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DISC REVIEW

Japanese

1970年01月号掲載

コンパクト

"バーニングSFプログレッシブバーチャルリアリティ神秘ロック"という長い肩書きや多展開の曲調、メンバーのヴィジュアルやライヴでの振る舞いなど、奇抜な要素が人目を引きやすいのはわかる。しかしこのバンドの本質は、歌謡曲から正統に引き継いだ哀しみの感情ではなかろうか。ねっとりとした唄い方のハスキー・ヴォイス、グラスの中の氷のようにきらめくキーボード、泣きのギター&ベース。それらの目線は常に過去、喪失、孤独へと向けられる。音楽ですくい上げた感情は誰かの心を震わせることができるのだと、そんな音楽の魔法があるのだと信じているからこその表現の形だということがよく伝わってくる。不特定多数の"君"へ均質的なメッセージをあてがうアンドロイド・ミュージックへの、麗しき反抗声明。(蜂須賀 ちなみ)