Japanese
カラーボトル
2011.01.23 @恵比寿リキッドルーム
Writer 花塚 寿美礼
「1!2!3!卯―!! 」
このライヴのタイトルであり、今日のライヴの合言葉。
オーディエンスとメンバー、あの空間にいたすべての人が一丸となったライヴだった。
フロアの照明が落とされると、竹森マサユキ(Vo&Gt)以外の3人がステージ上に登場し、盛大な拍手に迎えられて竹森が遅れて現れた。
竹森の「行くぞー恵比寿!!」という掛け声に引っ張られるように「10年20年」の轟音の中に吸い込まれていく! 続く「青い花」では竹森が身振り手振りで感情豊かに歌い上げ、3曲目に放たれた「モンスター」ではフロア中が左右に手を振ったり、物販で販売していた赤いタオルを回したり、一気にフロアが赤く染めあげられた。序盤でこんなに飛ばしていいものか、心配になってくる。それからニュー・アルバム『情熱のうた』に収録されている「愛の唄」へ。歌詞が頭の中に広がって情景が浮かぶドラマティックな一曲にしっとりと聴き入る。その後「グッバイ・ボーイ」でたたみかけた後に、「新年一発目のライヴです。集まってくれた人とひとつになって、新しい一歩を踏み出そう!」という竹森の声に応えるように客席からは湯気が立つほどの熱気が。まだ5曲しか披露されてないのに、このアツさ。すごい夜になりそうな予感がする。というか、すでになっている!
「ひとつになるための最初の一歩として、みんなで(手でウサギを作って)1!2!3!卯―!とやりましょう!」と竹森が呼びかけると、みんなで人差し指と小指でウサギを作る。ポイントは親指を中指と薬指の下にしまって、ウサギのもふもふ感を表現することだとか(笑)。
アントニオ猪木のおなじみの「1!2!3!ダー!」ならぬ、「1!2!3!卯ー!」のコール&レスポンスがバッチリ決まったあとに「夜明け」に突入! 会場中から手拍子が巻き起こり、ゴリゴリのギター・サウンドがうねる「コンクリート」へ。
竹森の声ってマイクを通さなくてもリキッドルームという決して狭くもないハコのなかで響き渡るんじゃないかと思う程、声量がすごい。全身から声が飛び出してくる、そんな感覚だ。
ベースがいかついビートを鳴らす「走る人」の後には、一通の手紙をもとに作られた曲「ありがとう」を情感たっぷりに歌い上げる。隣にいた観客が「前に“ありがとう”の原型をライヴで聴いたけど、ものすごいいい曲になってビックリした」ともらしていた。
インタビューでも言っていたように出来たばかりの曲をライヴで披露し、お客さんの反応を見ながら更に磨き上げていった曲だ。「ゼロになって」の後にはニュー・ミニ・アルバムから「グローバルコミュニケーション」。「一緒に歌おう!」の呼びかけに、会場からは♪グローバル・コミュニケーションの大合唱が起こる。
そして「ツアー中って4人で交代で運転していくんだけど、真夜中にサービスエリアでみんな寝てたの。ふと起きたらタイチ(Ba)がいなくて、探しに行ったら、カップ焼きそばを湯切りしてて……(笑)。なんか、その背中見てたら絶対のし上がってやるって思いました!」というエピソードと決意が発表された後に、照明が情熱の色・赤に染められ、「情熱のうた」へ!! 全身全霊とはまさにこのこと。観客の中には、涙を流している人も。アツい想いは伝染するということを目の当たりにした瞬間だった。
「最後の曲です!」とアナウンスされた後は「メッセージ」! こぶしを突き上げ、フロアを熱気の渦に追い込んだまま、4人はステージを後にした。
しかしこんなもんで帰るわけにいかないと、会場中からアンコールを求める拍手が巻き起こる。どこからともなく♪ボストンバッグ握りしめた~と「ボストンバッグ」の大合唱が起こる。
そんな声に応えて、メンバーがステージに再び姿を現した。全員、物販のTシャツに着替えて登場し、竹森に関しては赤いパンツを履いていて、それに情熱カラーの赤いTシャツを合わせるというハイセンス(?)ぶりを見せつけ、オーディエンスから「赤森!!」といじられる場面も(笑)。アンコール1発目の「あいたい」の後には、メンバー紹介と2011年情熱を注ぎたいことをそれぞれ発表。大川 "Z" 純司(Dr)は「みんな、ありがと卯! 今年はなんでもやる」、穐元タイチ(Ba)は「命がけでいいライヴをして届けたい」。渡辺アキラ(Gt)は「いいライヴをするし、こんなもんじゃすまさない!」。竹森は「雪だるまのように転がるたびに大きくなって、恩返しがしたい!」とみんなの決意は固い。そしてラストは「あぜ道」。最後に溜めて溜めて会場中のみんなで大ジャンプ! フロアにたくさんの感動を残してライヴは終了した。
途中、MCで「みんなの応援に音楽で返しているか不安で…」ともらしていた竹森。そんな不安は今日のオーディエンスの楽しそうな顔を見れば一目瞭然。とんでもなくハッピーな空間だった。
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