Japanese
QUEENS
Skream! マガジン 2024年01月号掲載
2023.12.14 @clubasia
Writer : 山口 哲生
メンバーが作詞作曲/振付を行うなど、セルフ・プロデュース体制で活動している7人組アイドル QUEENS。2022年に現体制となり、2023年で活動6年目。"実力派"と評されることも多いグループだが、彼女たちは今夏、大きな壁にぶつかっていた。7人は、グループが置かれている今の状況や、メンバー各々の胸の内を赤裸々に明かしたドキュメンタリー映像をYouTubeに公開。そして、現状を打破し、次のステージへ進むためのステップとして掲げたのが、今回開催された"QUEENS無銭三大都市ツアー「冠波心掴」"だった。全公演ソールド・アウト必須という目標を掲げていたが、3公演とも見事達成。レポートに入った東京 渋谷clubasia公演も超満員で、URUMU、NANAMI、MAHO、EMIRY、RINA、HIKARU、AYAの7人は、オーディエンスひとりひとりの顔を嬉しそうに見渡していた。また、MCでは"はじめましての人が今日は本当に多い!"という話も出ていて、QUEENSのことを改めて多くの人に知ってもらうきっかけ作りとして、今回のツアーは大成功だったと言えよう。
パフォーマンスもとにかくエネルギッシュで、今回のツアーにかける思いがひしひしと伝わってくるものだった。シンガロングが巻き起こった「GET UP」からパワフルに駆け出していき、その勢いを高めるように突入したダンス・ロック・ナンバー「Flagship」では、大音量のクラップとコールが発生。「orz」ではメンバー全員が満面の笑みを浮かべながら、オーディエンスと一緒に手を挙げて踊りまくると、一気にギアを切り替えて、クールなEDMナンバーの「RED」へ。ラップを交えながら、ドロップではキレ味抜群のダンスを見せつける。
QUEENSは1月16日に久しぶりのシングル『冠波心掴』をリリースすることになっているが、同作に収録されている「WAVE」は、後半戦の口火を切る形でセットされていた。いかついベース・フレーズから幕を開けるパワフルなロック・サウンドが、中盤でトランスに切り替わるという大胆な曲展開の楽曲を歌い踊り、そこから間髪空けずに曲を畳み掛け、最高潮を更新し続けていったところは、とにかく圧巻のひと言。終始、そこにいる全員が"楽しい"と感じている、ハッピーな空気が場内に満ち満ちていた。
そんなライヴの中でも、やはりこの日のキー・ポイントになったのは"私たちの良さを全面に出せる曲を持ってきた"と話していた中盤ブロックだろう。「Bravely song」、「ANTI / HERO」、「Bullet」と、エモーショナルな歌声を響かせる楽曲を立て続けに披露し、シリアスで儚げな空気を纏った「ソラアオイデ」では、物語を感じさせるダンスを繰り広げ、ポエトリー・リーディングを組み込んだ「アイロニーダンス」で、より心の深いところまで潜っていき、感情を爆発させる。どの曲もアップテンポで、オーディエンスが加勢できる場面もあったのだが、現場を楽しく盛り上げるだけでなく、自分たちの歌とダンスでしっかりとフロアを魅了することができるのが、やはりQUEENSの強みだ。
"ここにいるみなさんとの時間と空間が、私たちは本当に大好きです"と、改めてメンバーを代表してURUMUが話していたが、今回のツアーを通して彼女たちが学び、得たものは、ここからのQUEENSに必要なものだったと、あとから振り返ったときにまず思い浮かべるような、とてつもなく大きなものだったと思う。QUEENSは2024年1月21日に白金高輪 SELENE b2にて"6th ANNIVERSARY LIVE"を開催することを発表。ここからさらに大きな波を巻き起こそうとしている7人から、目が離せない。
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