Japanese
スキッツォイドマン
2017.08.08 @下北沢CLUB Que
Writer 岡本 貴之
スキッツォイドマンが6月7日にリリースしたミニ・アルバム『必殺!地獄逝き!!』のレコ発"惨ヶ月連続スリーマン忌画"の第2弾が8月8日下北沢CLUB Queにて行われた。酷暑ならぬ"獄暑"と化した地下室で繰り広げられた地獄の一夜から命からがら生還できたので、ここに詳細を報告したい。
前回7月7日のSkream!ライヴ・レポートを読んでみると、"次回も間違いなく地獄のようなライヴを堪能できることだろう"と結ばれているではないか。地獄のようなライヴっていったい? ましてやこの日の東京は台風の影響もあり、高温多湿の猛暑・酷暑地獄。地下の密室空間で地獄×地獄なライヴが展開されるのかと思うと、スキッツォイドマンのライヴ初体験の筆者は身震いせざるを得ない。そんな緊張感漂う下北沢CLUB Queに最初に登場したのはシンガロンパレード。よかった、味方がいた! 天国バンドのようなその存在感に感謝だ。今年4月1日より心機一転、衣装をチェンジして活動している彼ら。見た目はグッとシックになったものの、相変わらずの楽しさ全開のライヴ・パフォーマンスを見せてくれた。オープニングは、"京都人は全然はんなりしてない"ことを世の中に啓蒙するソウル・チューン、「KYOTO-JIN PEOPLE!!」でスタート。ユーモア溢れる内容と裏腹に、みっちー(Vo/Gt)と晨(Ba/Cho)のリフのキメが最高にクールで、顔も音も実に表情豊かにプレイするジョン=エブリバディ(Dr/Cho)のドラムも躍動感たっぷりだ。続いて飛び出したのは「oh!!嫉妬」。流麗なファルセットのコーラス・ワーク、明るいサウンドに乗せて野球部、サッカー部への嫉妬心を赤裸々に歌うみっちー。胸の中のもやもやを隠すどころか丸裸にしてステージに立っているその姿には共感するしかない。会場限定シングルからの「UFO」は、最前を陣取ったスキッツォイドマンファンも踊り出す速いBPMによる四つ打ちダンス・チューン。ジョンが迫力のドラムで煽る「YA・SE・RU・WA」は以前観たときよりもハードに変貌した印象で、"痩せたい、食べたい"の葛藤をコール&レスポンスして、潜在的ダイエット願望に火がついた観客たちと一体となった。「野良でケッコー」で見事な歌唱力、表現力豊かな演奏を聴かせ、ラストはアッパーな「10回死んでも」、「路地裏サスペンス」と続けたシンガロン。3人とは思えない分厚い音を叩きつけて、確かな成長ぶりを見せてくれた。演奏に荒っぽさもあったものの、観る者にとってはそれぐらいの方がテンションが上がって楽しかったはずだ。
2番手としてステージに上がったHEREは、ド派手なスーツ姿に身を包んだ尾形回帰(Vo)が"日本一テンションの高いバンド"と掲げて登場したとおり、最初から最後までテンション上がりっぱなし。モータウン調のキャッチーなメロディの「チャンチャンチャンスDEダンダンダンス」で口火を切ると、「土壇場READY GO」ではハイトーンのギター、中域を鳴らすギター、低音のベースと、3つの音でユニゾンするアンサンブルの妙を見せるなど、単なる勢いだけのバンドではないテクニカルな実力を見せつけ、観客とコール&レスポンス。MCでは、スキッツォイドマンの合言葉"故人の言うことは絶対!"を引用して、"ロック・スターの言うことは絶対ですよ!?"と大胆にアレンジして観客を巻き込んでいくと、会場中が両手を上げて盛り上がった「ゾッコンROCK ON」では、途中、尾形が武田将幸(Gt)と交代してギター・ソロをとる離れ業も見せた。この日は9月13日にリリースされるニュー・アルバム『YOU GOT 超 HIGH TENSION』からの新曲もふんだんに披露され、その中の1曲「愛のドッジボール」は宮野大介(Dr)が叩くフロアタムがヘヴィに牽引するブリティッシュ・メタルな曲で、"ウォー! ウォー!"と会場中が野太い声を上げて一体となり、さらに「LET'S GO CRAZY」では腕を振りながら大合唱。ラストの「はっきよい」まで、バンドに負けない観客のハイテンションぶりを引き出して十分すぎるほどに会場をあたため、トリのスキッツォイドマンへとバトンを渡した。
地を這うような重低音のSEが流れるなか、地獄への扉が開かれる......と言いたいところだが、自らせっせとセッティングするスキッツォイドマンの姿は意外とリアルなミュージシャン。そしてそのサウンド、テクニックは間違いなくホンモノ。さすがKING CRIMSONの楽曲、「21st Century Schizoid Man」を冠しているバンドだということが、この日のライヴの端々からも窺えた。キャプテンkt.(Ba/Vo)による、"故人の言うことは!?"の問い掛けに、"絶対!"と唱和する観客たち。「ゴールドゴースト」からライヴがスタートすると、間奏のジャジーな展開を挟み、曲の終わりに合わせてキャプテンが口から盛大に吐血! "血を拭くものをくれ!"とファンからタオルを受け取り拭い去ると、タオルを渡した者は恍惚の表情を見せる。"地獄へようこそ! 平日なのにこんなに集まりやがってこの好きモノども!"と罵るキャプテンにも笑顔を見せるほど、観客たちの故人への従順ぶりはいじらしい限りだ。「猛烈!?死に装束を脱がさないで」、「ギロチンX」と披露するキャプテン、ワンダー久道(Gt/Vo)、卍毒蜘蛛ノ介(Dr)の超絶技巧は圧巻。ヘヴィ・メタルとジャズの相性の良さを体現するサウンドは、奇抜さ以上にそのクオリティに驚かされる。そしてワンダーのヴォーカルも絶品だ。スキッツォイドマンという音楽の構造はとてつもなく難解で複雑。そのテクニカルな演奏と昭和歌謡曲的な旋律とサビの美メロ、そして3人のヴィジュアルが繋がらなさすぎてわけがわからないが、他のバンドにはまったくない新しいものだということは間違いない。「ビーバップ!I wanna be your 心霊現象」から「喪中のファンタジー」と、曲名はバカバカしくも、ワンダーがタッピング・ソロを聴かせるなど、見せ場が随所に作られていた。
キャプテンによる、"この暑さ、猛暑、酷暑という言葉はあるけど、私は「獄暑」と名づけた!"との宣言から、日本に新たな天候用語が誕生! たしかに、この日は酷暑と言うよりは獄暑と言ってもいいくらいの暑さだった。そんなこの日にぴったりの「死霊の盆踊り」では、シンガロンの「YA・SE・RU・WA」のフレーズを拝借してのコール&レスポンスを図る地獄の無法ぶり。閻魔大王をも恐れぬ狼藉に戸惑いながらも、曲中ではヘドバンで一体化して、観客たちは地獄の夏を楽しんだ。"獄暑の夏は今夜しかないんだからね!"そんな粋なセリフを吐いたキャプテンのクールなフロウがたまらないメロウ・ヒップホップ「エピソードⅡ」に酔っていると、"スキスキ大好きスキッツォイドマン!"のコールを引き出すべくフロアに突入して、シンガロンファンらしき女の子にまで接近してコールを強要するドSぶりを見せるキャプテン。震える声で"スキスキ大好きスキッツォイドマン......"と声を上げた女の子には感服せざるを得ない。そしてみっちー、尾形を呼び込み"スキスキ大好きHEREシンガロン!"と、両バンドへの感謝を込めたコール&レスポンスから、ふたりにズボンを下げさせてTバックのビキニパンツ姿になり、ラストは「地獄はどっちだ」でファンキーに盛り上げた。アンコールに応えて1曲歌い、"獄暑"の一夜を終えた。"笑ってな! とにかく笑ってればつらいときも楽しくなるから!"と、故人らしからぬポジティヴな地獄のメッセージにさりげなく心を震わせた者も多かったはず。獄暑を乗り越えた先にあるものは何か? 9月の地獄にも期待したい。

[Setlist]
■シンガロンパレード
1. KYOTO-JIN PEOPLE!!
2. oh!!嫉妬
3. UFO
4. YA・SE・RU・WA
5. サニーデイ
6. 野良でケッコー
7. 10回死んでも
8. 路地裏サスペンス
■HERE
1. チャンチャンチャンスDEダンダンダンス
2. タイアップは君だ
3. 土壇場READY GO
4. ゾッコンROCK ON
5. 愛のドッジボール
6. LET'S GO CRAZY
7. ギラギラBODY&SOUL
8. ああYEAHもうYEAH
9. はっきよい
■スキッツォイドマン
1. ゴールドゴースト
2. 必殺!地獄逝き!!
3. 猛烈!?死に装束を脱がさないで
4. ギロチンX
5. 無理心中
6. ビーバップ!I wanna be your 心霊現象
7. 喪中のファンタジー
8. 鬼さんこちら
9. 赤い地獄
10. 死霊の盆踊り
11. エピソードⅡ
12. 地獄はどっちだ
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