Japanese
Chapter line
Skream! マガジン 2015年05月号掲載
2015.04.15 @下北沢SHELTER
Writer 齋藤 日穂
Chapter line初となるワンマン・ライヴ。それはChapter lineというバンドが孵化する瞬間だった。この日、何度も3人で目を合わせ、まるで笑い合うかのように演奏する彼らの現在進行形である"変化"を目の当たりにした。
堂々とステージに現れた3人は満員のフロアを満足そうに眺める。その顔は自信と喜びに溢れていた。そして3月にリリースした1stミニ・アルバム『夜が終わり』の冒頭を飾るタイトル・トラック「夜が終わり」で初っ端からフロアを沸かせる。疾走するメロディを捲くし立てるように歌う小浦 和樹(Vo/Gt)、オーディエンスを煽りつつも決してブレることなくバンドを支える藤 教順(Ba/Cho)、躍動するかのようなドラミングでグイグイ引っ張っていく宮内 沙弥(Dr/Cho)、三者三様ではあるが各々の顔には満面の笑みがこぼれていた。四つ打ち、16ビートと軽快に変わるリズムを巧みに操るこの曲で勢いよくスタート・ダッシュを切った彼らは、瑞々しい疾走感を湛えて「微かな光」、「Wdm」と突き抜けていく。MCで小浦は"この2年間分のいろんなことをみんなと共有できたら"と語り、一際ギミックの効いた「虚無感」を披露。色気を感じさせるようなうねるベース・ラインから一転して、弾けるような開放感を持ったサビがとても心地よい。
息切れもせずに颯爽と駆け抜ける彼らのグルーヴは、曲を重ねるごとにどんどん高まっていく。中盤で披露された「you」では小浦と藤が向かい合ってそれぞれソロを披露するも宮内に"全然ダメ!"と一刀両断。"だってワンマンだよ?もっとキリっとしたソロ聴かせてよ!"と宮内がバス・ドラムのテンポを上げればふたりも黙っちゃいない。高速ビートに噛み付くようにテクニカルなソロ・パートを披露する。さらにはオーディエンスを巻き込んでコール&レスポンスで一体感を生み出せば、会場中が高揚感で満たされていく。ライヴならではの臨場感、一体感で押し上げられたこの高ぶる空気こそがChapter lineの自信へとまたひとつ繋がっていくのは間違いないだろう。
この日のハイライトは"弱さを知って自分を知ったんだ"と歌う「大言壮語の逆襲」。3人が何度もアイ・コンタクトをとって、それに呼応するように音がうねる瞬間が何よりも印象的だった。"ここから連れ出してくれ"と他力本願だった自分を認め、受け入れることで彼らは進化していく。そして"大言壮語はやがて僕を強さに変えて未来写したんだ"と歌うように、前に進んでいくための強さに変化させていく。Chapter lineのこれまでとこれから、そして未来に向けたビジョンが見えてくるこの曲をダイナミックに演奏する3人の姿はとても逞しく見えた。
"今だったら聴いてくれる人、見てくれる人のためだったらどんな曲も書ける、どんな自分にもなれる。そして、僕が変われたようにみんなだって変われるんだよ"。バンドも自分自身もこの2年で大きく変わったという小浦が、本編最後を飾った「BELIEVE」を披露する前に語っていた言葉だ。"変化"というものは、変わりたいと強く願えば願うほど、理想の自分にはいつまで経っても近づけないような気がして焦燥感ばかりが募るものだと思う。だけどそんなときに支えてくれるのは周りの人間。これまで自分が築いてきた人間関係なのだろう。そして支えてくれるのは家族やファンだけではなく、何より同じ空間にいるメンバー同士だ。ネガティヴな感情から生まれた歌詞を赤裸々に描く小浦、バイタリティ溢れるキャラクターの宮内、これまでの淡々としたChapter lineの音楽性をがらりと変えた藤。それぞれの個性を持った3人のメンバーも互いに影響し合いながら、支え合いながらChapter lineというバンドを作り上げていく。アグレッシヴに叫ぶChapter lineの変化を見守ってきた人たちのために、今度は彼らが背中を見せる番。Chapter lineにとって大きな自信となったこの変化が、これからどんなふうに個性となり強みとなっていくのか。"バンド人生をかける"という並々ならぬ意気込みで挑む、11月7日のShibuya Milkywayでのワンマン・ライヴでその姿を見せてくれることだろう。
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