Japanese
未完成VS新世界
2013.08.30 @下北沢CLUB Que
Writer 天野 史彬
未完成VS新世界――筆者が、このなんともけったいなバンド名を初めて目にしたのは2009年、彼らが『夕暮れ狩り』という作品をリリースした頃だった。当時、ニューカマーとして注目を集めていたように思う。CD屋に行って実際に音を聴いてみたら、バンド名そのままの、未完成な初期衝動が世界に玉砕覚悟で突進していくような、瑞々しくて、ちょっと気恥ずかしくて、でもどうにも胸を締めつけられるような音楽で、“ああ、これはチェックしておこう”と思ったのだが……その後すっかり音沙汰がなくなった。あれから4年。正直、忘れてました。この4年間、未完成VS新世界に何が起こったのか――ホームページによれば、事務所に放置されたり、ヴォーカルの澤田健太郎は詐欺にあったり怪我をしたりと不幸続きだったという……。“未完成”ばかりが肥大して、“VS新世界”にまで辿り着けない数年間を彼らは歩んでいたようだ。しかし去年、3年ぶりとなる音源『誰にも知られずに消えていった誰かの歌みたいに』をリリース。そして今年7月、満を持して1stフル・アルバム『未完成の商業音楽』をリリースした。そして本作を引っさげてのツアー・ファイナルが、下北沢CLUB Queで行われた。
まずは未完成VS新世界と同じく札幌出身のシュリスペイロフが登場。ステージ上のメンバーののほほんとしたキャラクターや耳馴染みのいいメロディと歌声によって、一見穏やかな歌モノを鳴らすバンドかと思われるかもしれないが、このバンドの最大の特徴は求心力の強い歌とメロディを奏でながらも、その根底に宿るゴリゴリのハードコア魂だろう。一見爽やかだが、実はかなり変態的。それがシュリスペイロフなのだ。屈強な演奏によって奏でられる変拍子を駆使したポスト・ハードコア的なリズム、時折掻き鳴らされる歪みに歪んだノイズ・ギター……そういったストイックかつカオティックな音像と美しいメロディ、詩情溢れる歌が交じり合うことで生まれる唯一無二の音世界が会場を満たしていた。
そして未完成VS新世界が登場。アルバム『未完成の商業音楽』と同じように、タイトル・トラックの「未完成の商業音楽」からライヴはスタートした。4年前、CD屋の試聴機で初めて彼らの音楽を聴いた時に感じたものと変わらない、無謀だとわかっていても世界に体当たりしていくような衝動溢れる演奏。ポスト・ハードコア~エモ系の音楽がルーツにあるのだろうソリッドで疾走感溢れるサウンドを根幹に持ちながらも、人間的なアクの強さがそのまま歌謡性に結びついたような、耳にこびりついて離れないメロディと歌が、エモやハードコアといったジャンル云々を度外視して四方八方に飛び散りながら、しかしダイレクトに胸に響いてくる。未完成VS新世界は、言葉も、メロディも、すべてが明け透けで、馬鹿正直だ。それは中盤に演奏された「スピッツの言いなり」や「こわい話」といった美しいスローな名曲たちにも表れている。本当はギターなんか投げ捨てて今すぐあの娘のところに駆けつけて抱き合うことができたら、自分の悩みや問題なんてすべて解決してしまいそうで、でもギターを投げ捨てることなんて絶対にできないって心から理解してて、それが自分の希望であり絶望でもあって、だからもういっそ、部屋に閉じこもって爆音でスピッツでもかけて24時間でも48時間でも72時間でもぼーーーっとしていられたら、それがきっと1番の幸せで――でも、やっぱりギターを弾いて歌を歌って君に伝えたい。それしかできないし、やりたくない。そんな頭の中をぐるぐる巡る思考と虚無と混沌が、七転八倒しながら伝わってくる。まるで、みうらじゅんの『アイデン&ティティ』や浅野いにおの『ソラニン』の世界。でも、漫画や映画のようにドラマチックな結末が本当に待っているのか――それすらもわからないのが現実。澤田健太郎の歌は、そんなドラマにならないドラマに満ちている。そのリアリティが、馬鹿正直さが、ムカつくぐらい胸にくる。自分の感情に過剰な装飾を施すことなく、ただただあるがままにメロディと共に人に伝えてしまう才能。それを“未完成”と自ら名づける覚悟。この日の演奏には、そんな未完成VS新世界の魅力がむせ返るほどに濃縮されて、放出されていた。ライヴは、客電がついた後にも鳴り止まない熱狂的な手拍子に応えて、2度のアンコールを披露して幕を閉じた。『未完成の商業音楽』というアルバム・タイトルは、自嘲や自己批評を含みながらも、彼らが再び“未完成”のままで世界に挑んでいく宣戦布告の意思も込められているのだと思う。このバンドが世界とぶつかり合い、渡り合っていった先にどんな景色が見えるのか、再び注視していこうと思う。もう忘れないよ。
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