Overseas
SBTRKT
2011.09.24 @恵比寿LIQUIDROOM
Writer 山田 美央
音に酔いしれる――稀代の才能を有するプロデューサー・SBTRKTのパフォーマンスは、純粋に音楽を楽しむとは何たるかを示してくれた。わずか2か月前にFUJI ROCK FESTIVALで闇に包まれたRED MARQUEEのステージを沸かせたことは、記憶に新しい。2度目となった今回の来日は、3連休の中日にも関わらず、深夜の恵比寿に多くの人が詰め掛けた。そんな夏の興奮冷めやらぬ中、パーティー“HOUSE OF LIQUID powered by Hostess Club”は開催された。
SBTRKTと言えば、独特なアフリカン・マスクの下に素顔を隠し、そのキャリア以外の多くは謎に包まれたままだ。RADIOHEADやM.I.A、BASEMENT JAXXなど数多くのアーティストのサウンドを手掛けるほか、自身ではさまざまなヴォーカルを迎え、ポスト・ダブステップに留まらないサウンドを創り出している。最近では9月21日にリリースされたRADIOHEADのリミックス・アルバム『TKOL RMX 1 2 3 4 5 6 7』に「Lotus Flower」のリミックスを提供するなど、まさに売れっ子中の売れっ子アーティストなのだ。
この日は、DJに迎えられたサンプリング界の鬼才Matthew Herbert、MOODMANが、SBTRKTのステージの前後でフロアをアツくさせた。ミュージック・コンクレートの影響を色濃く受け、独創的なサンプリングを見せるMatthewらしく、独自の解釈を加えた尖端的で緻密なスタイルが、暗く照明の落とされたフロアを揺らす。淡々と音に耳を傾ける姿とは裏腹に、アッパーで底なしに上昇する楽曲が次から次へとフロアに投げ込まれ、ジャンルを越えた空間が展開される。先日、豚の一生をサンプリングした新作『One Pig』をリリースし、22日に同会場でライヴを行ったこともあり、オーディエンスの特性を掴み、的確に落とし所を捉えていた。一方のMOODMANも、普段ライヴハウスとしてのLIQUIDROOMが見せる表情とは違った、アンダーグラウンドな熱がたぎるグルーヴで満たしていった。
メイン・アクトであるSBTRKTは、DJではなくライヴ・セットで登場。デビュー・アルバム『SBTRKT』にヴォーカルとして参加しているSAMPHAが、同じくヴォーカル、シンセサイザーとして隣に立った。ムード立ち込める気だるい熱気に包まれる中、SBTRKTはドラムの生演奏を披露。余計な装飾が排除され、暗闇の中ライトが当てられたステージで、ストイックに楽曲に入り込む。パッケージの完璧に落ち着いて隙のないクールなサウンドから大胆に踏み込み、ドラムのダイナミックで生々しい音と、SAMPHAの艶めかしくソウルフルな歌声がLIQUIDROOMに溢れていく。
パフォーマンスの進行とともに、端正でアーバンなサウンドはギアがロウからハイへ入れ換わっていく。オーディエンスを煽るかのように刻みつけるビートに、音にのまれた私たちの鼓動も加速していくのだ。SAMPHAをフィーチャリングした「Trials of the Past」も、スマートな印象からライヴ特有の躍動感が合わさり怒涛の勢いを見せた。
SBTRKTの不敵な仮面に隠された表情を目にすることは出来ないが、彼の向き合う音の緻密さと意欲的なスタイルに、その一端を見ることが出来たのではないだろうか。ド派手な演出ではなく、自らのパフォーマンスとサウンドが持つ訴求力で、フロアの脳と三半規管に揺さぶりをかける。SBTRKTはリミックスにせよ、自身の楽曲にせよ、楽曲の根本は活かしつつも、曲の隅から隅まで手を加え、別のフィールドにスライドさせるなど大胆な転換をさせる。それはステージ上でも変わりなく、結果として有機的に変化する音の衝撃がフロアを躍らせるのだ。曲の内部にまで入り込んでしまったような、不思議な錯覚に浮かされた一夜となった。
※写真はFUJI ROCK FESTIVAL'11のライヴ時のものです。
- 1
LIVE INFO
- 2025.08.12
-
松永天馬(アーバンギャルド)
とまとくらぶ
プルスタンス
Creepy Nuts
- 2025.08.15
-
とまとくらぶ
"RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO"
HEP BURN
フレンズ
PK shampoo
YJC LAB.
千也茶丸×松本 大(Enfants)
CHASE ATLANTIC
ASP
"SONICMANIA"
- 2025.08.16
-
Bye-Bye-Handの方程式
reGretGirl
リーガルリリー
Eve
"RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO"
フレンズ
豆柴の大群
"SUMMER SONIC 2025"(大阪)
Faulieu.
Novelbright
Ivy to Fraudulent Game
レイラ
私立恵比寿中学
Keishi Tanaka / 荒井岳史 / TGMX(FRONTIER BACKYARD) ほか
Billie Eilish
ユアネス
"SUMMER SONIC 2025"(千葉)
- 2025.08.17
-
Bye-Bye-Handの方程式
reGretGirl
Eve
四星球 × G-FREAK FACTORY
PIGGS
金子ノブアキ
POP DISASTER / sfpr / waterweed
ビレッジマンズストア
PK shampoo
"SUMMER SONIC 2025"(大阪)
Novelbright
GOOD ON THE REEL
私立恵比寿中学
Billie Eilish
"SUMMER SONIC 2025"(千葉)
PENGUIN RESEARCH
- 2025.08.19
-
Hump Back
キュウソネコカミ
THE BAWDIES
YOASOBI
bokula.
- 2025.08.21
-
PENGUIN RESEARCH
THE BAWDIES
TENDOUJI
YOASOBI
GANG PARADE
金子ノブアキ
KALMA
キュウソネコカミ
"LIVEHOLIC / ROCKAHOLIC Candye♡Syrup (美容室) 10th Anniversary Party"
- 2025.08.22
-
奏人心
KING BROTHERS
"WILD BUNCH FEST. 2025"
TENDOUJI
THE BAWDIES
終活クラブ
YOASOBI
JunIzawa
ナナヲアカリ
Broken my toybox
RAY
フレンズ
Rei
キュウソネコカミ
- 2025.08.23
-
PENGUIN RESEARCH
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
大森靖子
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
LOCAL CONNECT
浪漫革命
リーガルリリー
Buzz72+
Appare!
佐々木亮介(a flood of circle)
w.o.d.
Eve
マオ(シド)
- 2025.08.24
-
大森靖子
"Sky Jamboree 2025"
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
cinema staff
LOCAL CONNECT
ビッケブランカ
Eve
マオ(シド)
小林柊矢 / 心愛 -KOKONA- / 虎鷹 / 荒木一仁 ほか
- 2025.08.25
-
Hump Back
神聖かまってちゃん
THE YELLOW MONKEY
RELEASE INFO
- 2025.08.13
- 2025.08.15
- 2025.08.20
- 2025.08.22
- 2025.08.27
- 2025.08.29
- 2025.09.03
- 2025.09.05
- 2025.09.10
- 2025.09.12
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
Organic Call
Skream! 2025年07月号