Overseas
THE KOOKS
Skream! マガジン 2012年02月号掲載
2012.01.12 @赤坂BLITZ
Writer 山口 智男
出囃子としてSam Cookeの「A Change Is Gonna Come」が流れてきたとき、ニヤリとせずにいられなかった。そう言えば、以前、SUMMER SONICで観た時はLink Wrayの「Rumble」を出囃子に使っていたっけ。
若いのに、ずいぶんと渋い趣味だな。いや、そんなところが伝統を重んじるイギリスのバンドらしいのか。
もっとも、だからと言って、彼らは伝統に縛られているわけではない。それは今回の来日公演でもはっきりと感じることができた。
THE KOOKS。03年結成のブライトン出身の4人組。ARCTIC MONKEYSとともにイギリスの新世代ギター・ロックを代表する存在として、イギリスのみならず、ここ日本でも確固たるファンベースを築いている。その彼らの来日ツアーが3年ぶりに実現。昨年9月にリリースした3作目のアルバム『Junk Of The Heart』をひっさげ、イギリス、ヨーロッパ、アメリカとツアーを重ねてきた彼らがついに日本までやってきた。
ライヴはその『Junk Of The Heart』収録の「Is It Me」でスタート。通路状に一段高くなったステージの前方をエネルギッシュに左右に行ったり来たりしたフロントマンのLuke Pritchard(Vo, Gt&Key)は、2曲目の「Always Where I Need To Be」ではギターを持たずマイク片手に観客を煽り、今夜の意気込みをアピールした。そんな熱演に応え、3曲目の「Sofa Song」では早くもクライマックスを思わせる大きな歓声が客席から上がる。
「ありがとう。戻ってこられてうれしいよ!」
ほぼ満員の観客の気持ちをガシッと序盤で鷲掴みにしたバンドは、ムーディーな「Rosie」、フォーク調の「She Moves In Her Own Way」、スロー・テンポの「Sway」とじっくり聴かせる曲を立て続けに演奏して、序盤の盛り上がりを、より深い印象につなげていった。「Sway」で聴かせたLukeの感情たっぷりの歌唱とHugh Harris(Gt, Vo&Key)の狂おしいギター・ソロは、その豊かな表現力に心を打たれた。
その後もバンドは打ち込みのビートにTHE ROLLING STONES風のギター・リフを巧みに絡めた「Runaway」、Lukeが弾き語りした「Seaside」、Hughがキーボードをプレイした「Mr. Nice Guy」等々、3枚のアルバムからの曲をバランスよく披露。スタジオ・ワークを駆使したポップな作風がファンを驚かせた『Junk Of The Heart』の曲も、曲が持っているポップな魅力をちゃんと引き出したうえでライヴ・アレンジされ、極々自然にセットリストに収まっていた。そんなところからも成長を遂げたバンドの力量が窺えた。
その他、見どころや語るべきことは、ライヴを観た人それぞれにあると思う。個人的には、ロックンロールのギターらしいギターを久しぶりに堪能させてもらったことがうれしかった。切れ味鋭いカッティング。ギターを思いっきり泣かせるソロ。エレキとアコギを使い分けた巧みなプレイ。「See The Sun」で披露したトラディショナルなフォークの影響を窺わせるフィンガー・ピッキング。「Shine One」と「Do You Wanna」のブリッジになったフィードバックなどなど。
どちらかと言うと、雰囲気重視のギター・プレイを聴かせる若いバンドが多い昨今、Hughによる骨太のギター・プレイは、ロックンロールの醍醐味を感じさせるものだった。
THE KOOKSの要はLukeのソング・ライティングには違いない。しかし、それを単なるポップ・ソングではなく、ロックンロール~ロック・ナンバーとして成立させているのは、Hughのギターに他ならない。ピンクのスーツでキメたクールなギタリストの存在に今一度、注目したい。
Lukeのソング・ライティングとHughのギター。そして、2人を支えるリズム隊。それが一つになると、伝統を重んじながらも決して、それに縛られない現代的なロックンロールが生まれる。THE KOOKSの魅力を再認識。彼らのことがますます好きになった。
本編の最後はLukeがスピーカーの上から“俺と愛し合いたいんだろ?”とダメ押しで盛り上げた。アンコールでは、LukeとHughがキーボードをプレイして、サイケデリックに迫ったアルバム未収録の「The Saboteur」で観客の度肝を抜いたあと、「Junk Of The Heart」「Naïve」と軽快なギター・ポップ・ナンバーを連打して、ほぼ満員の観客を大満足させた。
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