Japanese
クラムボン
Skream! マガジン 2015年03月号掲載
2015.02.11 @代々木公園
Writer 石角 友香
ニュー・シングル『yet』(7inchアナログ限定盤は1週間前にHMV record shop 渋谷で先行発売)リリース日に代々木公園でフリー・ライヴを行うというニュースを2月4日に配信。ファンのみならず、音楽好きの共通の話題になっていたのはSNSを中心に肌感覚ではわかっていたものの、実際、公園内のエリアに入って人の多さに思わず"やっぱり!"と心の中で快哉を上げてしまった。2月のわりには気持ちいい冬晴れの空のもとには、優先してステージ近くでライヴを観ようと早くから詰めかけたファンはもちろん、親子連れや、何なら公園に遊びに来たついでに足を止めた人たちもいて、コンビニで買い込んだビールとアテや、屋台の焼きそばやたこ焼きで乾杯しているグループも多数。まったく"野外ライヴに愛されているバンド"ならではのナチュラルな空気感がこのうえなく心地良い。春フェスもしくはもっと身近な近所の催しごとのようなムードもむしろ楽しい。おおよそ5,000人が集まったそうだが、その数字からイメージされる混乱がまったくない。
予定時刻を少し過ぎると、"これから始まる感"たっぷりな力強いビートに乗せて3人が登場し、拍手やメンバーの名前を呼ぶ声が広がっていく。ミト(Ba)はアコギを持っての「Re-ある鼓動」。原田郁子(Vo/Key)は優先エリアに入りたそうなファンを見かねたのか"どんどん来ていいよ!"と促し、ミトは"今日は本当に来てくれてありがとうございます!"と、真冬の野外ライヴを存分に楽しんでいる印象だ。伊藤大助(Dr)の裏拍が気持ちいい「シカゴ」、イントロ一発で公園中が"うわぁっ!"と舞い上がるような歓喜に満ちた「パンと蜜をめしあがれ」までくると次第に出音も良くなってきた。とてもいい感じ。そして肩の力は抜けていつつ、テクニカルな演奏の妙味は野外の、しかも頻繁にライヴが行われていないこの場所でも明快にこちらに届いてくる。1週間の告知でどれだけ人が集まるものか心配だったと本音を漏らしつつ、改めて感謝の言葉を述べるミト。"晴れ男か晴れ女はいるのかね?"とミトが振ると、"なんとか晴らしちゃうからね"と郁子。ものすごく観客が見える、としたうえで"もはや子供じゃない人まで肩車されてるからね"と笑いもとりつつ、"リリース記念的なものでもありますが、普段ぐらい精一杯やりますよ!"とのミトの宣言にさらに沸くオーディエンス。
続いてはアナログ盤のカップリングに収録されているフジファブリックの「茜色の夕日」のカバーが、かのLou Reedの「Walk On The Wild Side」のおなじみのリフを想起させるイントロからスタート。なんて意志的なカバーなんだろう。春フェス気分を自ずと真剣に演奏に聴き入るモードに変換する彼らの演奏、そして選曲も素晴らしい。グッとジャズ・マナーにアレンジされた「茜色の夕日」に続いて、"俺は歌いますよ。みなさんでこれを歌えるのが幸せですよ"とミトが告げると、もはやクラムボンのオリジナルだと思っている人も多いかもしれない、Small Circle of Friendsの「波よせて」のカバーを披露。ミトのラップ・パートのフロウにまたまた観客のグルーヴも厚いものになっていく。
"まだでんぱ組.incは始まらないですよね?"と、ミトが同じ敷地内の体育館で行われるライヴの開演を(なかば本気で)気にすることにも笑いが起こりつつ、"ここで重大発表!"と本筋でさらに盛り上げ、3月25日に9枚目のオリジナル・アルバムをリリースすることを発表すると同時に"待ってました!"の大歓声。郁子がこの日の朝、自分で切って作ったというキラキラの紙吹雪を撒くというDIYな一場面も、さらに喜びに輪をかける。"前のアルバムから5年? 毎年なんか出してたつもりなんだけど......"という言葉もたしかにウソじゃない。そしてタイトルは"triology"であること、去年の今ごろから制作に入っていたことを告げ、さっそくアルバムから1曲披露してくれることに。「アジテーター」と題されたその曲はアグレッシヴなイントロから、ガラリとイメージが変わる、いわば数え歌のような地メロやセカンド・ライン的なビートがなかなかにプリミティヴだ。新曲をちゃんと聴きたい気持ちと、音楽に身を任せたい気持ちの間でみんなが揺れている。結果、いずれにしても揺れている。コア・ファンだけで醸成されるムードともまた違う、天井も壁もないところでこの音楽が可能なところまで届いていく楽しさ。シラフでこれだけ解放されるんだから、乾杯した人たちの気持ち良さたるや!想像に難くない。いつも通りなようで、いつもより無邪気に演奏しているようにも見える3人。"じゃ、お待ちかねの曲やりますか"とミトが切り出し、ラストはニュー・シングル「yet」が3人だけのアレンジで披露される。すでにライヴで演奏されているこの曲だが、音源がリリースされた今、これまでの彼らの曲構造とはまた違う、親しみやすいメロディやビートの疾走感が、これからまたライヴを重ねて育っていく予感を残して、幸せな時間はあっという間に終了した。
が、フリー・ライヴと言えど、その場を立ち去る人がいるわけもなく、すかさず再登場した3人。"結成20周年。今年はいろいろ楽しいことをやっていこうかな"と郁子が言えば、ミトも"まだ過程という気持ちでやります"と期待が高まるコメント。そこに「サラウンド」のイントロが重なり、ここまで彼らが築いてきたニュー・スタンダードとここからまた始まる音楽の挑戦が、晴れ渡った空を旋回するように、宣言するように駆け巡った。この3人でしか鳴らせない、このバンドにしか鳴らせない、次なる普遍と、この日の3人の歓喜と感謝を全身で現す姿勢に、ちょっと感極まってしまった。
それにしても大都会のド真ん中でフリー・ライヴが行われる平和のなんて尊いことか。こんな日をまた何度も迎えられるように、自分ができることはなんだろう。そんなことも少し考えつつ公園を後にした。
- 1
LIVE INFO
- 2024.09.21
-
優里
ASP
PK shampoo
GRAPEVINE
UNISON SQUARE GARDEN
羊文学
eill
SUPER BEAVER
Official髭男dism
伊東歌詞太郎
ナナヲアカリ
ぜんぶ君のせいだ。
リーガルリリー
PEOPLE 1
Rhythmic Toy World
"AKABIRA CAMP BREAK 2024"
⼤原櫻⼦
おいしくるメロンパン
androp
ナードマグネット
"KANSAI LOVERS 2024"
(夜と)SAMPO
back number
Cö shu Nie
Nornis
This is LAST
そこに鳴る
yutori
パピプペポは難しい
"イナズマロック フェス 2024"
ザ50回転ズ
Plastic Tree
岸田教団&THE明星ロケッツ / MYTH & ROID / サンドリオン ほか
Apes
BRADIO
LiSA
anewhite
Kroi
Half time Old
安藤裕子
Base Ball Bear
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA"
- 2024.09.22
-
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
優里
HY
Mellow Youth
chelmico
UNISON SQUARE GARDEN
伊東歌詞太郎
ぜんぶ君のせいだ。
Half time Old
KEYTALK ※公演中止
wacci
"AKABIRA CAMP BREAK 2024"
moon drop
オレンジスパイニクラブ×クボタカイ
"KANSAI LOVERS 2024"
back number
This is LAST
anewhite
"イナズマロック フェス 2024"
yama
スピラ・スピカ / FLOW / DIALOGUE+ ほか
サイダーガール
BRADIO
Organic Call
LiSA
リーガルリリー
chilldspot
THE BOHEMIANS
[Alexandros]
フレデリック
夜の本気ダンス
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA"
Sou
- 2024.09.23
-
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
THE SPELLBOUND
トンボコープ
羊文学
yutori
Mellow Youth
eill
Age Factory
Plastic Tree
⼤原櫻⼦
Rhythmic Toy World
おいしくるメロンパン
Novelbright ※振替公演
サイダーガール
Organic Call
UNCHAIN
PK shampoo
GRAPEVINE
LUCY IN THE ROOM
chilldspot
ザ50回転ズ
モウソウキリン
THE BOYS&GIRLS
LACCO TOWER
milet
Keishi Tanaka
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA"
- 2024.09.24
-
神はサイコロを振らない ※振替公演
MONOEYES
PEDRO
ザ50回転ズ
LOVE PSYCHEDELICO
"LIVEHOLIC 9th Anniversaryseries〜ADMIRATION〜"
- 2024.09.25
-
山本彩
トンボコープ
Age Factory
アンと私
PEDRO
a flood of circle × SIX LOUNGE × w.o.d.
This is LAST
PIGGS
打首獄門同好会
LOVE PSYCHEDELICO
LANY
- 2024.09.26
-
a flood of circle × SIX LOUNGE × w.o.d.
アンと私
神はサイコロを振らない ※振替公演
PEDRO
chilldspot
山本彩
MONOEYES
クジラ夜の街×崎山蒼志
Apes
Kroi
- 2024.09.27
-
渡會将士
なきごと
THE BOHEMIANS
Age Factory
トンボコープ
Awesome City Club
Galileo Galilei
eill
Novelbright ※振替公演
KEYTALK ※公演中止
LANY
Mellow Youth
斉藤和義
羊文学
wacci
ビッケブランカ
BACK LIFT
野田洋次郎(RADWIMPS)
東京初期衝動
polly
Olivia Rodrigo
Kroi
ANABANTFULLS
"LIVEHOLIC 9th Anniversaryseries~Attractive vol.2~"
- 2024.09.28
-
ExWHYZ
a flood of circle × SIX LOUNGE × w.o.d.
"THE DROP FESTIVAL 2024"
This is LAST
DOPING PANDA
androp
UNISON SQUARE GARDEN
渡會将士
KEYTALK ※公演中止
ザ50回転ズ
Nornis
PK shampoo
THE SPELLBOUND
yutori
ASP
神はサイコロを振らない ※振替公演
セックスマシーン!!
伊東歌詞太郎
Official髭男dism
BUMP OF CHICKEN
Yogee New Waves×角舘健悟
斉藤和義
Bray me
リーガルリリー
milet
sajou no hana
オレンジスパイニクラブ×クボタカイ
Academic BANANA
Olivia Rodrigo
(夜と)SAMPO
HY
小林私
INORAN
LiSA
ぜんぶ君のせいだ。
Rhythmic Toy World
"Mt.FUJIMAKI 2024"
あいみょん
back number
有村竜太朗(Plastic Tree)x 逹瑯(MUCC)
Pororoca × Gum-9
- 2024.09.29
-
渡會将士
This is LAST
ナナヲアカリ
androp
LOVE PSYCHEDELICO
chilldspot
BRADIO
ザ50回転ズ
ASP
Mellow Youth
リーガルリリー
PEOPLE 1
おいしくるメロンパン
BUMP OF CHICKEN
Official髭男dism
Tielle
THE BOHEMIANS
羊文学
伊東歌詞太郎
milet
賽
WtB
bokula.
HY
Bye-Bye-Handの方程式
⼤原櫻⼦
LiSA
そこに鳴る
あいみょん
TUK SMITH & THE RESTLESS HEARTS
back number
有村竜太朗(Plastic Tree)x 逹瑯(MUCC)
Cody・Lee(李)
- 2024.09.30
-
BACK LIFT
TUK SMITH & THE RESTLESS HEARTS
PEOPLE 1
Helsinki Lambda Club × MONO NO AWARE
藍染カレン(ZOC)
アルコサイト
ASIAN KUNG-FU GENERATION
Mirror,Mirror
- 2024.10.02
-
MONOEYES
UNISON SQUARE GARDEN
Saucy Dog
YONA YONA WEEKENDERS
打首獄門同好会
キタニタツヤ
シノダ(ヒトリエ)
a flood of circle
ASIAN KUNG-FU GENERATION
羊文学
- 2024.10.03
-
神はサイコロを振らない ※振替公演
四星球×フラワーカンパニーズ
Kroi
This is LAST
吉澤嘉代子
Saucy Dog
打首獄門同好会
礼賛
KEYTALK ※公演中止
WONK
Mellow Youth
畑山悠月(KALMA)/ ワタナベシンゴ(THE BOYS&GIRLS)/ 横山優也(KOTORI)/ 松尾洋平(BAN'S ENCOUNTER)
羊文学
PK shampoo
PEDRO
Tempalay
- 2024.10.04
-
キタニタツヤ
wacci
Omoinotake
THE BOHEMIANS
Kroi
MONOEYES
Age Factory
chelmico
斉藤和義
山本彩
SAKANAMON
礼賛
Organic Call
androp
Rhythmic Toy World
荒谷翔大
キュン!?恋堕ちキューピッド
伊東歌詞太郎
なきごと
anewhite
SUPER BEAVER
阿部真央
セックスマシーン!!
Hakubi
- 2024.10.05
-
ヤングスキニー
THE BOHEMIANS
フラワーカンパニーズ×ピーズ
Omoinotake
おいしくるメロンパン
This is LAST
神はサイコロを振らない ※振替公演
SHE'S
あたらよ
androp
安藤裕子
椎名林檎
Age Factory
ASIAN KUNG-FU GENERATION
Plastic Tree
Novelbright
マカロニえんぴつ
chilldspot
THE ORAL CIGARETTES
ANABANTFULLS
POP ART TOWN
ザ50回転ズ
TENDOUJI
Cody・Lee(李)
back number
KANA-BOON
トンボコープ
moon drop
DOPING PANDA
yutori
HERE
"JUNE ROCK FESTIVAL 2024"
mzsrz
FRONTIER BACKYARD
私立恵比寿中学
Mrs. GREEN APPLE
MYTH & ROID
ずっと真夜中でいいのに。
UNISON SQUARE GARDEN
怒髪天
- 2024.10.06
-
SAKANAMON
Organic Call
おいしくるメロンパン
神はサイコロを振らない ※振替公演
chilldspot
あたらよ
フラワーカンパニーズ×ピーズ
キタニタツヤ
wacci
This is LAST
安藤裕子
THE SPELLBOUND
BiS
斉藤和義
Cody・Lee(李)
LUCY IN THE ROOM
ASIAN KUNG-FU GENERATION
Laura day romance
Plastic Tree
THE FOREVER YOUNG
Novelbright
マカロニえんぴつ
THE ORAL CIGARETTES
荒谷翔大
トンボコープ
ザ50回転ズ
chelmico
back number
Awesome City Club
moon drop
竹内アンナ
CENT
OKAMOTO'S
アンと私
清 竜人25
Mrs. GREEN APPLE
ずっと真夜中でいいのに。
UNISON SQUARE GARDEN
SUPER BEAVER
リアクション ザ ブッタ
RELEASE INFO
- 2024.09.25
- 2024.09.27
- 2024.10.02
- 2024.10.04
- 2024.10.09
- 2024.10.10
- 2024.10.11
- 2024.10.12
- 2024.10.13
- 2024.10.15
- 2024.10.16
- 2024.10.17
- 2024.10.18
- 2024.10.23
- 2024.10.24
- 2024.10.25
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ASP
Skream! 2024年09月号