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LIVE REPORT

Japanese

H ZETTRIO

Skream! マガジン 2018年09月号掲載

新しい学校のリーダーズ

Official Site

2018.08.18 @日比谷野外大音楽堂

吉羽 さおり

3月にリリースしたアルバム『Mysterious Superheroes』を携え、6月から"Mysterious Superheroes Tour 2018~濃縮還元遊戯舞台~"と題した全国ツアーを行ってきたH ZETTRIOが、日比谷野外大音楽堂でツアー・ファイナルを迎えた。野外でのワンマンは、3人にとって初めてだという。この日は、連日の猛暑が幾分か和らいで、秋を思わせる爽やかな天気。野外での絶好のライヴ日和で、会場を埋めた観客もビールなどを片手に寛いで始まりの時を待っている。

H ZETT M(Pf)、H ZETT NIRE(Ba)、H ZETT KOU(Dr)の登場に大きな歓声が沸き、1曲目はアルバム『Mysterious Superheroes』から「Flying Future」。細やかなピアノと変則的なビートとが絡み合ったポリリズムが生むグルーヴに、会場が一気に盛り上がる。続く「Something Special」でスピードアップすると、白熱したアンサンブルで観客をグイグイと引き込み、拍手や興奮の声を巻き起こし、「夢と希望のパレード」では頭から大きなハンドクラップが野音に響きわたった。H ZETT MのMCによれば、"今日は2部構成で、たっぷりと曲をお送りしたい"ということ。その第1部は、最新アルバムからの曲の他、既存のシングル曲を中心にしたベスト的な内容となった。野音の森の蝉の声と、メロウなピアノが混ざり合って不思議なハーモニーとなった「Another Sky」や、一転して熱いソロ・パートを聴かせ、多様なジャンルを横断しBPMも様々な、緩急たっぷりのアンサンブルで、観客を彼らの小宇宙に閉じ込める「SEVEN」から、「Playin' Swingin' !!! H ZETTRIO!!!」の流れなどで、ガッチリとこの空間を掌握。そして"着替えて再登場しますから"と、第1部のラストを最新の配信シングル「Make My Day」で締めくくった。

第2部が始まるころには、日が傾いて、照明の演出が映えるような時間となった。「LOVE AND PEACE AND SWEETS」、そして「Fiesta」でアグレッシヴにスタートした2部は、最新作が中心だ。また続いては、ゲストで、4人組ダンス・パフォーマンス・ユニット、新しい学校のリーダーズが登場。今回のツアーのバックドロップがするりと落ち、昭和の映画看板のようなレトロなタッチによる、8月29日リリースの新しい学校のリーダーズとH ZETTRIOのコラボシングル『狼の詩』のジャケットが表れる。大きな歓声が沸くなか、セーラー服姿の新しい学校のリーダーズが登場して、3人の演奏で「恋の遮断機」を披露。2017年の新しい学校のリーダーズのメジャー・デビュー時から、H ZETT Mが楽曲プロデュースを手掛けており、今年1月に配信リリースした「恋の遮断機」は演奏もH ZETTRIOが担当した。また『狼の詩』収録の2曲は、新しい学校のリーダーズ×昭和の名曲を多く手掛けた作詞家 阿久 悠×H ZETTRIOという異色にして贅沢なコラボを果たしており、今回のゲスト出演にもなった。"H ZETTRIOパイセンのツアー・ファイナルにお邪魔させていただき、誠にありがとうございます。若輩者の私たちではございますが、精一杯頑張ります"と言うと、「雨夜の接吻」、「狼の詩」を聴かせる。ユニークなダンスで魅せながら、懐かしいジャズ歌謡を聴かせるステージに、観客は大きな拍手を送った。

再び3人のステージに戻り、しっとりとした「落陽」で第2部後半がスタート。メロウな演奏と、いつの間にか蝉の声から夏の夜のリンリンとした虫の声に変わった周囲の音とが寄り添って、気持ちがいい。演出も、プロジェクション・マッピングのように映像や光がステージ一面を埋め、マジカルなサウンドと一体となって興奮を濃くしていく。「Fusion in Blue」から「Z ディスカバリー」へなだれ込み、「DERBY~栄光の道しるべ~」へというクライマックスでは、観客も大きな掛け声を上げ、拳を振るう。そしてラストは、アルバム・タイトル曲「Mysterious Superheroes」で、スリリングでソリッドなアンサンブルを聴かせ、それぞれの見せ場でひと際大きな拍手喝采を浴びながら、熱気たっぷりのエンディングとなった。秋めいた爽やかな気温をググッと上昇させるステージであり、彼らは何よりこのオープン・エアな環境に、ジャズを基盤に音のビッグ・バンを起こしながら、アクロバティックに、そして美しいアンサンブルをぴったりとハマらせていた。