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LIVE REPORT

Japanese

HIGH BEAM RECORDS Presents "ULTRA HIGH BEAM"Vol.1

Skream! マガジン 2018年04月号掲載

2018.02.23 @渋谷STAR LOUNGE

Writer 沖 さやこ

2017年12月に発足した"HIGH BEAM RECORDS"の旗揚げ企画ライヴに、所属アーティスト4組が出演した。"HIGH BEAM RECORDS"はジャンルにとらわれず、ライヴにこだわって"いま"を奏でているアーティストや、様々な未来を照らすことのできるアーティストを発信することをコンセプトにしている音楽レーベル。異ジャンルの若手4組がフレッシュなライヴを繰り広げた。

1組目は東京出身の19歳女子3ピース・バンド、Maxn。サンボマスター×NIRVANA的なサウンドで、粗削りな轟音を体当たりで繰り出していく。ダークな音像もありながら、ヴォーカルが湿っぽくないため全体的にパワフルで元気な印象を与えるところも特徴的だ。レーベルやレーベルメイトに関して、バンド個々を大事にしつつ"協力できることは協力し合っていきたい"と前向きに語った。最後に"みんなで幸せになりたい! という曲を歌う"と告げ「幸あれ」を演奏。トップバッターらしく堂々とステージを完遂した。

2組目は大阪高槻出身の4人組ポップ・ロック・バンド、PICKLES。迷彩柄のトップスで揃えたメンバーがステージに登場すると、演奏をする前にヴォーカルがMCをし、観客を強気に煽っていく。それには会場を"ひとつにしていきたい"という想いがあるようだ。演奏や歌唱でも、みんなで存分にはしゃいで楽しめるキャッチーな音楽やパフォーマンスを繰り広げる。全身を音楽に乗せて歌う姿はピン・ヴォーカルだからこそできるステージングだろう。笑顔を絶やすことなく、音楽でもトークでもフロアを盛り上げることに力を尽くしていた。

3組目は神戸出身の男女混合バンド、フラスコテーション。"結成から1年経っていなくて最年少やけど、ナメてもらっちゃ困ります"と言いながらも、謙虚さも持つ10代である。煌びやかでありつつも屈折を感じさせ、どことなく苛立ちを抱えているようにも見えた。ギター・ロックを基盤にして轟音、変拍子などで緩急を作り、哀愁のあるコード進行を用いる。曲ごとに表情を変えるヴォーカルや随所に見える工夫を凝らした音作りは、今後の成長を大いに感じられるものだった。

トリを飾る東京発の3ピース、PARKLIFEはギター・ヴォーカルのエレキ弾き語りで会場の意識を引きつけて"あなたのために歌います"と宣言。"想いは曲にこもっているから、それを存分に出していこうと思います"という言葉のとおり、青春パンク・テイストのギター・ロック・サウンドはストレートな歌詞をどこまでも遠くに飛ばす。演奏とMCでステージをドラマチックにドライヴしていくと、今後について"これからのことはわからないけれど期待を膨らませている"とコメント。最後は「伝わって」で力強く晴れやかにこの夜を締めくくった。新レーベル誕生と4バンドの門出を祝福すると同時に、このチームが今後どんな光を放つのか注目したい。

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