Japanese
雨のパレード
Skream! マガジン 2020年10月号掲載
2020.08.25 @恵比寿LIQUIDROOM
Writer 岡部 瑞希 Photo by Taichi Nishimaki
8月25日、雨のパレードが配信ライヴ[ame_no_parade DIGITAL LIVE 2020 "BORDERLESS ver.2.0"]を開催した。昨年1月にリリースした4thアルバム『BORDERLESS』を提げたツアーが、新型コロナウイルスの感染拡大により、途中で中止になってしまったのがあまりに残念であっただけに、改めて"ver.2.0"と名付けて息を吹き返してくれたことは素直に喜ばしい。実に半年ぶりのライヴであり、自身初の配信ライヴは、福永浩平(Vo)が"全国にいるファンとか、僕らの友達が一斉に観てくれると思うと、それはそれで幸せなことだなって思います"と言葉を添え、"調子はどう?"と歌う「Tokyo」から幕を開けた。
この日は恵比寿LIQUIDROOMからの生配信。メイン・フロアに3人が三角形に立ち位置をとり、内側に向かい合うという、無観客ならではのフォーメーション。2曲目の「Summer Time Magic」の始まりとともに、仄暗かった照明がじんわりと明るくなり、大小様々な機材が各メンバーを取り囲むセットの全貌が浮かび上がると、それはさながら秘密基地のよう。フロアの周囲が階段状に高くなった会場の作りを活用し、上下左右、360°あらゆる角度からの映像が切り替わっていく。どストレートに超速球で飛んでいくサウンドには、もちろんそこにしかない良さがあるけれど、雨のパレードのサウンドにおいては、ある特定の方向というよりも、全方位に増幅しながら広がっていくことが大きな魅力のひとつだろう。オーディエンスと対峙していないからこそ生まれる空間の自由度。そういう意味で、会場を広々と使い、且つ視聴者の目にもそれが効果的に映るこの日のフォーメーション、カメラワークは、すべてが彼らによく似合っていた。
"半年ぶりのライヴです。みなさんは何してましたか?"と口を開いた福永。ライヴができなかったこの期間、彼らもまたいろんなことを何周も何周も考えたであろうことは想像に難くない。昨今の音楽シーンを取り巻く状況を踏まえれば、その中には当然、ネガティヴなことも少なくはないだろう。しかし彼は、かつてライヴハウスで過ごした愛しい時間に思いを馳せ、"生まれ変わっても俺はこの人生を歩みたいと思いました"と言う。前進はおろか、現在地に居続けることすら、簡単ではない嵐が吹き荒れる今、そんなイノセントな言葉は、画面の向こうのリスナーに柔らかな希望を与えたように思う。
天井から吊るされた裸電球が灯り、ノスタルジックな雰囲気が漂った「Shoes」。福永の歌い上げにいっそう感情がこもり、音圧の緩急に引き込まれた「Story」。福永がヴォコーダー、山﨑康介(Gt)がオムニコードを用いて作り出す、独特なセッションのライヴ・アレンジを挟んで演奏された「Gullfoss」。映像もモノクロになったり、あえて残像が残るエフェクトがかけられたりと、セット、プレイ、楽器、映像、あらゆる点において、バンドのクリエイティヴィティの高さが、配信ライヴというキャンバスに惜しげもなく落とし込まれていく。
「Reason of Black Color」からライヴは後半戦へ。フィーチャリング・ゲスト、Dos Monosが飄々とした足取りでフロアに登場した「惑星STRaNdING (ft.Dos Monos)」では、荘子it、没、TaiTanが順にマイクをとり、途端にヒップホップのカラーがはじける。完成度の高い配信ライヴにすっかり陶酔していたが、リアルでしか起こり得ない熱っぽいプレイに、やっぱりその場に居合わせたいという感情が思い出したように疼いた。さらに"今の僕らにできることを全力で詰め込んだ"という最新曲「IDENTITY」では、拳に力を込め、高い音域で"Ah"と何度も声を張り、時折感情がオーバーフロウするような福永の姿が印象的。3人体制移行後の初作品として2019年4月にリリースされ、今やライヴ・アンセムの風格を確かなものにした「Ahead Ahead」では、"僕らならきっと大丈夫さ"、"翼広げ 少し前へ/君を連れていく"と、前向きな歌詞が染みる。推進力の高い曲たちを並べ、最後はミラーボールの光が星屑のように降り注ぐなか、今回のアルバム表題曲「BORDERLESS」で締めくくった。エレクトロな手法も強めてきた彼らだが、アフリカンなリズムは心臓の鼓動のようであり、一歩一歩、大地を踏みしめて進む人々の足音のようでもあり、その音楽に熱い血が通っていることが直感的にわかる。それは、あまりにエモーショナル。深くから湧き起こる心の震えとなって全身が揺さぶられたのだった。
そしてこの日、彼らは新しい音源のリリースを表明。追ってZepp DiverCity(TOKYO)でのライヴ開催もアナウンスされた。今年1月にフル・アルバムをリリースしたところでコロナ禍に突入してしまった彼らだ。"(ニュー・アルバムを制作するのは)結構大変!"と福永が笑ったのは、あながち冗談ではないのだろうけれど、"こういう状況になって、何を届けられるかいろいろ考えたんだけど、みんなに一番届けたいものは音源だなって思って"と強い意志をその目に宿していた。新作タイトルは"Face to Face"。あれこれ説明せずとも、その名前から汲み取れることは大きい。これまでも"日本の音楽シーンを変えていく"というメッセージを発信し続けてきた彼ら。それは、先の見えない今の音楽シーンにおいて、"変わらず、止まらず、進み続けること"と同義なのかもしれない。
[Setlist]
1. Tokyo
2. Summer Time Magic
3. Walk on
4. Hallelujah!!
5. Shoes
6. Story
7. Gullfoss
8. morning9. Reason of Black Color
10. Hwyl
11. 惑星STRaNdING (ft.Dos Monos)
12. IDENTITY
13. Count me out
14. bam
15. Ahead Ahead
16. BORDERLESS
- 1
LIVE INFO
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
- 2025.11.09
-
コレサワ
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
Laura day romance
ねぐせ。
NANIMONO
SUPER BEAVER
フラワーカンパニーズ
あたらよ
ズーカラデル
osage
FINLANDS
SCOOBIE DO
MONOEYES
SPRISE
Devil ANTHEM.
崎山蒼志
打首獄門同好会
キタニタツヤ
リュックと添い寝ごはん
LUCY
水平線
KANA-BOON
ラックライフ
暴動クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
chilldspot
インナージャーニー
ドミコ
森 翼
PompadollS
Appare!
キュウソネコカミ
eastern youth
Cody・Lee(李)
BLUE ENCOUNT
優里
岸田教団&THE明星ロケッツ
Rhythmic Toy World / BIGMAMA / LACCO TOWER / kobore ほか
ASIAN KUNG-FU GENERATION / SHISHAMO / 水曜日のカンパネラ / TENDRE ほか
シド
四星球 / ガガガSP / ハンブレッダーズ / ORANGE RANGE / ゴールデンボンバー ほか
Dannie May
a flood of circle
センチミリメンタル
怒髪天
- 2025.11.10
-
SUPER BEAVER
鶴
リュックと添い寝ごはん
The Gentle Flower. / kalmia / Halujio ほか
荒谷翔大
Helsinki Lambda Club
超能力戦士ドリアン
- 2025.11.11
-
PEDRO
Lucky Kilimanjaro / the paddles / Chilli Beans.
Age Factory×ジ・エンプティ
BIGMAMA
Laughing Hick
SAKANAMON
僕には通じない
Ado
- 2025.11.13
-
MONOEYES
ザ・クロマニヨンズ
PEDRO
東京スカパラダイスオーケストラ
あいみょん
YOASOBI
syrup16g × ZION
超☆社会的サンダル
さとうもか
Tempalay
キタニタツヤ
Rei
片平里菜
ドミコ
NEE
amazarashi
PENGUIN RESEARCH
Hump Back
- 2025.11.14
-
コレサワ
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
ポルカドットスティングレイ
SCANDAL×ハク。
CVLTE
Rei
フレデリック
WurtS
超☆社会的サンダル
NANIMONO
go!go!vanillas
FINLANDS
EASTOKLAB
フリージアン
ゴホウビ
緑黄色社会
- 2025.11.15
-
MOS
チリヌルヲワカ
SCOOBIE DO
ザ・クロマニヨンズ
the paddles
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
LiSA
東京スカパラダイスオーケストラ
離婚伝説
Cody・Lee(李)
SCANDAL / 水曜日のカンパネラ / YONA YONA WEEKENDERS / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
YOASOBI
PIGGS
eastern youth
wacci
TOKYOてふてふ
超能力戦士ドリアン
ExWHYZ
CNBLUE
SPRISE
UVERworld
meiyo
Mrs. GREEN APPLE
フレデリック
ズーカラデル
ビレッジマンズストア
WurtS
すなお
NEE
暴動クラブ
崎山蒼志
フラワーカンパニーズ
リーガルリリー
THE BACK HORN
YJC LAB.
くるり
Nothing's Carved In Stone
"氣志團万博2025"
9mm Parabellum Bullet
INORAN
moon drop
PENGUIN RESEARCH
- 2025.11.16
-
SUPER BEAVER
LUCY
SCOOBIE DO
ザ・クロマニヨンズ
chilldspot
LiSA
秋野 温(鶴)
セックスマシーン!!
MOS
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
Lucky Kilimanjaro
離婚伝説
YOASOBI
浪漫革命
BLUE ENCOUNT
Dios
超能力戦士ドリアン
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
ポルカドットスティングレイ
osage
CNBLUE
UVERworld
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
NANIMONO
brainchild's
Cody・Lee(李)
Mrs. GREEN APPLE
Bye-Bye-Handの方程式
ザ・シスターズハイ×猫背のネイビーセゾン
eastern youth
Laura day romance
FOUR GET ME A NOTS × FILTER × THE LOCAL PINTS
ガガガSP / 打首獄門同好会 / bokula. / 日食なつこ ほか
Base Ball Bear
ぼっちぼろまる
ネクライトーキー / KANA-BOON / フレデリック / 夜の本気ダンス ほか
androp
"氣志團万博2025"
People In The Box
9mm Parabellum Bullet
wacci
- 2025.11.17
-
toe / LITE / ADABANA
SEKAI NO OWARI
- 2025.11.18
-
LITE
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
SIGRID
さとうもか
Tempalay
THE ORAL CIGARETTES
Hump Back
SEKAI NO OWARI
森 翼
東京スカパラダイスオーケストラ
- 2025.11.19
-
あいみょん
Hakubi
ぜんぶ君のせいだ。
Hump Back
YOGEE NEW WAVES
オレンジスパイニクラブ
SIGRID
LEGO BIG MORL
Adrian Sherwood
LONGMAN
東京スカパラダイスオーケストラ
- 2025.11.20
-
Tempalay
PEDRO
Rei
moon drop
ドラマチックアラスカ
コレサワ
a flood of circle × 金属バット
キュウソネコカミ
ザ・シスターズハイ
Adrian Sherwood
VOI SQUARE CAT
私立恵比寿中学
さとうもか
ラックライフ
ザ・クロマニヨンズ
吉澤嘉代子
点染テンセイ少女。
- 2025.11.21
-
ポルカドットスティングレイ
PEDRO
SHERBETS
ドラマチックアラスカ
荒谷翔大
ザ・シスターズハイ
Adrian Sherwood
Hakubi
LONGMAN
reGretGirl
キタニタツヤ
東京スカパラダイスオーケストラ
SPRISE
Anyeed(Dyna/ego apartment)
超☆社会的サンダル
TOKYOてふてふ
TOMOO
浪漫革命
吉澤嘉代子
フレデリック
Bye-Bye-Handの方程式
FINLANDS
- 2025.11.22
-
Chimothy→
ねぐせ。
AIRFLIP
ポルカドットスティングレイ
wacci
キュウソネコカミ
ズーカラデル
NEE
the paddles
TOKYOてふてふ
LiSA
優里
BLUE ENCOUNT
moon drop
チリヌルヲワカ
ASP
Eve
miwa
Conton Candy
ストレイテナー
The Biscats
セックスマシーン!!
離婚伝説
Ado
MOS
荒谷翔大
リーガルリリー
NANIMONO
brainchild's
SUPER BEAVER
藤巻亮太
ビレッジマンズストア
PIGGS
SPRISE
アーバンギャルド
"GFEST.2025"
CVLTE
RADWIMPS
ガガガSP / SpecialThanks / YONA YONA WEEKENDERS / BACK LIFT ほか
フレデリック
osage
RELEASE INFO
- 2025.11.07
- 2025.11.08
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
- 2025.11.21
- 2025.11.22
- 2025.11.26
- 2025.12.03
- 2025.12.05
- 2025.12.10
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号













