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DISC REVIEW

Overseas

2022年03月号掲載

Time Skiffs

ANIMAL COLLECTIVE

『Time Skiffs』

Release Date : 2022-02-04
Label : BEAT RECORDS / Domino

ANIMAL COLLECTIVEってこんなに聴きやすかったっけ。00年代後半のUSインディーを席捲したフォークとサイケの折衷ブーム、およびボルチモア結成のバンドが拠点としたブルックリン・シーンを代表する4人組の6年ぶりとなるアルバムは、そんな印象にちょっとびっくりだ。評価を勝ち得るなかで推し進めてきた実験的なアプローチではなく、フォークとサイケの折衷をメロディの心地よさとともに追求したところ、冒頭の印象に繋がったようだ。そこに絶妙な割合で入り交じるエスニックなサウンド、ラテンのリズム、ジャズ/フュージョンのエッセンスが彼ららしい。プログレ・サイケなTrack.3の宇宙的なサウンドとTrack.4の生々しいバンド・サウンドのコントラストもダイナミックだ。(山口 智男)


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Isn't It Now?

USインディーの中でも特に個性の塊といったサウンドを発信し続けるANIMAL COLLECTIVEが、水を得た魚のようにクリエイティヴィティを開放したニュー・アルバム。前作『Time Skiffs』は、コロナ禍もあってリモートでのレコーディングとなり、ある意味パッケージとしてきれいにまとまった感のある作品になっていたが、今作はその間くすぶっていたアイディアが一気に放出されたのだろう、64分(※輸入盤)という大作でありながらたった12日で完成したというのだから驚きだ。トロピカルでポップな楽曲と、対照的にアンビエントで実験的要素が満載の楽曲があったり、聴く者をザワつかせるニクい演出も彼ららしい。さらに約22分という長さに驚かされる「Defeat」が、意外にも聴きやすいというのも意外性だらけで面白い。(山本 真由)


Time Skiffs

ANIMAL COLLECTIVEってこんなに聴きやすかったっけ。00年代後半のUSインディーを席捲したフォークとサイケの折衷ブーム、およびボルチモア結成のバンドが拠点としたブルックリン・シーンを代表する4人組の6年ぶりとなるアルバムは、そんな印象にちょっとびっくりだ。評価を勝ち得るなかで推し進めてきた実験的なアプローチではなく、フォークとサイケの折衷をメロディの心地よさとともに追求したところ、冒頭の印象に繋がったようだ。そこに絶妙な割合で入り交じるエスニックなサウンド、ラテンのリズム、ジャズ/フュージョンのエッセンスが彼ららしい。プログレ・サイケなTrack.3の宇宙的なサウンドとTrack.4の生々しいバンド・サウンドのコントラストもダイナミックだ。(山口 智男)


Merriweather Post Pavilion

常に斬新なサイケデリックミュージックを奏で続けるANIMAL COLLECTIVEから届けられた新作は、もう誰も辿り着けないところへ彼らが到達していることをはっきりと示す傑作となった。実験精神を追求する彼らの音楽は、これまでも新しいもの好きな音楽愛好家には高い評価を受けながら、決して一般性を持つものではなかった。前作『Strawberry Jam』も以前に比べれば、格段にポップな作品だったが、彼らはこの作品で、その扉を全ての人に完全に開いてしまった。天上に住む人々の囁きのようなVOと、天から降ってくるような眩い音が、柔らかくしなやかなビートの上で舞い踊る、極上のサイケポップ。決して実験精神を失うことなく、聴く者をカラフルな桃源郷へ導いてくれる、至高の作品。(佐々木 健治)