Japanese
SISTERJET with DOTS+BORDERS
Skream! マガジン 2013年08月号掲載
2013.07.12 @新代田FEVER
Writer 天野 史彬
8月にコラボ・アルバム『「NEW QUAD」 2×2=4 / very well L.P.』をリリースするSISTERJETとDOTS+BORDERSのスペシャル・ライヴ。片や、去年、ベースのサカベが脱退してベースレスの2人体制になったSISTERJET。片や、近年はキーボーディストとしての顔以外に、the HIATUSのプロデューサーなどでも知られる堀江博久と、言わずと知れたギターポップ・マエストロ=カジヒデキによって1998年に結成され、この日のライヴがなんと4回目(!)のライヴだという伝説のユニット=DOTS+BORDERS。世代を超えたこの2組のコラボは、まるで高校の軽音楽部の部室でじゃれあう後輩と先輩のような、とても蒼く清々しい、絶妙な空気感のケミストリーを生んでいた。
まず登場したのはDOTS+BORDERS。ギター・ヴォーカルに堀江、ベースにカジ、そして女性キーボード橋元アキと男性ドラム原”GEN”秀樹を擁した4人編成でのライヴだったのだが、その演奏はとにかくアグレッシヴでグルーヴィ。キラキラとしたメロディが印象的なポップ・チューンから、音がとぐろを巻くようなサイケデリック・チューンまで、熟練の技とも言うべき演奏力で会場を様々な景色に塗り替えていく。しかし、そんな屈強な演奏とは裏腹に、バンドのムードは極めてゆるい。堀江のMCは適当なことばかり言って会場を沸かせるし、カジはキャラに似合わず下ネタでいじられるし……MCになると途端に部室モード。しかし、そんな堀江とカジのキャラクターの愛らしさと演奏のソリッドさのギャップによって、フロアには緊張感と穏やかさが交じり合ったなんとも気持ちのいい空気が漂っていたのも事実で、その熟練のロックンロールの魅せ方に舌を巻く。
続いてはSISTERJET。サポート・ベーシストを迎えた3人体制でまずはスタートしたが、とんでもない音圧、とんでもない爆発力。1曲目の「Young Pretender」からフルスロットルで飛ばしていく。私がサカベ脱退後のSISTERJETを観たのはこれが初めてだったが、自らの目の前に立ちはだかる壁を無理やり突き破っていくような、そんな突破力のある演奏に自然と腰が動く動く。このバンドの曲のよさは自明のことだが、この日は特に、中盤の「17(SEVENTEEN)」、「キャラメルフレーバー」という、SISTERJETならではのメランコリーが凝縮された名曲2連発が特に感動的だった。それは、兼ねてよりの切なさに加えて、今のバンドのモードであろう、衝動的な荒々しさが加わった鳥肌ものの名演だった。後半はワタルとケンスケの2人体制での演奏。5月にリリースされた『3-1=2 / No Limit e.p.』がそうであったように、プリミティヴなロック衝動を爆発させた演奏で走り抜けた。
そして最後は、SISTERJET with DOTS+BORDERSによるコラボ・ライヴ。ワタルが“まるで2個上の先輩”と称するDOTS+BORDERSとSISTERJETによって鳴らされるのは、SISTERJETのふたりとベースのカジによる屈強なサウンドに、堀江によるニューウェーヴ的な質感のキャッチーなキーボードが絡みつきながらうねりを上げるロックンロール。そしてここでも、堀江を中心としたゆる~い空気感は健在で、“堀江にいじられるSISTERJETのふたりと、次は標的になるまいと息を潜めるカジ”という、なんとも不思議な空間が生まれていた。しかし、この軽音楽部の楽屋的ラフさこそが、このコラボにとってとても重要なポイントなのだと思う。先にも書いたSISTERJETの復帰EP『3-1=2 / No Limit e.p.』には、“2人になっても突き進む”という新生SISTERJETの所信表明としての力強さと爆発力があったのは確かだが、そこには同時に、“突き進まなければならない”“止まってはいけない”という切迫感、強迫観念が宿っていたのも事実だった。故に、このEPはロックンロールを鳴らす喜びと、そこにあるヒリヒリとした緊張感を同時に孕んだ快作足り得たわけだが、自ら突き破った扉の先、次に何をするのか――それはSISTERJETにとって非常に大きな問題だったのではないかと思う。しかしここで、彼らはDOTS+BORDERSという偉大な先達の力を借りることで、非常に風通しのいいロックを鳴らしてみせた。何も、自分たちだけで背負う必要はない。ロックをロールさせていくためには、他者と繋がっていくことで見える景色もまた素晴らしいものなのだ――この日の4人の演奏は、そんなことを感じさせる清々しさに満ちていたのだ。
アルバム『「NEW QUAD」 2×2=4 / very well L.P.』から4曲を披露し、アンコールでは堀江がレコーディングに参加していたSISTERJETの名曲「恋してクレイジー」を4人で演奏したSISTERJET with DOTS+BORDERS。人は歳をとるし、その中で様々なことを経験する。別れもある。しかし、人の“蒼さ”というものはそうそう消えるものではないし、それは自分たちの力で持続させ、喜びに変えていくことができるのだと証明する素晴らしいライヴだった。
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