Japanese
the band apart
Skream! マガジン 2014年08月号掲載
2014.06.27 @新木場STUDIO COAST
Writer 石角 友香
5月にリリースした『BONGO e.p.』とライヴDVD『510×283』に伴うツアー9本目にしてセミ・ファイナルの新木場STUDIO COAST。そのゲスト・アクトが、5年5ヶ月ぶりの復活となるWRONG SCALEであることがアナウンスされて以来、この日を待ち遠しく思っていた人の熱量に、会場に入った途端圧倒された。バー・カウンターに並ぶ長蛇の列、そこここで再会を果たした人たちの喜びが溢れている。
定刻きっちりにEARTH,WIND&FIREの「September」が流れると、2階席最上段の立ち見までびっしり埋まった会場に笑いや悲鳴混じりの歓声が響く。4人が登場し、1曲目の「trace of grief」が鳴らされると早くもクラウド・サーフが続出。続く「calling」での野田剛史(Ba/Vo)、菊川正一(Gt/Vo)、大西俊也(Gt/Vo)のフロント3人のヴォーカル・リレーに、他の誰でもないWRONG SCALEの存在を再認識してしまう。序盤に野田が相変わらずのシニカルな口調で、今回の復活をほぼthe band apartの原の一存、そしてバンアパのマネージャーからの電話攻勢で"決められた"こと、ドラムの楠誠一にいたっては解散ライヴ以来初めて今、ステージでドラムを叩いていることを告げ、フロアをどよめかせる。2009年2月のラスト・ライヴを見たわけではないので、当時と変わらない演奏なのかは分からない。しかし、メロディック魂とも言えそうな曲の構造と演奏は、いい意味で彼らが活動していた頃の結晶体なのだと思う。日本語詞になおさら男子イズムが横溢する「End of pain」、ドラマティックな「Always want to be loved」などが連続投下されるたびに色褪せない曲そのものが浮き彫りになる印象だ。
"5年も経つと日本もいろいろ状況変わってきて、俺たちもジジィになって......"と野田が自嘲とも取れる発言をするのだが、時間は公平に過ぎていくものだ。人1倍、懐古モードが嫌いそうな彼は、今後のことは分からないと言う。でも、今ここに4人を再び引き寄せたタイミングがあったのだろう。後で調べてみたら5年5ヶ月前のラスト・ライヴの12曲から3曲少ないもののすべて重なっていた。ま、代表曲以外を敢えて演奏する必要はここではないだろう。ラストを告げる野田の声にリムショットが重なり、エンディングを惜しむ声が増す中、変わらぬスケール感で「p.s moved out」を高らかにコーストに鳴り響かせ、4人はステージを後にした。バー・スペースに出ると"感動したー"と、既に全力を使い果たした感のファンにも遭遇。何かコースト全体が無意識のうちに熱いもので繋がっている。
ニューEPのリリース・タイミングということでセットリストも気になるthe band apart。「ag FM」のニュー・ヴァージョンと題されたラジオのリクエスト風ナレーション"続いては東京都永田町、安倍晋三さんのリクエストで「誰も知らないカーニバル」です"という毒気にニヤリとするオープニングで、ニューEPの同曲からスタート。荒井岳史(Gt/Vo)の切れの良いカッティングに原昌和(Ba)の生き物めいたベースが滑り込む。この日はレコーディングにも参加している長年のパートナーであるエンジニアの速水直樹がコンガで参加。プリミティヴなグルーヴでじわじわ身体を揺らせる、最新のモードを披露。速水は一旦ステージを後にし、今度は爽快な風が吹くような人気曲「higher」でガラリと空気を変えるのだが、なんだかこの日のフロアはWRONG SCALEの余韻もあるのか、2バンドによるフェスのような開放的な熱気が充満している。
"もう言わずもがなだよね、WRONG SCALEありがとう"と荒井が感謝を述べると、おもむろに"新木場遠い......"と原が笑わせつつも"WRONG SCALE、最高でしたね。これからも月1ぐらいでいろいろやるらしいんで"と勝手に人のバンドの先行きを決め、さらに増す笑い。こういうことを言える関係がいいし、だからこそ今日この日も現実のものになったのだと思う。
続いて緊張感のあるファストなロック・チューン「The Base」、川崎亘一(Gt)、荒井、原がチェイスするスリリングな「ノード」で内側に熱量をたぎらせたかと思うと、バンアパ流AOR~マスロックとエヴァーグリーンなメロディが結合したような「flower tone」で、その艶に幻惑される。再び速水直樹が招き入れられ、ニューEPのタイトルがボンゴなのに何故ボンゴが入っていないのか?などについて説明。彼のコンガが最もフィーチャーされる、木暮栄一(Dr)作曲曲「来世BOX」が、ゆるいハンド・クラップも誘いながら、ファンク・チューンと呼ぶには東京のどこかを想起させる切なさを纏いながら展開。そのエンディングからシームレスに「環状の赤」の怒涛のイントロへ突入した流れは鳥肌モノ。1曲の展開の多さは彼らの曲では驚くに値しないが、また違うブン回され方をしたようで、グッと凝縮した旅を経験したような気分だ。
またまた荒井と原の別方向を見てるようなMCでひとわたり笑ったあとは、名曲オンパレードのラスト・スパート。中でもクリーン・トーンのギターが海や森の空気を運びながらも、カラッとソウルフルな「free fall」でフロア全体がバウンドする。
ラスト前に荒井が"いろいろ変わるよね。俺たちは15年やってきたからこの景色が見えるし、ロンスケは5年開いたから見える景色だっただろうし"と、変わりながらもどこかでクロスする人生の醍醐味と、その醍醐味を支えるファンに感謝を伝えた。そんな言葉の後にプレイされるキラー・チューン「Eric.W」でのバンドとファンの誇らしい感情が溶け合う様は格別だった。新旧のツボ押さえまくりのセットリストに、またもやバンドの次なる黎明を期待せずにはいられないこの日、アンコールにして最後の曲をタフなのに煌きに満ち、ちょっと苦い思いも残す「夜の向こうへ」のチョイスも泣ける。コーストの巨大ミラー・ボールの光の粒とともに放たれたのは、2バンドにとってもファンにとっても、まさにこの夜の向こうに進むための凱歌と言ったら大げさだろうか。夜の街におのおの散った個々の気持ちを照らしてくれるような、どこまでもやさしい夜だった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.26
-
フラワーカンパニーズ
DOES
センチミリメンタル
THE BACK HORN
Lucky Kilimanjaro
東京スカパラダイスオーケストラ
崎山蒼志
PIGGS
KANA-BOON
eastern youth
渡會将士
森 翼
超能力戦士ドリアン
優里
bokula.
モーモールルギャバン×ザ・シスターズハイ
オレンジスパイニクラブ
Appare!
ポルカドットスティングレイ
Age Factory
古墳シスターズ
Cody・Lee(李)
DeNeel
Mrs. GREEN APPLE
osage
阿部真央
moon drop
jizue
DYGL
INORAN
OASIS
ACIDMAN
9mm Parabellum Bullet
I Don't Like Mondays.
- 2025.10.27
-
YOASOBI
錯乱前戦
Damiano David(MÅNESKIN)
- 2025.10.28
-
終活クラブ
SIX LOUNGE
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
吉澤嘉代子
藤巻亮太
超能力戦士ドリアン
サニーデイ・サービス × NOT WONK
リュックと添い寝ごはん
- 2025.10.29
-
吉澤嘉代子
Damiano David(MÅNESKIN)
amazarashi
キュウソネコカミ
moon drop
怒髪天
- 2025.10.30
-
超☆社会的サンダル
LONGMAN
YOASOBI
凛として時雨
夜の本気ダンス
キュウソネコカミ
SIX LOUNGE
打首獄門同好会
Nikoん × Apes
挫・人間
- 2025.10.31
-
すなお
ExWHYZ
吉澤嘉代子
東京スカパラダイスオーケストラ
LONGMAN
YOASOBI
ガガガSP
フリージアン
FINLANDS
Newspeak
夜の本気ダンス
go!go!vanillas
超能力戦士ドリアン
インナージャーニー
岸田教団&THE明星ロケッツ
ポップしなないで
RAY
アイナ・ジ・エンド
- 2025.11.01
-
東京スカパラダイスオーケストラ
怒髪天
PIGGS
超☆社会的サンダル
ポルカドットスティングレイ
MONOEYES
シド
LACCO TOWER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
LiSA
Omoinotake
"ボロフェスタ2025"
ドミコ
TOKYOてふてふ
Dannie May
SIX LOUNGE
hockrockb
go!go!vanillas
osage
RADWIMPS
The Biscats
brainchild's
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
chilldspot
moon drop
インナージャーニー
KANA-BOON
AFTER SQUALL
松永天馬(アーバンギャルド)
NANIMONO
愛美
CYNHN
DeNeel
kobore
the cabs
離婚伝説
[Alexandros] / WANIMA / UNISON SQUARE GARDEN / くるり ほか
- 2025.11.02
-
osage
OKAMOTO'S
PIGGS
HEP BURN
秋山黄色
吉澤嘉代子
MONOEYES
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
離婚伝説
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
"ボロフェスタ2025"
KING BROTHERS
wacci
Laura day romance
PIXIES
Devil ANTHEM.
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
Dannie May
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
キタニタツヤ
moon drop
KANA-BOON
AIRFLIP
ハンブレッダーズ×秀吉×囲碁将棋
羊文学 / sumika / クリープハイプ / マルシィ ほか
私立恵比寿中学
The Biscats
WtB
:[Alexandros] / 10-FEET / go!go!vanillas / マカロニえんぴつ ほか
bokula.
- 2025.11.03
-
irienchy × no more
NANIMONO
秋山黄色
フレデリック
怒髪天
OKAMOTO'S
東京スカパラダイスオーケストラ
Devil ANTHEM.
ポルカドットスティングレイ
セックスマシーン!!
キタニタツヤ
シド
LiSA
"ボロフェスタ2025"
yama
キュウソネコカミ
愛美
brainchild's
藤巻亮太
AIRFLIP
私立恵比寿中学
Bye-Bye-Handの方程式
moon drop
SCOOBIE DO
the telephones
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
THE BACK HORN
凛として時雨
Age Factory
hockrockb
LACCO TOWER
阿部真央
- 2025.11.06
-
RADWIMPS
古墳シスターズ
ねぐせ。
超能力戦士ドリアン
吉澤嘉代子
TENDOUJI
東京スカパラダイスオーケストラ
THE SPELLBOUND
LEGO BIG MORL
LONGMAN
キュウソネコカミ
フィロソフィーのダンス
夜の本気ダンス
GLIM SPANKY / 神はサイコロを振らない / レトロリロン
礼賛
ブランデー戦記
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
- 2025.11.09
-
コレサワ
Mrs. GREEN APPLE
Laura day romance
ねぐせ。
NANIMONO
SUPER BEAVER
フラワーカンパニーズ
あたらよ
ズーカラデル
osage
FINLANDS
SCOOBIE DO
MONOEYES
Devil ANTHEM.
崎山蒼志
打首獄門同好会
キタニタツヤ
リュックと添い寝ごはん
LUCY
水平線
KANA-BOON
ラックライフ
暴動クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
chilldspot
インナージャーニー
ドミコ
森 翼
PompadollS
Appare!
キュウソネコカミ
eastern youth
Cody・Lee(李)
BLUE ENCOUNT
優里
岸田教団&THE明星ロケッツ
Rhythmic Toy World / BIGMAMA / LACCO TOWER / kobore ほか
ASIAN KUNG-FU GENERATION / SHISHAMO / 水曜日のカンパネラ / TENDRE ほか
シド
"四星球放送局FESTIVAL"
Dannie May
a flood of circle
センチミリメンタル
怒髪天
RELEASE INFO
- 2025.10.26
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
- 2025.11.21
- 2025.11.26
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号






















