Japanese
Aooo
Skream! マガジン 2024年12月号掲載
2024.10.18 @新宿 東急歌舞伎町タワー前 シネシティ広場
Writer : 石角 友香 Photographer:Kato Shumpei
Aoooが1stアルバム『Aooo』のリリースを記念して、新宿 歌舞伎町のど真ん中をジャックし、フリー・ライヴを敢行。ファンはもちろん、その場に居合わせた人たちの足も止めたパフォーマンスは令和ジャパンのスーパーバンド誕生を予感させた。
もはや言わずもがなだが、現在のネット・ミュージック・シーンを代表するクリエイターであるすりぃ(Gt)とツミキ(Dr)、YOASOBIの"Coachella Valley Music and Arts Festival"でのステージ等、大舞台でのサポート経験豊富な女性ベーシスト やまもとひかる、そして赤い公園以来のバンドとなる石野理子(Vo)。このメンバー構成だけでもキャッチーだが、肝心なのは彼等のバンドをやりたいという初期衝動と、その意思を具体化した1stアルバム『Aooo』の勢いと完成度の両立にある。ちなみに全曲、一発録りによる本作。4人のキャラクターとバンド・サウンドの旨みが高度に凝縮されている。
霧雨に煙る歌舞伎町。続々と集まってきたオーディエンスは、ヴィジョンに映し出される映像を楽しみながら4人の登場を待つ。この場所でライヴが行われることへの興奮はやはり現場ならではの体感だ。19時になるとバックヤードから出てくるメンバーが映し出され、ステージに登場した4人は右手からすりぃ、石野理子、やまもとひかる、ツミキと横一列の配置。スターターはアルバム同様「FLASH FORWARD」で、ゴリゴリのギター・ロックであり、またやまもとの図太いベース・プレイが凄まじく映える。しかも歌詞は"思惑が煙る新宿通り"で始まる、このシチュエーションに似合いすぎるナンバーだ。一瞬で駆け抜けるこのショート・チューンに続き、畳み掛けるように「サラダボウル」に突入。4人全員がフロントマンのようなこのバンドの強みが一瞬にして伝播した。
石野の"「青い煙」!"というタイトルコールに歓声が上がると、後押しされたのか、さらにアクティヴにパフォーマンスする石野。彼女の哲学が反映された凄烈な歌詞が、凛とした佇まいで説得力を増していく。広場の各所にスピーカーが設置されている細やかさや、かなりの台数で捉えたメンバーの表情をヴィジョンで確認できるのも、バンドの熱量を実感できる大きな要因になっている。
ポップでキッチュな「イエロートイ」では石野がトイ・ピアノを弾いたり、メンバーのソロをフィーチャーしたり、4人それぞれの強みが打ち出される。なかなか見事な進行だ。MCで石野が改めて謝辞を述べ、スマートフォンでの撮影と拡散OKな旨を伝える。自分のためというより、素直に今ここで起きていることを発信したくなった人も少なくないのでは? さらに「ネオワビシイ」ではタイトルである"ネオワビシイ"をシンガロングしたり、"キーボード・ソロ、私!"とカオスなフレーズを石野が弾いたりして、ジャンルのレンジの広さも堪能させ、すりぃのギター・ロックど真ん中なリフから始まる「Casablanca」。
石野のロング・トーンも決まって、ますます演奏の求心力が高まる。石野&やまもと作のミディアム・チューン「ネロリ」は、音源よりもシンガー・ソングライター的な側面を聴かせ、メロディの良さが伝わるのだが、骨太なバンド・サウンドが一本の筋を通す感じだ。合わせて、ヴィジョンでは新宿の夜景や馴染みの建物が映るのが映画的でエモーショナル。
フロントとしてMCは1人で担った石野が、"今日ここでやる曲は全てアルバムに収録されているので"と言いつつ、"今日やらない曲も入っているので、気になった方はCDを手に取っていただけたら嬉しいです!"とアピール。必要なことを伝えなければ、という彼女の律儀さがむしろ清々しい。Aoooの真の魅力は演奏で分かるのだから。
終盤はフォーキーなイントロから、グッとオルタナ色を強めていく「水中少女」。ツミキの表現する青春ギター・ロックが「水中少女」だとすれば、続く「リピート」はすりぃのそれだ。ギタリストとしてもルーツを開陳したフレーズや音色に彼の個性が見えて、今、Aoooという肉体性を獲得した楽しさがプレイに凝縮されているようだった。そしてラストはこのメンバーで初めて作ったナンバー「アパシー」を夜に向けて放つ。尖ったマイナーチューンはガレージ・ロックっぽいすりぃのギター、煽るようなツミキのドラミング、ガッチリ低いところで蠢くやまもとのベースラインで強烈な体感を生む。
しかも歌謡的なメロと乗りやすいビートが今、むしろクリティカルに感じた。約40分間で10曲。イベントやフェスより多い曲数、街中と思えない程しっかりプロデュースされた音作りも素晴らしいが、何より異なるバックボーンを持つ4人が集まり、全員の存在感が強いバンドとして成立している事実に興奮した。ジャンルが細分化され、分析的に音楽を聴く傾向の強い今にあって、久々に現状を超えてくるバンドに出会えた手応えが残った。
今回見逃した人は、12月の1stツアー[Aooo 1st Live Tour "BOWWOW"]をぜひチェックしてみてほしい。
[Setlist]
1. FLASH FORWARD
2. サラダボウル
3. 青い煙
4. イエロートイ
5. ネオワビシイ
6. Casablanca
7. ネロリ
8. 水中少女
9. リピート
10. アパシー
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.07
-
LONGMAN
緑黄色社会 × Aqua Timez
古墳シスターズ
FOO FIGHTERS
- 2025.10.08
-
THE ORAL CIGARETTES
TOKYOてふてふ
FOO FIGHTERS
Re:name × Enfants
JON SPENCER
MONO NO AWARE
ORCALAND × Gum-9
- 2025.10.09
-
キュウソネコカミ
Rei
OKAMOTO'S
終活クラブ
JON SPENCER
DOES
アイナ・ジ・エンド
感覚ピエロ
Hedigan's
Plastic Tree
羊文学
Kroi
- 2025.10.10
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
暴動クラブ × 大江慎也
Rei
SUPER BEAVER
ザ・シスターズハイ
KING BROTHERS
PEDRO
YOASOBI
moon drop
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
the cabs
WHISPER OUT LOUD
FRONTIER BACKYARD
LEGO BIG MORL
JON SPENCER
NOMELON NOLEMON
a flood of circle
DOES
水曜日のカンパネラ
FOO FIGHTERS
キタニタツヤ
たかはしほのか(リーガルリリー)
ExWHYZ
MONOEYES
藤森元生(SAKANAMON)
大塚紗英
感覚ピエロ
ZAZEN BOYS×サニーデイ・サービス
East Of Eden
アーバンギャルド
JYOCHO
羊文学
小林私
THE SPELLBOUND
- 2025.10.11
-
終活クラブ
キュウソネコカミ
トンボコープ
Appare!
cinema staff
秋山黄色
YOASOBI
moon drop
コレサワ
OKAMOTO'S
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
KNOCK OUT MONKEY
INORAN
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
KANA-BOON
ExWHYZ
FRONTIER BACKYARD
androp
カミナリグモ
brainchild's
フレデリック
envy × world's end girlfriend × bacho
"JUNE ROCK FESTIVAL 2025"
East Of Eden
Official髭男dism
藤沢アユミ
豆柴の大群
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.12
-
a flood of circle
キュウソネコカミ
SUPER BEAVER
WtB
キタニタツヤ
セックスマシーン!!
WESSION FESTIVAL 2025
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
INORAN
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
Omoinotake
Bimi
ART-SCHOOL
Official髭男dism
eastern youth
なきごと
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.13
-
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
Awesome City Club
ExWHYZ
Appare!
The Biscats
brainchild's
Rei
OKAMOTO'S
秋山黄色
Age Factory
トンボコープ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
"WESSION FESTIVAL 2025"
岡崎体育
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
シド
SCANDAL
cinema staff
Cody・Lee(李)
コレサワ
ネクライトーキー×ポップしなないで
リュックと添い寝ごはん
eastern youth
hockrockb
Omoinotake
Kroi
PIGGS
清 竜人25
Plastic Tree
ぜんぶ君のせいだ。
LiSA
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.14
-
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
ドミコ
THE ORAL CIGARETTES
Hump Back
Survive Said The Prophet × NEE
MONOEYES
ぜんぶ君のせいだ。
超☆社会的サンダル
go!go!vanillas
武瑠 × MAQIA
- 2025.10.15
-
ドミコ
LONGMAN
PEDRO
キュウソネコカミ
MONOEYES
打首獄門同好会
アカシック
HY × マカロニえんぴつ
ポルカドットスティングレイ
藤巻亮太
- 2025.10.16
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
YOASOBI
PEDRO
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
"Shimokitazawa SOUND CRUISING presents. サウクルラボ vol.1"
SCANDAL
SIX LOUNGE
brainchild's
- 2025.10.17
-
挫・人間
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
a flood of circle
ズーカラデル
LONGMAN
chilldspot
otsumami feat.mikan
リュックと添い寝ごはん
コレサワ
神聖かまってちゃん
終活クラブ
NOMELON NOLEMON
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
フラワーカンパニーズ
SUPER BEAVER
東京スカパラダイスオーケストラ
BIGMAMA
Bimi
- 2025.10.18
-
TOKYOてふてふ
伊東歌詞太郎
挫・人間
シド
OKAMOTO'S
YONA YONA WEEKENDERS
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
アイナ・ジ・エンド
moon drop
RADWIMPS
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
bokula.
the cabs
SWANKY DOGS
amazarashi
INORAN
WtB
osage
"LIVE AZUMA 2025"
カミナリグモ
Cody・Lee(李)
阿部真央
Newspeak
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
Keishi Tanaka × 村松 拓
"ASAGIRI JAM'25"
ズーカラデル
I Don't Like Mondays.
Victoria(MÅNESKIN) ※振替公演
ロザリーナ
the paddles
神聖かまってちゃん
LACCO TOWER
星野源
- 2025.10.19
-
DYGL
リュックと添い寝ごはん
OKAMOTO'S
Age Factory
bokula.
ぜんぶ君のせいだ。
moon drop
コレサワ
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
SIX LOUNGE
リリカル / みじんこらっく / とにもかくにも / ティプシーズ / 台所きっちん
SUPER BEAVER
Laura day romance
WtB
Omoinotake
"LIVE AZUMA 2025"
Cody・Lee(李)
ビレッジマンズストア
SPRISE
伊東歌詞太郎
浪漫革命
LUCKY TAPES
ハンブレッダーズ / KANA-BOON / キュウソネコカミ / マカロニえんぴつ ほか
ネクライトーキー×ポップしなないで
Keishi Tanaka × 村松 拓
ナナヲアカリ
"ASAGIRI JAM'25"
高岩 遼
Sou
森 翼
SCANDAL
パピプペポは難しい
osage
星野源
PIGGS
- 2025.10.20
-
打首獄門同好会
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
TOKYOてふてふ
TenTwenty
- 2025.10.21
-
The fin.
神聖かまってちゃん
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
RELEASE INFO
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.13
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.17
- 2025.10.19
- 2025.10.22
- 2025.10.24
- 2025.10.26
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
OASIS
Skream! 2025年09月号