Japanese
3markets[ ]
Skream! マガジン 2018年02月号掲載
2018.01.12 @吉祥寺Planet K
Writer 吉羽 さおり
2017年12月に1stフル・アルバム『それでもバンドが続くなら』を発表した3markets[ ]がリリース・ツアーのキックオフとなるワンマン・ライヴ"HOME PARTY"を、吉祥寺Planet Kで開催した。
オープニング・アクトとして、篠山浩生(THURSDAY'S YOUTH)が弾き語りで登場し、ポツリポツリと曲紹介をしながら、内なる感情を歌で爆発させていく。この日はチケットがソールド・アウトしており、オープニングから会場が埋まっている状態だったが、本当にみんな来てくれるのか本気で心配していたという3markets[ ]の楽屋裏での様子を伝えたり、"大丈夫だよ、自分も予約の半分くらいしか(お客さんが)来なかったこともあるから"とフォローにならないエールを送ってしまったという、盟友らしいエピソードで会場を温めたりしながら、3markets[ ]へと繋いだ。
"3markets[ ]です。今日はよろしくお願いします"。カザマタカフミ(Gt/Vo)が挨拶し、『それでもバンドが続くなら』収録の「ホームパーティ」でステージはスタートした。"パーティ=世の中の盛り上がり"にいまいち同調できず、かといってうまいこと空気のような存在にもなれず、ただただぎこちなく異物として存在してしまっている居心地の悪さ、その不協和音が徐々に徐々に沸点に向かっていく様を、ユーモラス且つキリキリとしたテンションで伝えるこの曲。なぜこの曲を頭に? とは思ったが、スリリングな展開で観客を押し黙らせ、ラストの爆発とともに観客を興奮させフロアを歓声で満たすという掌握ぶりで、大正解のスタートとなった。そして、スピードを上げて「あきた」、「インターホン恐怖症」を叩きつける。世の中への、身の回りへの、そして自分自身への怨念を撒き散らしたり、シニカルになったり、ふてくされたりと、基本的には毒っ気が濃厚なのだが、それを鬱々とダークに響かせないのは、このバンドのアンサンブルの妙味だろう。ライヴではよりソリッドな音像だ。USインディー、オルタナ、パンク的な匂いを持ったエッジがあり、鬼気迫るテンションをポップに聴かせるムードがある。程よい隙間や間合いのあるアンサンブルと、バンド4人のナチュラルな佇まいによるところが大きいのかもしれない。アルバム『それでもバンドが続くなら』の制作過程は、3markets[ ]にとっての起死回生の1枚を作り上げるように、あるいはバンドの遺書にもなるような強烈な1枚として、プロデューサー、篠塚将行(それでも世界が続くなら/Vo/Gt)とともに作り上げた。イチからバンドを捉え直して、曲はもちろん、バンド感やエネルギーをパッケージした作品だ。満足のいくアルバムができたからこその風通しの良さが、このライヴであり今の3markets[ ]に流れている。
アルバムの曲を中心に、また、とある国民的音楽番組を歌った「金曜20時、音楽の駅」などを披露し、フロアもリラックスしてきた中盤ではMCでも会場を和ませ、最後に持ってきた曲は「人生詰んだ」。『それでもバンドが続くなら』に収録された曲だが、もともとはカザマのソロ作品として2014年に発表された曲だ。3年後や1年後、いや半年後のことすら見えずネガティヴな言葉を吐くようになっている自分をぶっきらぼうに晒しているこの曲も、今ではほんの少し違う視点で見ることができているんだろうか。ペシミスティックになりすぎず、さっと心を開けて見せる感覚で伝えているのがとても良かった。2度のアンコールに応え、1回目では新曲として「アルバイト」を(壮絶さとポップさの極みの曲)、2回目にはカザマの誕生日が間近ということで「バースデイ」を歌った。普段はさほど誕生日は嬉しいものではないし、この「バースデイ」もカザマの半生が詰まったヘヴィな曲だが、"たまにはみんなに祝ってもらうのもいい"と笑顔を見せていたのは印象的だった。
[Setlist]
1. ホームパーティ
2. あきた
3. インターホン恐怖症
4. 下北沢のギターロック
5. 僕はセックスができない
6. ヘッッドホン
7. 猫の缶詰め
8. バンドマンと彼女
9. レモン×
10. 缶ビールとポテトチップス
11. 金曜20時、音楽の駅
12. セブンスター
13. メトロノーム
14. 死ぬほどめんどくさい
15. 人生詰んだ
<Encore1>
1. アルバイト(新曲)
2. これはもう限界じゃないか
<Encore2>
1. 中央線
2. バースデイ
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