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THE STROKES|SUMMER SONIC 2011

Skream! マガジン 2011年09月号掲載

2011.08.13 @QVCマリンフィールド&幕張メッセ

Writer 島根 希実

SUMMER SONIC 1日目、ラストに登場するのはTHE STROKES。始まりは、彼らの初期衝動にして名盤『Is This It』から、タイトル・トラック「Is This It」。いきなり代表作からの選曲ということもあり、当然オーディエンスからは驚きと歓喜の大歓声がどっと沸き上がる。そして、それを煽るのは最新作『Angles』から、1stシングル「Under Cover Of Darkness」。アルバム・ジャケット同様に赤青緑のビビット・カラーのライトが激しく光る、眩しいステージ。なんと、そのまま「The Modern Age」へと突入。冒頭から、起爆剤を次から次へと投入していくような、目も眩む展開だ。

再び『Angles』カラーのライトへ切り替わり、レゲエ調のイントロが聴こえてきた。バンドの新境地にして異色の楽曲「Machu Picchu」が登場だ。演奏、ヴォーカル、そして演出まで、全てが『Angles』を忠実に再現している。一曲一曲ごとにステージがパッと切り替わり、それがとても単純明解といった印象の、とても分かりやすいステージ。『Angles』という多ジャンルが混在する挑戦作を完成させたことが、過去作の楽曲すらもそういった1曲ごとにパッとカラーが変わる、『Angles』のモードに染まっていたように思う。先ほどの、「The Modern Age」も、リリース当時と比べると、Julianのヴォーカリストとしての成長が目覚ましく、今はスタジアムごと持ち上げてしまいそうなほど逞しくなっていた。最新作で見せた、Julianのヴォーカリストとしての成長は本物だ。まさに今のTHE STROKESを象徴するステージである。

この日、Julianは最後まで、サングラスを外すことはなかったが、それでもその爽やかでセクシーなフェロモンは私たちの胸をときめかせた。中盤に披露された「Someday」、「Life Is Simple In The Moonlight」、のふっと息をつくような歌い終わりや、吐息混じりのヴォーカル、「You Only Live Once」のサビの部分でJulianが素早く顔を動かすアクションなど、女性陣は、皆思わず黄色い歓声を上げてしまいそうになったのでは?

前半は、目まぐるしい展開で鮮やかに。そして、中盤から後半にかけては、時にゆるやかに、時に熱く激しく。ラストに向けて、美しいドラマを描いていった。最後は「Take It Or Leave It」で、ギターがリフレインするように鳴り響く中、最高のタイミングで、スタジアム上空に花火が舞い上がった。Julianが手を回してそれを煽る。ステージのバンドも、上空の花火も、全てぶっ飛ばせとばかりに、さらに煽りにかかる。これ以上ない、最高の演出。最後まで男前でした、THE STROKES!

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