0.8 秒と衝撃。塔山忠臣の「アホボケカスは俺か？」【第1回】

FEATURE

2010年08月号掲載

はじめまして。
わたくし、「0.8秒と衝撃。」というアグレッシブなBANDで曲を書かせてもらってます、塔山忠臣と申します。
今月のコラムからインディーズ界の切り裂きジャックこと、ワタクシ塔山が担当させて戴きます。どうか宜しくお願いします。
優しさのみ募集★

まずは軽くウチのBANDの紹介を。音楽家たるものやはりＣＤを出したい。
という事で、すずめの涙ほどのバイト代を毎月貯め貯め、とっておきのデモテープを作り、今のレーベルで晴れて音楽が出来るようになりました。もちろんバイトが主食ですが、ナニか？
結成してちょうど今月（8月）で一年目を迎えまして、そろそろ解散を考えております。(フィクション)まあ色んなバンドさんとも共演させてもらい、今は日々、作曲＆野心に燃えておりますよ～。結成して一ヶ月で音源を出したんですけど(こういうのはだいたいハイプね★)コレが中々好評で、ついつい褒められると調子に乗ってしまい、今度また新しい音源が出ますねん。つーか、コレ載ってる頃には絶賛発売中！！！なハズです、ぜひ。聴け。
題名が『エスノファンキードフトエフスキーカムカムクラブEP』と申しまして、素敵なシングルさんが4曲も入っておりまして、それぞれ激しかったり可愛かったり、踊れたり眠れたり。（良い意味で）あなたもぜひ、買ったり！買わなかったり！ラジバンダッ！…やめときます。こないだ渋谷のスクランブル交差点で本人を見たばっかなので…。何かしんどそうでしたよ。いえいえ、僕はハードＭだから大丈夫です。
このコラムでは、いかにして売れないバンドマンがもがき、日々考え、中央線の夕方の酒場でくすぶって行くのかを、私の人体実験をもって、お伝えしていければなぁと考えております。(結構、尺稼げた♪)
さあ、新しい夜明けの始まりだ！！！

『0.8秒と衝撃。』
この名前をおぼえておくがいいさ！

最近テレビで現代の縮図を見た。商品が売れるとか人が金持ちになるとかこういうコトなんやろう。
敬愛するフォークミュージックの懐メロ的な番組で、まあそれはそれは誰もが聴いたことのあるような大御所のおっさん＆おばはんが出てきてナンボほど小銭を稼がしてくれたかわからんその名曲たちを自分はアコギすら弾かず、サポートミュージシャンでガッツリ固めたBAND演奏で聴かせてくれる。もはやフォーク風地中海ハンバーグって感じ。安物のディナーショーへようこそ！！！でも俺達、音楽で食えてるも～ん。
そこにエンケン（遠藤賢司ね）なる変な髪型のオヤジが登場。有名なメガネ神田川が言った、『この方はさほど売れてはいないけど良いアーティストなんですよ～。』そんな事お前に言われんでも分かってるわ、ボケ。
僕は黙って彼の演奏を聴いていた。たった数分間だけやったけど、まさしく、『本当』がその瞬間にはあった。夢よ、叫べ。歴史の刻まれたアコースティックギターが１本、それもラインすらない、マイクで生音を拾い、言葉ひとつひとつに、コイツ死ぬんちゃうか？と思わせてくれるぐらいの熱量を込めて、僕の心を癒してくれたんです。生放送という事もあり、会場の空気が一変したのが分かった。理解している客の中には叫ぶ者もいた。それまで見せられていたキャッチーで公務員的な景気のイイ茶番よりも、本当はこれちゃうんか？そう気づき始めていた。
でもそれは製作側や司会者によって掻き消されたよ。宣伝しか口にしないマスよりのフォーク風歌手の人達には無駄に長くインタビューをするのに、エンケンには一言の時間も無かったから。流れを普通に戻された感じっていうの、まあまあ、楽しくやろうよ♪みたいな。結局、大団円でまた有名な人達が変な宗教の勧誘会みたいな、雰囲気だけピースフルな口パク演奏で終わらせてしまった。彼らこそが一番の印象と評価をお膳立てされてね。売れる人は柔軟だ、プロってやつ。売れない人は運が悪い？まだ売れてない僕には分かりっこナイよ、そんなん。ただ、これだけは言えるんや。僕はマク○ナルドが一番だなんて思わない。本当にウマイもんぐらい、自分で見つけられる。

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