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DISC REVIEW

Overseas

2021年06月号掲載

Delta Kream

THE BLACK KEYS

『Delta Kream』

Release Date : 2021-05-26
Label : ワーナーミュージック・ジャパン

2019年の前作『Let's Rock』も好調なセールスを記録し、名実ともに現行のアメリカン・ロックの代表格に君臨するTHE BLACK KEYS。彼らの10作目となるアルバムでは、音楽的ルーツである"ヒル・カントリー・ブルース"のナンバーを大御所ミュージシャンたちとカバー。反復しながらジワジワとコードを展開していくギターと、ビートを強調したパーカッションが織りなすグルーヴが特徴のスタイルだが、それをTHE BLACK KEYS印の骨太なロック・サウンドで鳴らすことで、サイケデリックな感覚を湛えた、心地よい泥沼へとゆっくり引き込まれるような陶酔的な作品に仕上がっている。脱力感と緊張が同居した、生々しいジャム・セッションを余すところなく伝える音像も秀逸。(菅谷 透)


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Dropout Boogie

現行アメリカン・ロックの代表格として名を馳せるTHE BLACK KEYSが、通算11作目となるスタジオ・アルバムを発表した。バンドの音楽的ルーツである楽曲をカバーした前作『Delta Kream』を経た本アルバムでは、グッと渋さを増したブルージーなロックンロールを披露。ザラついた泥臭いギター・リフに、どっしりと響くドラムが生み出すうねるようなグルーヴは極めてシンプルながら痛快で、ファンキーなリフで初っ端から派手にかますTrack.1(遊び心に満ちたMVもクール)、ZZ TOPのフロントマン Billy F Gibbonsも参加したTrack.5、メロウなパートから疾走感溢れるサウンドになだれ込むTrack.9と、普遍的なロックの魅力を詰め込んだ快作に仕上がっている。(菅谷 透)


Delta Kream

2019年の前作『Let's Rock』も好調なセールスを記録し、名実ともに現行のアメリカン・ロックの代表格に君臨するTHE BLACK KEYS。彼らの10作目となるアルバムでは、音楽的ルーツである"ヒル・カントリー・ブルース"のナンバーを大御所ミュージシャンたちとカバー。反復しながらジワジワとコードを展開していくギターと、ビートを強調したパーカッションが織りなすグルーヴが特徴のスタイルだが、それをTHE BLACK KEYS印の骨太なロック・サウンドで鳴らすことで、サイケデリックな感覚を湛えた、心地よい泥沼へとゆっくり引き込まれるような陶酔的な作品に仕上がっている。脱力感と緊張が同居した、生々しいジャム・セッションを余すところなく伝える音像も秀逸。(菅谷 透)


Let's Rock

ロックは流行らないと言われて久しいアメリカの音楽シーンにおいて、爆発的ヒットを飛ばし続ける稀有な存在、THE BLACK KEYS。アメリカの田舎によくいそうなくたびれたおじさんふたり組なのに、ぶっ飛んだロック魂とセンスの持ち主で、そのギャップもまたいい。今作は、ブルージー且つ軽やかなギター・サウンドで、古き良きロックに回帰した趣を前面に出しつつ、独特のウィットに富んだポップネスも混ぜてタイムレスな作品に仕上げている。簡潔で遊び心があり、飽きの来ないサウンドというのは、主義主張が強すぎてもなさすぎても作れない。そんな絶妙なバランス感覚でシーンを俯瞰する現代のロック・スターは、人々に忘れ去られた音楽の楽しみを"Let's Rock"と言って無造作に投げて寄こすのだ。(山本 真由)


El Camino

WHITE STRIPES亡き後は彼らに託すしかない。まるでシーンを黒く塗りつぶせ!なんて気概が満ちているようだからさ。あのRobert PlantにLiam Gallagherも大絶賛した前作『Brothers』では最優秀ロック・パフォーマンスはじめグラミー賞3部門獲得&ミリオン・セールス突破、実質的なブレイクを果たしたTHE BLACK KEYSの勢いが止まらない!早くも7枚目となる『El Camino』が完成した。土臭いブルージーなリフに濃密なサザン・ソウルのグルーヴと、ロックの古典を生々しくもモダンに甦らせるさまは比類なき王者の風格。再びタッグを組んだプロデューサーDANGER MOUSEの手腕も素晴らしいです。Dan Auerbach(Vo&Gt)は語る――"レコーディングの前に練習はしない。その場のノリでやってしまうんだ。このアルバムはライヴで演奏するときに輝くだろうね"――痺れる、かっこよすぎるぜ!(伊藤 洋輔)