Overseas
IMAGINE DRAGONS
Skream! マガジン 2025年01月号掲載
2024.12.03 @東京有明アリーナ
Writer : 菅谷 透 Photographer:Kazumichi Kokei
IMAGINE DRAGONSが、6年ぶりとなる単独来日公演を開催した。結成15周年の節目に発表したニュー・アルバム『Loom』を引っ提げてのライヴは、彼等がシーンのトップに立ち続ける理由と真価を証明するような、興奮と歓喜に満ちた時間だった。
会場の東京有明アリーナは、国籍も年代も様々な観客が詰め掛けほぼ満員状態に。スタンドではライヴが始まる前からスマホのライトが振られていて、お祭りのような雰囲気だ。開演時刻をやや過ぎたところで場内が暗転、ステージ上にいくつも配置されたモニターには、『Loom』のアートワークをフィーチャーした壮大な映像が流れ、会場全体を世界観へと惹き込んでいく。そしてメンバーが一人一人姿を現し、最後にDan Reynolds(Vo)がマイク・スタンドの前に立つと大きな歓声が上がる。オープナーの『Loom』収録曲「Fire In These Hills」は、徐々にボルテージを高めていくナンバーで、始めはステージ中央で直立不動だったDanも、花道へ歩み出すと身体中で感情を表現しながら声を解き放っていく。そして演奏が最高潮に達した瞬間には、四方から発射された紙吹雪が宙を舞う――1曲目からショーマンシップに溢れた演出に、会場全体が早くも大興奮に包まれた。
続いてはWayne Sermonのフラッシーなギター・ソロが光る「Thunder」、Ben McKeeのベース・リフがうなりを上げる「Bones」とヒット曲を矢継ぎ早に披露。エレクトロ・サウンドを大胆に取り入れているイメージの強いIMAGINE DRAGONSだが、同期音源に頼り切ることなくWayneもBenもいくつもの楽器を掛け持ちし、コーラスを入れながら巧みに演奏を展開していて、"生"の音がもたらす力を十二分に理解しているようだった。また、バンド結成時に在籍していたAndrew Tolmanがツアー・メンバーとしてドラムを叩いており、彼の抑揚の効いたプレイもアンサンブルにアクセントを加えていた。そして、何よりDanのフロントマンとしての存在感がすごい。巨大な会場の隅々まで目をやり(誰もが1回は"目が合った!"と思ったのではないか)、一人一人と対話するかのように歌い上げる姿は圧巻だった。そんなDanが"トーキョー、久しぶりだね"と声を掛けると、"バンドを始めた15年前は、こんなふうに世界を回れるなんて思ってもみなかった"と、デビュー・アルバム『Night Visions』より「Hear Me」を披露。次の「Take Me To The Beach」では巨大なビーチボールが観客の頭上を飛び交い、ピースフルな雰囲気が生まれていた。
「Whatever It Takes」、「Bad Liar」といった既発曲では、イントロで会場のあちこちから思い入れの乗った歓声が上がり、サビで大音量のシンガロングが巻き起こる。一方で『Loom』収録曲ではDanを筆頭にバンドが積極的に観客をリードしていて、各方向にうやうやしく挨拶を送る姿もユニークだった「Nice To Meet You」、アッパーなビートでフロアを踊らせた「Wake Up」と、休むことなく観客のボルテージを高めていく。そんな中盤戦のハイライトとなったのは、やはり「Radioactive」だ。会場を揺らすダイナミックなビートに負けないほどの大合唱が響き渡っただけではなく、アウトロではDanが(いつの間にか用意された)ドラム・セットに座り、Andrewと息の合ったツイン・ドラムのセッションまで披露。ド派手な演出に歓声と拍手が上がっていた。次の「Demons」ではDanがグランド・ピアノへ移動。弾き語りでの歌唱で魅了していた。
中盤のMCでは、Danが、"みんなに話したいことがあるんだ"とIMAGINE DRAGONSの成り立ちを数分間にわたって話す場面も。Danは12歳のときに信じられない程の喪失感を抱え、自己愛もなかったが、そうした感情を誰にも共有できずに心の中にしまい込み、弱い人間だと思われないように笑顔を浮かべて生活していた。そんな状態で10代を過ごしていたところ、ある日Danの兄が実家を出ることになり、彼が置いていったマイクを"拝借"して最初のレコーディングを始めたのだという。兄には"クッキーモンスターのような声"と言われ歌声に自信のなかったDanだが、歌を通して自分を表現できたことで、滝のような安らぎを得られたそうだ。
そして彼は、かつての自分と同じように感情を閉じ込めている人たちが大勢いるはずだと続け、友人や家族等誰かに話したり、セラピーへ通ったりして、自分自身の想いを打ち明けてほしいと呼び掛ける。"あなたを素晴らしい未来が待っている。どんな媒体でも、芸術でも、仕事でも、あなたは自分自身を表現できる。それがIMAGINE DRAGONSの本質なんだ。今夜、あなたが自分自身を愛し、自分の価値を感じられますように。なぜなら、あなたには愛される価値があるから。あなたの人生は、常に生きる価値があるんだ"と締めくくったスピーチは、観客一人一人に訴えるような感動的な内容で、会場が一体となって湧き上がる拍手が、深い共感を物語っていた。そうして始まった「Walking The Wire」では、オーディエンスそれぞれが放った想いが会場を満たしていった。
VJを巧みに使った「Sharks」、「Enemy」で、ライヴはいよいよ後半戦へ。「Eyes Closed」ではメンバー全員がパーカッションを叩く場面もあり、生演奏ならではのパフォーマンスに会場のボルテージがますます高まっていく。またMC中には、初期曲の「Tokyo」をアカペラで歌唱。"いつか訪れて演奏したいと思っていた、夢のような場所なんだ"と楽曲について語りつつ、"Kimi tanoshimu"という日本語の歌詞を"15年前にGoogle翻訳した言葉だから、意味が合ってるか分からないんだ"と意味や発音を観客に確認する、和やかな場面も見られた。温かな拍手が一体感を高めた「In Your Corner」を経て、ラストはCMでも話題を呼んだ人気曲の「Believer」で、観客の興奮とシンガロングの音量は最高潮に。アウトロでは幾度目かの紙吹雪が宙を舞い、ラウドなアレンジも秀逸だった。スタジオ作品とはまた異なる、ロック・バンドとしての本質を見せただけではなく、人と人とが対峙するライヴ・パフォーマンスの意義までもアリーナ規模で提示した圧巻のショーに、割れんばかりの歓声と拍手が送られていた。
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