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sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第12回】

sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第12回】

前回のコラムを見直して思った。恥ずかしいと。何であんなことまで書いたんだろう。※前号参照。まったく、いたたまれないぜってことで何か俺にも武勇伝みたいなものはないものかと探してはみるもののそんなものはどこまでさかのぼっても見当たらなかった。それもそのはず、だらだら考えるだけ考えて結局やらないタイプだからだ。そんな奴ぁ色々逃すのである。そうそう話は変わるけどこのコラムの話をgt山内に先日話したときに『あの三日寝るとかのやつ?』と言われた。三日も寝てられっかよ。なんてこったい、、メンバーにも浸透してないとはショック。むかついたので彼のやらかした事件をひとつだけ久々に解禁してみる。禁じていた理由の一つとして書けば書くほど彼がちやほやされる。ほんと山内さんって面白いですよね!不思議ですよね!妖精ですよね!成山内さんてユニット山内さんとあと誰でしたっけ?となる。あんまりじゃないか。もっと、俺もチヤホヤされたい!!とか言ってみるのでチヤホヤよろしくね♡
というわけで去年の話だ。お世話になっているREVOLVERという札幌のライブスペースでの話だ。久々にAPOGEEの永野くんとの共演。その日はsleepy.abではなく成山内(vo成山とgt山内)との2マンライブでの出来事だ。着いてすぐに永野くんのリハがはじまりやっぱすごい声だなとか、歌うますぎじゃない?とか今日マイケルジャクソンのスリラーやらないかな?など雑談していた。彼の持ちネタ、いやいや持ち歌のスリラーは本当にすごいんです。一見の価値?一聴の価値ありますので是非ライブ中にスリラーやって!!とヤジを飛ばしてみて下さい。多分そういうと逆にやってくれない人です。。そして永野くんのリハーサルが終わり成山内のリハの出番。こちらがすっかり自分のセッティングを終えても山内は会場を行ったり来たり。そわそわして一向にセッティングをする気配がない。いくら気心が知れてる仲がたくさんいるからといってもリラックスしすぎじゃないかとセッティングを催促してみるものの『う、うん。』と言ってそわそわしてまた会場をぐるぐる回る×3。人より機材があるのでいち早く準備をしたいはずなのに準備をしようとしない。そこでまさかとは思いつつ丁寧に慎重に恐る恐る聞いてみた。
成『あのさ?楽器は?』 山『知らない』 成『はっ?』 山『なんかさ?ないんだよね?』 成『??』 山『ギターはあるんだよね』 成『うん』 山『エフェクターが見当たらなくてさ』 成『う、うん。』成『エフェクターないって何出来んのさ?』軽いパニックを起こし結構ひどい事を言ってしまう始末。
見当たらないて言っても畳二畳分はあるエフェクターの要塞。百歩譲って仮に忘れたとしてもここまでどうやって来たのかね君はっ!?てことですよ。
会場の近所を探してみたもののあのでっかい要塞は見つからない。落ちていても重すぎて誰も持っては行かないでしょうにって代物。ライブまであと三時間。とりあえず今日のライブを成功させなくてはいけないので、家に代用になりそうな変わりのエフェクターなりを取りに行ってもらうことにした。その間、何の曲が出来て何が出来ないか全部のプログラムを一から考えなくてはいけなくなった。仮にそのエフェクターが全部無くなったとして、損害的にも凄いだろうなというのは予想がついた。その俺の焦りように永野くんや会場スタッフも尋常じゃない雰囲気を感じ取っていた。会場まで2時間。山内から連絡が来た。正直、電話に出るのが怖かった。未来への色んな選択肢が消えていく可能性を覚悟した。しかしそれに対して対処する自信はなかった。恐る恐る電話に出てみる。
成『どうだった?』 山『あのさ、、』 成『う。うん、、』 山『なんかさ、、部屋の外のドアの前にさ、、あってさ、、。』 成『マジで!?とりあえず早く戻ってきて!』さも誰かが届けてくれた風に言ってるけどもそこに置いてっただけだよね!とか、くどくど言いたかったけどもここはリハが先決。会場スタッフ含め、永野くんにエフェクターが見つかりました!と報告。伝えたらみんなガッツポーズ!でどんちゃん騒ぎ。良かった!!本当に良かったです!!とスタッフさん達。不思議な一体感が生まれる。なんか幸せ!!今日、逆に幸せ!!山内さんありがとう!とまで言ってくれる始末。スタッフさんの優しさもありリハもライブも無事終えることができました。本当に会場スタッフや永野くんには心配おかけしました。
さすがにこの時はがっつり怒りましたね。ぐちぐちと言い続けましたね。事務所にもチクりましたね。それからというものさすがに堪えたのかその時の事件以来そういうことはない気がします。当分は。そういや昔ライブ会場にギター忘れてきた事あったな。
さんざん山内の事を言いながらも一つ自分のことで思い出した事がある。手短に話そう。あれはCDJ2011の時の事だ。本番1時間前ステージ裏でギターケースを空けたら入ってるはずのギターが入っていないっていう。開いたもののそっと閉じる。時が止まるというのはああいうことを言うんだろう。俺はどうしていいのかわからずステージ裏をぐるぐ走りまわった。無心で。人は理解できない事にぶつかると何をしていいのかわからなくなるらしい。ただひたすらぐるぐる同じ場所を走った。そして落ち着いてはそっとまたギターのケースを開くそしてまたそっと閉じる。それを繰り返す。時だけが過ぎていく。こんな事って。札幌からわざわざケースを持ってきたというのかい?理解しがたい。そんなことあってはいけないしとても困る。みんなも困る。気を付けよう。自覚してるから気を付けてるんだけどな。足らないんだろうな。細かい事をいうのなら忘れ物がない事の方が少ないな。あれ?武勇伝とかそいう話をしようと思ってたんじゃなかったけ?いつの間にか夜も深くなりこんな話に。。なんだか湿っぽくなってきたね。武勇伝とかじゃないけど高校の時モヒカンにしたことあるよ。という衝撃的な展開で終わってみよう。ではまた。