Overseas
Avril Lavigne
Skream! マガジン 2022年12月号掲載
2022.11.10 @東京ガーデンシアター
Writer 菅谷 透 Photo by KAZUMICHI KOKEI
Avril Lavigneの約8年ぶりとなるジャパン・ツアーが国内4都市にて開催された。本稿では東京公演2日目、11月10日の東京ガーデンシアター公演の模様をお伝えする。
今回のツアーは当初、難病を乗り越え復活を遂げたAvrilが2019年に発表した6thアルバム『Head Above Water』のツアーとして、2020年5月に開催が予定されていたものだった。残念ながらパンデミックの影響により公演は延期となってしまったが、2度の日程振替を経た待望の開催とあって、この日を指折り数えて待っていたファンも多かったことだろう。さらにAvrilは、デビュー20周年を迎えた今年2022年の2月に、原点であるポップ・パンクを全面に押し出した最新アルバム『Love Sux』を発表。デビュー・アルバム『Let Go』の20周年記念盤リリースや、YouTubeチャンネル"THE FIRST TAKE"への出演など、Y2Kブームやポップ・パンク/エモ・リヴァイヴァルが盛り上がる昨今において、時代を超えたロック・プリンセスとしての魅力と存在感を改めて示しており、まさに絶好のタイミングでの来日となった。
会場にはSUM 41、NEW FOUND GLORYなど2000年代ポップ・パンクの名曲が流れ、まるで"あのころ"へとタイムスリップしたかのようなノスタルジックな雰囲気が漂う。あたりを見渡すと思い思いのロック・ファッションに身を包んだオーディエンスが多数で、ファッション・アイコンでもあるAvrilへの敬意が窺えた。場内が暗転すると、過去のMVを繋ぎ合わせたオープニング映像とともにJoan Jettのカバーである「Bad Reputation」が流れ始める。高揚感が広がっていくなか、楽曲が鳴り止むと同時に黒い風船を手にしたAvrilのシルエットが紗幕へ照らし出され、ファンからは大歓声が! 最新アルバム『Love Sux』からの第1弾シングル「Bite Me」のイントロを軽快に歌い上げ、華々しくライヴは幕を開けた。5人のバンド・メンバーを従えたAvrilは、トレード・マークのロング・ヘアをばっさりと切ったミディアム・ボブに、黒のドレッシーな出で立ち。ステージに転がるバルーンを、いたずらっぽく客席へと蹴り込む姿すらクールだ。"こんにちは、ハロー、ジャパン・トーキョー! 『Love Sux』ツアーへようこそ"と挨拶を交わすと、「What The Hell」へ。舞台の両サイド前面に配された、スケートボードのランプを模した台にも歩み寄りながら、曲中では"次はみんなの番だよ"とコール&レスポンスを誘発。早くも観客を熱狂させた。次の曲を予感させるフレーズが流れ歓声が上がるなか、"東京は世界の中でも一番大好きな都市のひとつ"と、ようやく実現した来日公演の喜びを語る。そして、"初期からファンでいてくれた日本のみんな"に捧げられたのは、名曲「Complicated」だ。20年前のMVをバックに、色褪せぬ切なくも力強い歌声を響かせ、オーディエンスも自らの手やペンライトを掲げて応えていた。
この日のライヴはセットリストだと3部構成になっていて、ここからは第2幕の開幕だ。Avrilはピンクのテレキャスターを手に再び舞台へ姿を現し、"アイタカッタヨ!"と声を弾ませながら「My Happy Ending」をパフォーマンス。シンセの音色が効いたダークなアレンジは原曲よりもラウドな質感を伴っていて、こうしたライヴならではの変化も嬉しい。続いて、"今からプレイするのは先週(11月4日)出たばかりの曲よ"と演奏されたのは、最新シングルでYUNGBLUDとコラボした「I'm A Mess」。今回のジャパン・ツアーが世界初披露で、ファンにとっては嬉しいサプライズとなった。デビュー・アルバム『Let Go』からのお気に入りの楽曲だという、ヘヴィなナンバー「Losing Grip」を挟むと、"初めて日本に来た人がいるの"と呼び込まれたのは、婚約者でもあるMOD SUN! さらなるサプライズに会場のボルテージもグッと高まる。『Love Sux』のプロデュースにも関わるなど、公私共にAvrilを支えるMOD SUNを迎え、彼のシングルとして2021年に発表されたコラボ曲「Flames」をデュエットで披露。時折目線を交わし合うなど、仲睦まじさが垣間見えるパフォーマンスを繰り広げ、演奏後に両者が見せたハグには温かい拍手が送られていた。続いての「Love It When You Hate Me」でもBLACKBEARと映像での共演を見せており、改めて近年のAvrilの活発なコラボレーションと、ポップ・パンク・シーンにおける良き先輩としての姿を際立たせたセクションとなった。
TikTokでも人気な「Hello Kitty」をインタールードに演奏しての第3幕は、強力なアッパー・チューンを揃えたセットリストに。"ミンナサイコー!"のひと声でメガ・ヒットの「Girlfriend」をドロップし会場をヒートアップさせると、間髪入れずにMACHINE GUN KELLYとのコラボ・ナンバー「Bois Lie」で畳み掛ける。コール&レスポンスもばっちりキマっていて、最新アルバム収録曲ながらファンへの浸透度が窺える。そして本編最後に披露されたのはキラーチューンの「Sk8er Boi」。紙吹雪が舞うなかフロアは最高潮の盛り上がりを見せ、"ミンナダイスキ! アリガトウ!"とステージをあとにした。
アンコール1発目に披露されたのは、病からの復活を告げるシングルとして発表された「Head Above Water」だ。生きるため懸命にもがく様を壮大なサウンドで仕立てた、美しいバラードが力強く歌い上げられ、本編とはまた異なるAvrilの魅力を見せていく。続けて演奏されたのは、デビュー・アルバムからの名バラード「I'm With You」。いずれも困難から抜け出す姿を描いたナンバーだが、パンデミックを乗り越えての再会となったこの場では、祝福のように感動的に鳴り響く。"あなたと一緒にいるよ"というメッセージが会場を包み込み、観客もシンガロングで応える光景が印象的だった。少し感傷的な雰囲気が広がったが、それを吹き飛ばすかのごとく、この日最後の楽曲「Here's To Never Growing Up」がパワフルに奏でられる。いい意味でいつまでも変わらない、どこまでもかっこ良くてかわいいロック・プリンセスの姿がそこにあった。
※写真は11/9の公演のものです。
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