Japanese
Little Parade
Skream! マガジン 2021年12月号掲載
2021.11.17 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 山口 哲生 Photo by 高村祐介
なくしてしまった大切なものがある。そんな彼が紡ぐ音楽は、これからもまた、多くの人の心に響いていくだろう。
元Aqua Timezの太志(Vo)によるソロ・プロジェクト、Little Paradeによる初の東名阪ツアー。全会場ソールド・アウトとなった東京公演の幕開けは、1stミニ・アルバム『止まらない風ぐるま』の1曲目でもある「on the BLEACHers」だった。姿を現すやいなや、力強いロング・トーンを放つ太志。切迫感のあるバンド・サウンドと共に駆け抜けていくと、ステージに吊り渡された白熱電球が儚くも美しく輝く中、「色彩の行方」を柔らかく歌い上げた。
この日のライヴでは、ダイナミックに繰り広げられる演奏にヴォイス・パーカッションを重ねた「風の斬り方」をはじめ、2ndミニ・アルバム『藍染めの週末』からの楽曲も、発売に先駆けて続々と届けられた。重厚でシリアスな空気が立ち込める「置き去りの鉛筆」や、ジャズやネオ・ソウルを取り入れた「501 with oneself」など、新たな表情で魅了しつつ、ハイライトだったのは「long slow distance」。切なさが入り混じりながらも、柔らかな光に満ちた歌と演奏に合わせて、ガイドラインを遵守しながらステージを見守っていたオーディエンスたちも、リズムに合わせて身体を大きく揺らしていた。
短期間で2枚のミニ・アルバムをリリースしたLittle Paradeだが、『止まらない風ぐるま』にはAqua Timezというかけがえのない存在に終止符を打ったあとの心情が、『藍染めの週末』には劣等感を抱き続けた自身の青春時代のことが綴られている。また、この日のライヴでは、NOKKOの「人魚」、BEGINの「恋しくて」といったカバーが計3曲披露されたのだが、それらは太志が子供のときに接した楽曲でもあった。それもあってこの日のステージは、太志というアーティストであり、ひとりの人間がどのように形成されてきたのかを改めて示していくようでもあった。
ただし、それは決して懐古趣味的なものではない。2作の音源は、そんな過去を持った自分が、ここから歩き出すための出発地点に旗を立てた作品であり、この日のライヴで披露されたカバー曲のセレクトも、"あの頃にはわからなかった、気づかなかった、理解できなかったけど、今ならわかることもこれからやっていきたい"という、ひとつの挑戦が込められていて、中でも、アンコールで披露された小泉今日子の「あなたに会えてよかった」は、"今の自分の思いに似ているから絶対に歌いたい"と、強い意志を持って客席に歌い掛けていた。
そんな胸の内をすべて曝け出す歌を歌いながら、リアルタイムで湧き上がってくる感情を、太志は包み隠さずフロアに語り掛けていく。ブランクもあってまだ地に足がついてないこと、ライヴはオーディエンスと一緒に作っていくものだと再確認していること、彼なりの尊敬の表し方として、このツアーでは"Aqua Timezの曲はやらないと決めていた"こと、そして、これまで自分の歌は"前向き"と評されることが多かったが、決してそうではなく"ここにいる人たちは「一見、前向きだけど......」の「......」をわかってくれている理解者"だと思っていること。親密に、それでいて力強く投げ掛けられた太志の思いを、そこにいる"仲間"たちがしっかりと受け止める、温かな空間が広がっていた。この日、最後に披露されたのは「ユニコーンのツノ」。癒えない傷、消せない後悔、埋まらない喪失感。そんな様々な感情に苛まれながらも、今を生きていくことをそっと肯定するような優しい歌を送り、ライヴを締めくくった。
なくしてしまった大切なものがある。だからこそ気づけたことがある。例え形はなくなってしまったとしても、胸の中に宿る確かなものを抱きながら、彼のパレードは続いていく。
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