Japanese
トゲナシトゲアリ
Skream! マガジン 2024年12月号掲載
2024.11.02 @TOKYO DOME CITY HALL
Writer : 宮﨑 大樹 Photographer:キセキミチコ
東映アニメーション×agehasprings×ユニバーサル ミュージック、3社合同の大型プロジェクトとして発足したTVアニメ"ガールズバンドクライ"。本作の劇中に登場するガールズ・バンド"トゲナシトゲアリ(以下:トゲトゲ)"の声優を務めるメンバーによって構成された同名のリアル・バンドが、3rdワンマン・ライヴ"咆哮の奏"をTOKYO DOME CITY HALLにて開催した(なお、この日は活動休止中の美怜(安和すばる/Dr)と凪都(海老塚 智/Key)に代わり、宮内沙弥(Dr)と鈴木栄奈(Key)がサポート・メンバーとして参加)。
TOKYO DOME CITY HALLは、トゲトゲの井芹仁菜(CV:理名/Vo)にとって因縁の地だ。それは、彼女が命の次に大事にしていたというバンド"ダイヤモンドダスト(以下:ダイダス)"の新ヴォーカルを、絶交した友人 ヒナが務めていることを知った場所だということに由来している。この場所で感じた驚きや怒りが、彼女の原動力の1つになっていたと言ってもいいだろう。そんなTOKYO DOME CITY HALLをトゲトゲとしてソールド・アウトさせたということには、次元を飛び越えて感じるところがあった。当日は肌寒い気温で、空は雨模様であったが、そんな寒気も雨雲も吹き飛ばすような熱気が開演前の会場には充満していた。オールスタンディングのアリーナ席は観客でパンパンだ。というか、こういうメディアミックスもののアーティストがオールスタンディング形式を取ったことや、推しグッズの定番であるペンライトの使用を禁止していることには少し驚いた。そう、彼女たちはあくまでガチンコの"バンド"なのだ。彼女たちがライヴ・バンドであるという自負を至るところから感じた。ちなみに禁止事項の中には、このバンドらしく"トゲトゲ出すの禁止"の文字もあってちょっぴり笑える演出もあった。
ライヴは、ギターを提げた理名と夕莉(河原木桃香/Gt)、朱李(ルパ/Ba)の3人だけでステージに立ち、楽器をかき鳴らすところから幕開け。待ちに待ったメンバーの登場に対して、会場から大きな手拍子が沸き起こるなか、サポート・メンバー2人が参加して「運命の華」でライヴの口火を切った。劇中のラストに演奏されたこの曲で颯爽と駆け出していき、3人が向かい合ってフィニッシュを決めると、理名がギターを置いてからドラム・ソロを経て「極私的極彩色アンサー」へと続けた。この日最初のMCでは理名がライヴのタイトル"咆哮の奏"にちなんで、"皆さんの大きな声が聞けるのかなと思うと、今日はとても楽しみです"と話す。続けて、前回の2ndワンマンとは異なり今回はアニメのストーリーとリンクした演出は入れていないことに触れ、"最新型、現在の私たちを感じてもらえたら嬉しいです"と意気込むと、そのまま「闇に溶けてく」を披露。さらに夕莉がアルペジオで魅せた「碧いif」で会場を沸かしたかと思えば、温かなバラードの「蝶に結いた赤い糸」をじっくりと聴かせ緩急をつけた。
それにしても、トゲトゲのライヴは楽曲の始まりごとに上がる歓声がすごい。全ての曲が、まるでライヴのクライマックスかのような熱量でオーディエンスに迎えられるのだ。そんなファンの熱量に後押しされるかのように、3人のパフォーマンスにもどんどん熱が入っていく。夕莉はテクニカルなフレーズを奏で、朱李は身体全体を使ってプレイし、理名はトゲトゲの特徴であるギチギチに詰め込まれた歌詞を、力強くも淀みなく歌い上げていることが印象的だった。
ライヴ中盤で特別な盛り上がりを見せたのは「空の箱」だ。夕莉演じる河原木桃香がダイダスに所属していた時代の楽曲を、アニメ第1話を思わせる夕莉の弾き語りスタイルで披露。立て続けにトゲトゲバージョンでも同楽曲をパフォームするものだから、ファンは言葉通りの狂喜乱舞だ。さらに「声なき魚」、「視界の隅 朽ちる音」と続けたバンドは、MC後に新曲「渇く、憂う」をサプライズ初披露。疾走感のあるエモーショナルなロック・ナンバーで観客の胸を打った。
後半戦は、バンドにとっての始まりの曲「名もなき何もかも」でスタートし、「運命に賭けたい論理」、「傷つき傷つけ痛くて辛い」と3連続で披露する。そこからコール&レスポンスでフロアとコミュニケーションを取り、ライヴはあっという間にラスト・スパートへ突入。「サヨナラサヨナラサヨナラ」、「爆ぜて咲く」と畳み掛け、最後はアニメのオープニング主題歌でもあるキラーチューン「雑踏、僕らの街」で本編を締めくくる。アンコールでは、「誰にもなれない私だから」、「無知のち私」、「空白とカタルシス」の3曲を披露し、3rdワンマン・ライヴ"咆哮の奏"は幕を閉じた。なお終演後には、トゲトゲ初の海外ワンマン・ライヴ、先述したライバル・バンド ダイダスも出演する"『ガールズバンドクライ』2nd Anniversary LIVE"の開催を含め、4つの重大発表が明らかに。開演前から終演後まで、一度たりとも熱の冷めない一夜だった。
改めてライヴを振り返ると、3人のライヴ・パフォーマンスには、彼女たち自身が演じるキャラクターと重なる瞬間がたびたびあったように思う。それはつまり、キャラクターを演じてきたなかで、彼女たちとシンクロしたライヴができているということだろう。言い方を変えれば、キャラクターが降りてきていると表現してもいいかもしれない。こういうプロジェクトにおいて、役柄とのリンクはファンにとっては重要なポイントだ。この先のライヴでも、こういったキャラクターとのシンクロ性を活かしつつ、さらにその枠を飛び越えたリアルなトゲトゲのパフォーマンスを楽しみにしたい。
[Setlist]
1. 運命の華
2. 極私的極彩色アンサー
3. 闇に溶けてく
4. 碧いif
5. 蝶に結いた赤い糸
6. 偽りの理
7. 黎明を穿つ
8. 空の箱(夕莉)
9. 空の箱(バンド)
10. 声なき魚
11. 視界の隅 朽ちる音
12. 渇く、憂う
13. 理想的パラドクスとは
14. 気鬱、白濁す
15. 名もなき何もかも
16. 運命に賭けたい論理
17. 傷つき傷つけ痛くて辛い
18. サヨナラサヨナラサヨナラ
19. 爆ぜて咲く
20. 雑踏、僕らの街
En1. 誰にもなれない私だから
En2. 無知のち私
En3. 空白とカタルシス
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