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DISC REVIEW

Overseas

2017年08月号掲載

Everything Now

ARCADE FIRE

『Everything Now』

Release Date : 2017-07-28
Label : SMJ

2ndトラック「Everything Now」がローンチされた際には、まさにDAFT PUNKのThomas Bangalterのプロデュース色が強いとか、まるでABBAみたいとか、いずれにせよポップで明るいイメージもなくはなかった。が、彼ら自身のSNSでフェイク・ニュースを流していたことは(それこそ)すべて連動していた。すべての物事に今すぐアクセスでき、手に入る状況だけど、もはやリアルかフェイクか判別できない――この世界的な現象をフロントマンのWin Butlerは郊外の閉塞した少年が鳴らした=かの『The Suburbs』でのインディー・ポップも、Thomasを迎えた全世界的にもはやベタなトレンドであるエレクトロ・ファンクも折衷して見せたように思える。啓蒙的なわけじゃなく、聴いて"今を生きている"とは何か? を経験させる、そんなアルバムだ。 (石角 友香)


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RADIOHEADとの長年のコラボレーションで知られるNigel Godrichを共同プロデューサーに迎えた、約5年ぶりのニュー・アルバム。"I"と"We"の2部構成からなり、前半ではソーシャル・メディアや政治的対立、パンデミックなどによって生じた孤立への恐れや寂しさを、内省的でどこか冷ややかなサウンドで表現する。後半では他者との繋がりによって広がる、希望に満ちた世界をドラマチックに奏でていて、強烈なカタルシスを生む「The Lightning I, II」は圧巻。「Unconditional II (Race And Religion)」での、バンドの影響元のひとつと言えるPeter Gabrielの客演も絶妙だ。彼らなりのロック・オペラで現代を描き出す傑作。(菅谷 透)


Everything Now

2ndトラック「Everything Now」がローンチされた際には、まさにDAFT PUNKのThomas Bangalterのプロデュース色が強いとか、まるでABBAみたいとか、いずれにせよポップで明るいイメージもなくはなかった。が、彼ら自身のSNSでフェイク・ニュースを流していたことは(それこそ)すべて連動していた。すべての物事に今すぐアクセスでき、手に入る状況だけど、もはやリアルかフェイクか判別できない――この世界的な現象をフロントマンのWin Butlerは郊外の閉塞した少年が鳴らした=かの『The Suburbs』でのインディー・ポップも、Thomasを迎えた全世界的にもはやベタなトレンドであるエレクトロ・ファンクも折衷して見せたように思える。啓蒙的なわけじゃなく、聴いて"今を生きている"とは何か? を経験させる、そんなアルバムだ。 (石角 友香)