、歌で会場全体を曲ごとのムードに塗り替えていくような感覚だ。
そこからの新曲「秘密」では、ロマンチックなコードに乗せ、"私の秘密をひとつだけ教えてあげる"と囁くように歌唱するキュートな原田が顔を覗かせると、チェアから立ち上がり届けたのが、夏にぴったりの「サイダー」だ。タイトルの"サイダー"や、学校のチャイムのSEなど、青春感満載のキャッチーな1曲には観客からも軽快な手拍子が湧き起こり、一気にポップさが弾ける爽やかな空気が醸成された。
ヒートアップした会場に乗じて(?)、"先ほどの曲「秘密」にちなんで秘密のお願いごとがあるんですけど......"と、初めて彼女のライヴを観た人に対し、このときもう少しで1,000いいねに達しそうだった「サイダー」のMVの"いいね"を押すようお願いするなど、愛らしくオーディエンスとの距離を縮めつつも、早くもライヴはラスト・チューンへ。"またお会いできたらなと思います"と言葉を添えて、"歌を届けること"についてのナンバー「シンガロング」を披露。目一杯かき鳴らしたギターと、この日一番の力強さで歌い上げたその声には、音楽が人の心を動かすと信じる気持ちが確かに宿っていたように感じた。
Miyuuと原田珠々華、共にギター1本に飾らない想いを乗せた潔いステージングで、リスナーの心に、けれんみもなくスッと寄り添ったライヴ。さっぱりとしつつも胸に確かに残った温かなものを大事にして、明日からを生きていこうと思うような、清々しい一夜となった。
[Setlist]
■Miyuu
1. introduction~over the rainbow~
2. slowly mellow(新曲)
3. indigo night
4. never be fine
5. Your way
6. don't cry my girl(新曲)
7. fly■原田珠々華
1. 帰路
2. 消えない魔法
3. プラチナ
4. 光合成
5. 秘密
6. サイダー
7. シンガロング
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