
Overseas
MGMT
Skream! マガジン 2014年02月号掲載

2014.01.11 @新木場STUDIO COAST
Writer 吉羽 さおり
3年ぶり3作目のセルフ・タイトル・アルバム『Mgmt』を携えての来日公演を行なった、MGMT。サイケデリック、かつ濃密に構築されたポップ・アルバムの世界観らしく、今回のステージや映像はとにかく刺激的だった。ライヴは5人編成でと思っていたが、Andrew VanWyngarden(Vo/Gt)とBen Goldwasser(Key)のふたりに、ギター、ベース、ドラム、Keyをくわえた6人編成となっていた。作品の細かなディテールまで、表現したいということか。
ライヴは2ndアルバム『Congratulations』からの「Congratulations」でゆったりとはじまると、ヒット・チューン「Time To Pretend」のドリーミィで高揚感溢れるシンセ・フレーズが、会場を一気に沸かせていく。そして、最新作からの「Cool Song No.2」では劇的にドラッギーな映像と、実験的でシュールな物語を編んでいくようなアンサンブルがぐんにゃりと混じり合って、序盤にして早くもめまいのするようなディープなステージだ。セットリストを振り返ってみると、とくに最新作『MGMT』をがっちりメインに据えて組んだものという感じでもなく、1stアルバムからも、2ndアルバムからも、まんべんなくチョイスされた曲が並んでいたけれど、今のMGMTがプレイするとこんなふうにカオティックで躍動的で、かつ幻想的な美しさにも溢れているんだということを見せてくれるような感覚だった。スタジオのなかで、たくさんのアイディアをコラージュし、その曲が呼んでいる、あるいは持っているだろう世界観や方向を見出していくようなマジカルな音楽を、バンドとして血肉化して、鼓動を鳴らすことでいきいきと物語がはじまって、動き出していく。そんな瞬間を見るような思い。観客たちも、音と映像に引っ張られながら、うねりを帯びていく。
Andrewが歌いながらハンディーのカメラを持って、ステージ上やメンバーたちを映した映像を、スクリーンに流れる映像とシンクロさせたりといった遊びも交えながらショーは進む。「Mystery Disease」から、1stアルバムの「Kids」、そして『Mgmt』のオープニングを飾る「Alien Days」という本編のエンディングになったけれど、なんともこれが浮遊感のある終わり。ふわりふわりと、観客を宇宙遊泳させるみたいに、ドリーミーなサウンドで心地好く、甘い余韻を味あわせてくれるようなステージだった。アンコールは巨大なカウベルが登場して、観客の女の子がそのベルを叩く担当となった「Your Life Is A Lie」。カウベルのちょっとおまぬけな音が曲を盛り上げる。本編の濃ゆいサイケ感はなんだったの、ってくらい明るく牧歌的なエンディングで、会場がほほえましく楽しい笑顔で包まれた。
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