Japanese
スキッツォイドマン
2017.09.09 @下北沢CLUB Que
Writer 吉羽 さおり
スキッツォイドマンのミニ・アルバム『必殺!地獄逝き!!』のリリースを記念した"惨ヶ月連続スリーマン忌画"の第5弾"赤い下北沢編"が下北沢CLUB Queで開催された。今回、スキッツォイドマンに招かれたのは、まず、岡山発のロックンロール・バンド、Morning Erections改めTHE SURVIBES。旧知の仲であり、まさに地獄のような辛酸を嘗めるライヴも分かち合ってきたという間柄だ。もう1組はガールズ・パンク・バンド Su凸ko D凹koiで、こちらは初の共演。タイプの違う3組の衝突でどんな地獄を生み、カオスとなるのか。未知数のワクワクがある夜がスタートした。
まず登場したのは、THE SURVIBES。今年7月にMorning ErectionsからTHE SURVIBESに改名したばかりというフレッシュさだが、積み重ねてきたバンド・グルーヴにはこってりと脂がのっており、パフォーマンスやふとした動きの随所で、腰の入ったキレの良さを見せる。瞬く間に汗だくになっていくフロントマン、ヤッホー山口(Vo)の姿も、観客を惹きつける説得力がある。さらに"今入って来た人、何が起こってるかわかんねぇだろ。これがロックンロール・ショーだ!"と山口が高らかに叫び観客を焚きつけて、ジャンプやダンスをさせる。山口は、映画"サタデー・ナイト・フィーバー"のJohn Travoltaばりにグイッと腰を突き出してダンスをする、その動きのクサさや面白さの塩梅が絶妙で、陽性なサウンドやビートとともに観客の心をくすぐる。嘉本祥太(Dr)、別府 諒(Ba)、Ray(Gt)のアンサンブルもボリューム感があり、且つそれぞれ見せ場がある。熱いソウルや汗をほとばしらせつつも、"魅せる"精神にも富んだステージだ。
"スキッツォイドマン、リリースおめでとう。そして3ヶ月、お疲れ!"という山口に、フロアで見ていたスキッツォイドマンのキャプテンkt.(Ba/Vo)が"疲れた~"と答え、"1回死んだ人が、「疲れた」とかどうなの?"とチクチクと返すやりとりなどは互いに古くから知るからこそのもの。出会ったころの感慨に浸りつつも、そんな淡い思いを粉砕するように「ウキウキワクワク」や「サニーデイ・ママ」で踊り、ハンドクラップさせ、「今夜きっと」でシンガロングを起こし、フロアにエネルギーを注入するステージで盛り上げた。
THE SURVIBESから熱々のバトンを受けたのは、音大受験をきっかけに知り合い結成したというガールズ・バンド Su凸ko D凹koi。人を食ったようなバンド名だが、奏でる音楽もまたシニカル且つユーモラスで、女の鋭く重い毒や怨念にまみれている痛快さがあり、そのうえプレイも爆裂。もっとやれ、どんどんやれと加勢したい面白さだ。おうむ(Dr/Cho)が"店長! 私バイト辞めます!!"と美声で叫んで始まった「店長、私バイト辞めます。」、そして秋の爽やかなドライブにぴったりの曲だと言い「鬱病」を見舞うなど、頭からまるで一筋縄でいかない。それでも、"もうこの2曲で好き嫌い分かれると思うけど、大丈夫、あと20分くらいしたらいなくなるから"(どい/Vo/Ba)と自虐をかまし、豪速球でソリッドなパンク・チューン「ブス」をフロアに投げてくる。観客は"ブスなんかじゃないよ"と言いながらも"ブス、ブス、ブス~"としっかり拳を挙げて盛り上がっている。なんともアンビバレントな状況。恒例となっているおうむの川柳コーナーをしている間には、りな(Gt/Cho)がおやつをもぐもぐしていたりとステージ上は自由気ままだ。しかし演奏に入れば元カレへの恨みつらみから、妬み嫉みに、心残りを、極上にキャッチーな曲に仕上げて、パワフルなバンド・サウンドで痛快に響かせる。ラストの「くず息子」では、どいがフロアへと飛び込んで這いつくばってプレイする暴れっぷりで、でたらめで深い爪痕を残すライヴで観客を沸かせた。
"赤い下北沢編"のタイトルを示すようにディープな赤の照明の下、フロアのOiコールに迎えられて登場したスキッツォイドマン。歓声のなか、キャプテンはいきなり血のりを吐きながらも"誰か! 拭くものをください!"と叫ぶ。神聖なステージは汚さないバンドマンとしてのエチケット。そんな嗜みを見せつつ、"故人の言うことは"、"絶対"のコール&レスポンスから、一気にテンションを上げてミニ・アルバムのタイトル曲である「必殺!地獄逝き!!」へと突入する。卍毒蜘蛛ノ介(Dr)のパワフルなドラムに、ワンダー久道(Gt/Vo)によるメロウなヴォーカルが冴える。飄々とした紳士な佇まいと、美声を聴かせるワンダーさがありながら、そのギターは饒舌で、ジャズやフュージョン的な巧みなプレイから、ロックな泣きのフレーズ、ソリッドに刻むヘヴィなリフまで、剛柔自在に繰り広げる。3ピースで贅沢なサウンドを編み上げたり、一方では、キャプテンがTHE SURVIBESのRayとSu凸ko D凹koiのりなを呼び込んで、皮でも剥ぐように自分の履いているレギンスを1枚脱がせるというパフォーマンスで魅せたりと、一時たりとも目が離せないステージを展開する。「人モドキ」、パンキッシュにシンガロングする「ギロチンX」へと、どんどんと地獄の不穏な空気を味わわせ、"いけるか、地上!"というキャプテンの叫びから、「爆裂!バケモノハンター」、「赤い地獄」と重厚なサウンドで地獄にまっしぐらに突き進み、フロアを翻弄する。
ちなみにこの夏、スキッツォイドマンのマネージャーがフェスを観に行った際、"売れてるバンドは、裸でも白塗りでも血を吐いてもいなかった"ということで、前の名古屋公演ではそれをすべて封印してやったが、これがまったくもってスキッツォイドマンには逆効果だったという......。スキッツォイドマンはスキッツォイドマンらしく、故人らしく、再び地獄モード全開で振り切ったのが、この東京公演だ。怨念を晴らすかのように、怒涛のプレイでシンガロングからサークル・モッシュまでも起こして、一体感溢れる地獄絵図を生み出していく。"これ、売れるわね"とキャプテンも思わず口にする、最高の光景だ。そして、濃ゆいギターが光るラストの「鬼さんこちら」までたっぷりと、ブレないスキッツォイドマンのスピリットで、変幻自在且つ変態的な(もちろん音楽的に)ロックをフロアに浴びせ、観客を昇天......いや奈落へと突き落としていった。
[Setlist]
■THE SURVIBES(ex-Morning Erections)
1. Why Don't You Wanna Dance?
2. LOVERS DISCO
3. HOP! STEP! JUMP!
4. ウキウキワクワク
5. HOT MAN
6. 嫌じゃない?
7. Cheers!
8. サニーデイ・ママ
9. I feel OK
10. 今夜きっと
■Su凸ko D凹koi
1. 店長、私バイト辞めます。
2. 鬱病
3. ブス
4. セックスレスピストルズ
5. ××××
6. 2ばんめがーる
7. くず息子
■スキッツォイドマン
1. 必殺!地獄逝き!!
2. エピソードⅡ
3. 人モドキ
4. ギロチンX
5. 爆裂!バケモノハンター
6. 赤い地獄
7. お肉(ニュー・バージョン)
8. 地獄はどっちだ(ニュー・バージョン)
9. 遺書
10. ビーバップ!I wanna be your 心霊現象
11. 鬼さんこちら
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.30
-
超☆社会的サンダル
LONGMAN
YOASOBI
凛として時雨
夜の本気ダンス
キュウソネコカミ
SIX LOUNGE
打首獄門同好会
Nikoん × Apes
挫・人間
- 2025.10.31
-
すなお
ExWHYZ
吉澤嘉代子
東京スカパラダイスオーケストラ
LONGMAN
YOASOBI
ガガガSP
フリージアン
FINLANDS
Newspeak
夜の本気ダンス
go!go!vanillas
超能力戦士ドリアン
インナージャーニー
岸田教団&THE明星ロケッツ
ポップしなないで
RAY
アイナ・ジ・エンド
- 2025.11.01
-
東京スカパラダイスオーケストラ
怒髪天
PIGGS
超☆社会的サンダル
ポルカドットスティングレイ
MONOEYES
シド
LACCO TOWER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
LiSA
Omoinotake
"ボロフェスタ2025"
ドミコ
TOKYOてふてふ
Dannie May
SIX LOUNGE
hockrockb
go!go!vanillas
osage
WurtS
RADWIMPS
The Biscats
brainchild's
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
chilldspot
moon drop
インナージャーニー
KANA-BOON
AFTER SQUALL
松永天馬(アーバンギャルド)
NANIMONO
愛美
CYNHN
DeNeel
kobore
the cabs
離婚伝説
[Alexandros] / WANIMA / UNISON SQUARE GARDEN / くるり ほか
- 2025.11.02
-
osage
OKAMOTO'S
PIGGS
HEP BURN
秋山黄色
吉澤嘉代子
MONOEYES
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
離婚伝説
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
"ボロフェスタ2025"
KING BROTHERS
wacci
Laura day romance
PIXIES
WurtS
Devil ANTHEM.
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
Dannie May
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
キタニタツヤ
moon drop
KANA-BOON
AIRFLIP
ハンブレッダーズ×秀吉×囲碁将棋
羊文学 / sumika / クリープハイプ / マルシィ ほか
私立恵比寿中学
The Biscats
WtB
:[Alexandros] / 10-FEET / go!go!vanillas / マカロニえんぴつ ほか
bokula.
- 2025.11.03
-
irienchy × no more
NANIMONO
秋山黄色
フレデリック
怒髪天
OKAMOTO'S
東京スカパラダイスオーケストラ
Devil ANTHEM.
ポルカドットスティングレイ
セックスマシーン!!
キタニタツヤ
シド
LiSA
"ボロフェスタ2025"
yama
キュウソネコカミ
愛美
brainchild's
藤巻亮太
AIRFLIP
私立恵比寿中学
Bye-Bye-Handの方程式
moon drop
SPRISE
SCOOBIE DO
the telephones
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
THE BACK HORN
凛として時雨
Age Factory
hockrockb
LACCO TOWER
阿部真央
- 2025.11.06
-
RADWIMPS
古墳シスターズ
ねぐせ。
超能力戦士ドリアン
吉澤嘉代子
TENDOUJI
東京スカパラダイスオーケストラ
THE SPELLBOUND
LEGO BIG MORL
LONGMAN
キュウソネコカミ
フィロソフィーのダンス
夜の本気ダンス
GLIM SPANKY / 神はサイコロを振らない / レトロリロン
礼賛
ブランデー戦記
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
- 2025.11.09
-
コレサワ
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
Laura day romance
ねぐせ。
NANIMONO
SUPER BEAVER
フラワーカンパニーズ
あたらよ
ズーカラデル
osage
FINLANDS
SCOOBIE DO
MONOEYES
SPRISE
Devil ANTHEM.
崎山蒼志
打首獄門同好会
キタニタツヤ
リュックと添い寝ごはん
LUCY
水平線
KANA-BOON
ラックライフ
暴動クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
chilldspot
インナージャーニー
ドミコ
森 翼
PompadollS
Appare!
キュウソネコカミ
eastern youth
Cody・Lee(李)
BLUE ENCOUNT
優里
岸田教団&THE明星ロケッツ
Rhythmic Toy World / BIGMAMA / LACCO TOWER / kobore ほか
ASIAN KUNG-FU GENERATION / SHISHAMO / 水曜日のカンパネラ / TENDRE ほか
シド
"四星球放送局FESTIVAL"
Dannie May
a flood of circle
センチミリメンタル
怒髪天
- 2025.11.11
-
PEDRO
Age Factory×ジ・エンプティ
BIGMAMA
Laughing Hick
SAKANAMON
僕には通じない
Ado
RELEASE INFO
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.01
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
- 2025.11.21
- 2025.11.26
- 2025.12.03
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号


















