Japanese
MYTH & ROID
Skream! マガジン 2024年06月号掲載
2024.05.12 @Shinjuku BLAZE
Writer :山口 哲生 Photographer:Shinji Okawa
"彫刻をめぐる物語"を展開する連作コンセプト・ミニ・アルバムの後編『VERDE』を掲げ、全国ツアーを開催したMYTH & ROID。ツアー・ファイナルとなったShinjuku BLAZE公演は、国内外問わず、多くのMyrror(※ファン・ネーム)が詰めかけ、チケットはソールド・アウト。"森"と"街"が舞台になっている『VERDE』をイメージして、開演前の場内には木々が風に揺れるアンビエントなSEが流れ、緑色のライトがステージと満員のフロアを照らしていた。
この日のライヴは、中盤に『VERDE』の楽曲を収録順に演奏し、前/後半はユニットの代表曲を畳み掛けていくという構成になっていた。ライヴの幕開けを飾ったのは「HYDRA」。重厚で激情的なミディアム・ナンバーを、マイク・スタンドの前に立ち、じっくりと歌い上げたKIHOW(Vo)が、"「VERDE」にようこそ"と柔らかな声で告げると、続く「L.L.L.」で空気が一変。凄まじい熱量を放ち激走していく。ハンド・マイクに切り替えたKIHOWが、声を荒げながらオーディエンスを煽り、耳に手を当てて声を求めれば、重量感たっぷりのサウンドとシャッフル・ビートで身体を揺さぶる「VORACITY」では、Tom-H@ck(Gt)が熱量たっぷりにギターを弾き倒す。その熱は後半戦になればなるほど増していき、シンガロングを巻き起こしながら突き進んでいった「JINGO JUNGLE」、「TIT FOR TAT」の2連発はとにかく圧巻。ライヴハウスを熱狂させるロック・アクトとしての魅力を存分に発揮していた。
この日の軸となる『VERDE』のブロックでは、冒頭の朗読パート「<Episode of VERDE - Part1>」で、ステージ下手側に真っ白なキャンバスが置かれた。これは『VERDE』の主人公である絵を描く少女に合わせての演出だ。激しく照明が明滅するなか、「Palette of Passion」のエッジの効いたヘヴィなサウンドがフロアを貫く。少女が掟によって描けなくなった気持ちを表すよう、キャンバスには黒い布が被されて「DiLeMMa」へ。欺瞞に満ちた世界へ怒りをぶちまけるように、KIHOWは叫ぶように歌い、Tom-H@ckがギターを豪快にかき鳴らすと、「RESIST-IST」では、KIHOWが鋭い視線とハイトーンをフロアに放つ。再び朗読パートの「<Episode of VERDE - Part2>」ではキャンバスを隠した布が再び外され、ドリーミーながらも儚さを湛えた「Dizzy, Giddy」を披露。失意の底から前を向き、ゆっくりと歩み出していく少女の背中を、慈愛に満ちた「Whiter-than-white」が照らし出していた。
この日のMCで、Tom-H@ckは『VERDE』で描きたかったものについて、"簡単に言うと「集団心理」"と話していた通り、本作はSNSの発達によって生まれた現代社会の風潮や病理がメタファーになっている。自分の好きなもの、信じたものを大切にする――そんなシンプルなことが、どうにも難しい。『VERDE』は、そんな世界を生きていくなかで、弱ってしまった心を強く鼓舞するような、優しく寄り添うような作品だったが、そこに綴られた言葉と音をライヴという空間で堪能することで、より心の奥底まで響いてきた。
また、前/後半の激しい曲を並べたセットリストをライヴハウス映えのブロックとするならば、『VERDE』を表現した中盤のコンセプチュアルなブロックは、ホール映えのブロックとも言えるだろう。MYTH & ROIDはその両輪を武器に、このユニットだからこそ魅せることができる世界を、これからも繰り広げてくれるはずだ。MYTH & ROIDはこの日、今秋に新曲をリリースし、9月から秋ツアーを開催することを発表。"今まで自分たちのことを観てくださったMyrrorも、これから観てくれる方も含めて、みんなを大きなステージに連れていきたい、というより、連れて行こうと思ってます"というKIHOWのまっすぐな言葉に、自ずと期待が膨らむライヴだった。

[Setlist]
1. HYDRA
2. L.L.L.
3. VORACITY
4. STYX HELIX
5. RAISON D'ETRE
6. ACHE in PULSE
7. Something w/o Sunrise
8. Endless Embrace
9. <Episode of VERDE - Part1>
10. Palette of Passion
11. DiLeMMa
12. RESIST-IST
13. <Episode of VERDE - Part2>
14. Dizzy, Giddy
15. Whiter-than-white
16. Future is Mine
17. Paradisus-Paradoxum
18. Crazy Scary Holy Fantasy
19. JINGO JUNGLE
20. TIT FOR TAT
- 1
LIVE INFO
- 2025.08.16
-
Bye-Bye-Handの方程式
reGretGirl
リーガルリリー
Eve
"RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO"
フレンズ
豆柴の大群
"SUMMER SONIC 2025"(大阪)
Faulieu.
Novelbright
Ivy to Fraudulent Game
レイラ
私立恵比寿中学
Keishi Tanaka / 荒井岳史 / TGMX(FRONTIER BACKYARD) ほか
Billie Eilish
ユアネス
"SUMMER SONIC 2025"(千葉)
- 2025.08.17
-
Bye-Bye-Handの方程式
reGretGirl
Eve
四星球 × G-FREAK FACTORY
PIGGS
金子ノブアキ
POP DISASTER / sfpr / waterweed
ビレッジマンズストア
PK shampoo
"SUMMER SONIC 2025"(大阪)
Novelbright
GOOD ON THE REEL
私立恵比寿中学
Billie Eilish
"SUMMER SONIC 2025"(千葉)
PENGUIN RESEARCH
- 2025.08.19
-
Hump Back
キュウソネコカミ
THE BAWDIES
YOASOBI
bokula.
- 2025.08.21
-
PENGUIN RESEARCH
THE BAWDIES
TENDOUJI
YOASOBI
GANG PARADE
金子ノブアキ
KALMA
キュウソネコカミ
"LIVEHOLIC / ROCKAHOLIC Candye♡Syrup (美容室) 10th Anniversary Party"
- 2025.08.22
-
奏人心
KING BROTHERS
"WILD BUNCH FEST. 2025"
TENDOUJI
THE BAWDIES
終活クラブ
YOASOBI
JunIzawa
ナナヲアカリ
Broken my toybox
RAY
フレンズ
Rei
キュウソネコカミ
- 2025.08.23
-
PENGUIN RESEARCH
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
大森靖子
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
LOCAL CONNECT
浪漫革命
リーガルリリー
Buzz72+
Appare!
佐々木亮介(a flood of circle)
w.o.d.
Eve
マオ(シド)
- 2025.08.24
-
大森靖子
"Sky Jamboree 2025"
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
cinema staff
LOCAL CONNECT
ビッケブランカ
Eve
マオ(シド)
小林柊矢 / 心愛 -KOKONA- / 虎鷹 / 荒木一仁 ほか
- 2025.08.25
-
Hump Back
神聖かまってちゃん
THE YELLOW MONKEY
- 2025.08.28
-
KALMA
Maica_n
ビレッジマンズストア
THE BAWDIES
22/7
- 2025.08.29
-
the cabs
神はサイコロを振らない
Bye-Bye-Handの方程式
安藤裕子×清水ミチコ
そこに鳴る
ゲスの極み乙女 × 礼賛 × roi bob
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
- 2025.08.30
-
Kroi
reGretGirl
ナナヲアカリ
木村カエラ / OKAMOTO'S / 原因は自分にある。 ほか
豆柴の大群
ビレッジマンズストア
アーバンギャルド
天女神樂
ぜんぶ君のせいだ。
"ナノボロ2025"
Maica_n
"RUSH BALL 2025"
ビッケブランカ
レイラ
9mm Parabellum Bullet / THE BACK HORN / ACIDMAN / yama ほか
PIGGS
eastern youth
Appare!
VENUS PETER
GRAPEVINE
Lucky Kilimanjaro / 眉村ちあき / 森 大翔
崎山蒼志
セックスマシーン!!
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
NEK!
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
Faulieu.
- 2025.08.31
-
reGretGirl
Broken my toybox
BLUE ENCOUNT / スキマスイッチ / 家入レオ / CLAN QUEEN ほか
ビレッジマンズストア
大森靖子
"ナノボロ2025"
"RUSH BALL 2025"
HY
GOOD BYE APRIL
Nothing's Carved In Stone / Base Ball Bear / ヤングスキニー / GLIM SPANKY ほか
ぜんぶ君のせいだ。
LACCO TOWER
なきごと
四星球 × G-FREAK FACTORY
RAY
Miyuu
GANG PARADE
ONIGAWARA
伊東歌詞太郎
ZAZEN BOYS
PK shampoo
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
Academic BANANA / Yeti / BACKDAV
RELEASE INFO
- 2025.08.20
- 2025.08.22
- 2025.08.27
- 2025.08.29
- 2025.09.01
- 2025.09.03
- 2025.09.05
- 2025.09.10
- 2025.09.12
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.08
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ExWHYZ
Skream! 2025年08月号