Overseas
CRYSTAL CASTLES
2011.01.18 @恵比寿LIQUIDROOM
Writer 島根 希実
2009年のSUMMER SONIC以来、まさに待望の来日公演であったのだが、開演予定を20分ほどおした頃、ようやくステージ上に現れたのはEthanでもAliceでもなく、スタッフと思われる日本人女性。開演と勘違いし盛大な歓声を上げていたフロアは静まり返り、嫌な予感を察したような深刻な空気が立ち込める中、スタッフより説明されたのは、Aliceが前回の公演中に足首を骨折し全治6週間だということ。公演中止を予感したようなどよめくき包まれる中で、次に伝えられたのは、怪我をおしてでもステージに立ちたいとAliceが望んでいるという嬉しい言葉だった。
それによって、結果として逆に異様な盛り上がりをみせる中で始まったのは「Fainting Spells」。その不穏なノイズが吹き荒れると、頬を切るような殺伐とした空気が蔓延していく。何の照明もない真っ暗な空間で、切に祈るようなAliceの破壊的なヴォーカルが響くと、その瞬間だけ一瞬ストロボが照らされ、目が眩みそうになる。そして一瞬でまた真っ暗に。
終始そんな調子だった。基本は真っ暗で激しいストロボがチカチカと照らし出す。真っ暗な空間で共鳴する音波の波は、正常な身体感覚すら奪っていくようで、どこに立っているかも分からなくなる、左右前後すら識別不能になりそうだ。その中を1人佇むようなAlice の孤高のヴォーカルは、杖を持って歌うというその姿も相まって、針の山に裸足のままで立つような痛々しさがあった。寒色の鋭い音の荒れ狂う壊れそうなこの世界は、ダンスして酔いしれるなんてとんでもない、時に感情を嘔吐し、時に音で自傷するようであった。
続く「Baptism」は浮かび上がり絞り出すような声が美しく、やがて声が、音が消え、受信が切れたようにプツンと遮断される。暗闇から一変、血が滴るような真っ赤なライトに変わり始まった「Courtship Dating」「Doe Deer」では、温度のない世界、Aliceはそこに生きる唯一の生命体のようで、竜巻のような混乱のノイズは彼女にすがりつくように絡みつき、そのフラストレーションが破裂するように極限まで高ぶっていくステージ。
フェードアウトして 聞こえてきたのは「CrimeWave」。Ethanの鳴らすメロディに沸き上がるフロア。ではAliceはと言えば、Ethanの主旋律の上を放浪するように無表情で歌を歌うのだが、歌うその歌は流れる思考のように空中を漂っていくだけ。Ethan とAliceとでまったく違う画を持ち寄っているような、絶対にお互いに歩み寄らないような画とバランスが最高にかっこいい。
圧倒されるばかりであった状態から、除々に温度があがりだしたのは「Air War」あたりからだろうか。ライトもよりカラフルな色へと変わり、ピコピコ鳴る音も少し可愛らしく、Aliceは子供の寝言のようにむにゃむにゃと歌う。そのままAlice の世界の扉「Alice Practice」へと繋がり、あのメロディが聴こえると一気に沸き上がる歓声。Aliceが杖をつきながら跳ねまわる度に、より大きな歓声が上がっていく。また強いストロボが照らされステージを直視できないが、「Black Panther」のビートとメロディはそんなことおかまいなしにフロアを煽り、オーディエンスもここまでで一番跳ねていた。
再び無機質な世界を呼び戻したのは「Empathy」。そこから一気に目が覚めるようなアッパーな音を鳴らした「Reckless」では、Aliceが喘ぐように吠えるように歌い煽っていく。ピンク色のキュートな照明に包まれた「Not In love」ではその囁くような声と少し感傷的なメロディが照明同様にフロアを染め上げ、その疾走感同様、ラストは溢れるような歓喜の声も上がっていた。
大丈夫かAlice!?そう心配になるほど、ラスト「Untrust Us」、そしてアンコールの「Intimate」「Yes No」は最後の最後まで噛みつかんとばかりに、攻撃的な姿勢を貫くAlice。時に音圧に吹き飛ばされそうな小さな体を振り回し、何度もヘッドバンキングし、前のめりになって叫ぶ姿は、破壊的な高揚感以外の何ものでもなく、それが最後にフロアを恍惚へと導いたのはいうまでもない。
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