Japanese
She, in the haze
Skream! マガジン 2017年01月号掲載
2016.12.03 @新宿MARZ
Writer 山口 智男
前回、ライヴを観たときはサポート・ギタリストを迎え、5人編成でステージに立っていたが、yu-ki(Vo/Gt)、akihiro(Dr)、an(Key)、そしてサポートの女性ベーシストの4人で挑んだ今回のライヴの方が断然良かった。そこにバンドの前進が感じられた。10月にリリースした1stミニ・アルバム『Mama said』を引っ提げ、東名阪を回ったリリース・ツアーのファイナルだ。バンドもそれなりの気合で臨んだに違いない。
共演は、出演順に女性ヴォーカリスト Airi(Vo/Gt)によるプロジェクト、Junk Robotと中島孝、そしてShe Her Her Hersの計3組。音楽性はそれぞれに違えど、オルタナティヴな感性と美学の追求という共通点を持ったバンドをラインナップしたところにも、She, in the hazeのこだわりが窺えたが、中でも筆者の印象に一番残ったのが、聴き手にストレートに訴えかける力強い歌声にメランコリーが滲んだJunk Robot からバトンを渡された中島孝。自主企画ライヴにShe, in the hazeを招いてからの付き合いという中島は80'sニュー・ウェーヴの影響も匂わせる一方で、昨今のシティ・ポップにも通じるアーバンでダンサブルな魅力も感じられるひと際華やかなパフォーマンスで存在感をアピール。ギター、ベース、ドラムス、キーボードからなるサポート・バンドによる演奏も印象に残るフレーズをしっかりと聴かせるという意味で無駄がなく、そんなところにもセンスの良さが感じられた。
そして、サポート・ギタリストを迎え、4人編成でライヴに臨んだShe Her Her Hersは"お酒でも飲みながら楽しんでください"と松浦大樹(Dr)が客席に語りかけると、タカハシヒロヤス(Vo/Gt/Syn)、とまそん(Ba/Cho)のふたりが交互に、曲によっては同時に奏でるシンセのフレーズを交えながら、シューゲイジングともアンビエントとも言えるふわーっとした音像を作り上げた。それは吹き抜けになっている地下1階と地下2階の地下2階にステージと客席があるシチュエーションと青色を基調としたほの明るいライティングと相まって、まるで水の底にいるような不思議な気分を味わわせるものだった。この日、彼らは"(ライヴハウスがある)歌舞伎町で見つけてきた(笑)"というターバン姿のサックス奏者をゲストに迎え、新曲も2曲披露。そのうちの1曲は曲が持つアーバンな雰囲気とサックス奏者のサポートが見事にマッチしていた。
共演3組が演奏している間に観客の数は徐々に増えていき、ネオンサインのように色を変えるポール状のLEDライトが4本立てられたステージにShe,in the hazeのメンバーたちが登場するころにはフロアはいっぱいに。そして、演奏は「Claudia」でスタート。曲がもともと持っていた60'sサイケの要素をCDよりも強調したアレンジというか、サウンドメイキングにTHE DOORSファンの筆者は思わずニヤリ。間奏ではドラムを中心に向かい合うように立ったyu-kiら3人が激しく頭を振り、演奏は早くも白熱していった。
"She, in the hazeやります。どうぞよろしく"とyu-kiが挨拶したあと、曲のタイトルのシャウトから『Mama said』の中で最もヘヴィな「Behind」になだれ込むと、バンドは四つ打ちのビートとうねるベースが作り出すグルーヴが歌詞の内容とは裏腹にライヴの流れに躍動感を加えた「Mama said」、その流れを加速させた「Stars」、そして美しいメロディに悲しさが宿ったバラードの「Teddy」と、『Mama said』から「Freezing」を除く5曲を披露。メンバーのシルエットを浮かび上がらせるライティングはもちろん、余計なMCを挟まず、曲間をインタールードで繋げた展開からも『Mama said』の世界観を、バンドが持つミステリアスな存在感とともにライヴで再現しようとしていたことは明らかだった。耽美と暴力が交錯する世界観の魅力と、その可能性を印象づけながら、曲数、ライヴ・バンドとしての力量ともに、まだまだこれからであることはメンバーたちが一番わかっていたのだろう。それでも、そういうライヴに挑戦したバンドの心意気を評価したい。アンコールをやらなかったのは、ひとつの完成した作品としてライヴを届けたいと考えているからだ。
切なさが胸を荒々しく鷲掴みにする美しいメロディと、それを歌い上げるyu-kiの伸びやかなヴォーカルはこの日一番の聴きどころだった。圧巻はラストの「Teddy」。まばゆいライトはこの曲の主人公が最後に手に入れた自由のみならず、ここから始まるShe, in the hazeの未来を祝福したものだと筆者は受け取った。
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