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COLUMN

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【最終回】

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【最終回】

Written by 谷川正憲
2014.10.08 Updated

「レビレビ...レビレビ...」レビレビ言ってるやつが藤手レビィ。シーフの能力で"雷神"、"炎帝" "氷結"の技を盗み、僕たちの前に立ちはだかっていた。「それだけじゃないレビ。"風神"の能力ももちろんいただいたレビ」心が読まれているのだろうか。ナレーションの僕の言葉に反応しやがった。「"風神"の"風の噂"はお前らの心の中さえ教えてくれるレビ。実に便利レビ」くそぅ。ならばナレーションで悪口を言ってや

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第15回】

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第15回】

Written by 谷川正憲
2014.08.14 Updated

墨澄み田でふもとが"ゼロ"の能力を手にしたころ、渋々谷では"炎帝"と"氷結"が地に伏せていた。「...レビレビ」すっかり戦場と化したこの渋々谷で唯一自分の足で立っている男。「全ては私の物だレビレビ」彼の名は、藤手 レビィ。クラウドノイド最凶の男。「レビレビ...レビレビ...」"雷神"なき渋々谷で、"炎帝"と"氷結"を倒した"シーフ"藤手レビィは、もはやこの東京合衆国を支配しつつあった。「わざあり

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第14回】

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第14回】

Written by 谷川正憲
2014.06.08 Updated

これはなんだ。僕は知らない。命を授かって18年足らず。僕はこれを知らない。春の晴れた光が差し込む窓際で抱き締めるぬくもりのような、そのまま眠りつきたくなるようなあの柔らかい温かさ。いや違う。同時に訪れる全身の血が沸騰したかのような刺激は春の日差しとはまるで異なるものだ。雲か?僕は今、雲の中で青空の真ん中にでも浮かんでいるのだろうか。雲ってこんなに甘かったのか?ごんっ!なんだ今の音は?今度はなんだか

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第13回】

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第13回】

Written by 谷川正憲
2014.04.08 Updated

「オイ、クソイヌ。テメエフザケンジャネエゾ。ゼンシンノケガワゼンブハギトッテ、ヤフオクデコゼニカセイダロカ、コラ」ふもとは無感情にすごくひどいことを言った。オコなのかもしれなかった。いくらふもとでも人前でいきなりキスをしろと言われたのだからしょうがない。「ちょ、ちょっと~。ヒドくな~い?イツリちゃんはお前たちのために言ってるんだっつーの!」オネエブルドッグこと"風神"巣蚊伊釣は言った。「てやんでぃ

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第12回】

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第12回】

Written by 谷川正憲
2014.02.11 Updated

"盆"と"正月"。"炎帝"と"氷結"。少し違うかもしれないが、そんなある意味お祭り騒ぎの渋々谷を尻目に我々ガニ太一行は墨澄み田へ向かっていた。「てやんでぃ!早くしねえと千異汰も渋々谷の街もてぇーへんだぁてぇーへんだぁ!」パンツの内側に小さくなってしまった千異汰を飼っている兄、汰異牙は言葉とは裏腹に嬉しそうに言った。「そうだな。なんで嬉しそうなのかはわからんが、早くその"風神"巣蚊 伊釣(すか いつ

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第11回】

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第11回】

Written by 谷川正憲
2013.12.08 Updated

さっきまでの全てを溶かすほどのダウンジャケットを来てサウナに入るみたいな暑さから一転。僕たちはあまりの寒さに震えていた。〝炎帝〟高島 一世短はすぐに聡ったようだった。「なぜ邪魔をする!?〝氷結〟の魔女、瀬汰我屋の茶沢 星優(ちゃざわ せいゆう)よ!!」説明くさい台詞をありがとう一世短。どうやらまたしてもボスキャラの登場らしい。「ひょほほほほ!!相変わらず無駄に赤いねえ〝炎帝〟のお坊っちゃん」〝氷結

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第10回】

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第10回】

Written by 谷川正憲
2013.10.11 Updated

「千異汰ぁ!千異汰ぁああ!!」汰異牙の叫び声は、ただ虚しく部屋をこだましているだけだった。「た、汰異牙?その、その黒炭はまさか、、」僕は質問を途中でやめた。「炭と化した者にいくら声をかけたって、ムダムダムダムダぁ!!」全身が赤い、赤い目の男は言った。この男が新進宿を統治するクラウドノイド、高島 一世短(タカシマ イッセタン)らしかった。「新入りかい?お二人さん。おアツいねえ。アッツアツだねぇ。ムダ

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第9回】

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第9回】

Written by 谷川正憲
2013.08.22 Updated

東京合衆国。それは渋々谷、新進宿、瀬汰我屋、墨澄み田、皆港、の5つの州から成る。それぞれに州を統治するクラウドノイドが存在する。比叡山ふもとは6人目の幻のクラウドノイドということになるらしい。「…というわけで、今この東京合衆国はクラウドノイド同士のナワバリ争いが起きているっつってんだバカヤロー!」汰異牙は東京の事情を話してくれた。「クラウドノイドたちはそれぞれ、普通の人間には到底ありえない恐ろしい

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第8回】

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第8回】

Written by 谷川正憲
2013.06.13 Updated

東京、渋々谷にある”道玄沼ライオン坂不動産”に案内された僕とふもっちゃんは、チキチキの江戸っ子兄弟の話を聞いていた。「てやんでぃ!つまりだなぁ、ここ東京では空気の汚染が酷くて、一時間以上外気に触れるともう二度とお天道様を拝めねえって寸法よ!バカヤロー!」兄の汰異牙だ。「違うよ兄ちゃん。せいぜいまだ肺の機能が一時的に異常をきたすって程度さ。つって」弟の千異汰がつっこむ。「てやんでぃ!要するに、この東

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第7回】

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第7回】

Written by 谷川正憲
2013.04.01 Updated

窓の外は鬼みたいな太陽が世界を厳しく睨みつけている。夏休みも中盤戦。僕こと茉莉乃沢ガニ太(マリノサワ ガニタ)と、ふもっちゃんこと比叡山ふもと(ヒエイザン フモト)は東京ゆきの新幹線に乗っていた。あの後、親友の部田下流夏(ブタゲ ルゲ)が親父のCPUをハッキング。僕らだけを脱出させ親父をヒューマンクラウドという異空間へ閉じ込めたのだった。流夏にそんな能力があるなんてあの時初めて知ったのだが。まあお