
Overseas
THE SMASHING PUMPKINS

2010.08.07 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ
Writer 伊藤 洋輔
SMASHING PUMPKINSとはBilly Corgan である。そして、MOUNTAIN STAGEの終盤をRichard AshcroftからSMASHING PUMPKINSという流れで組まれたのは意味深なものだ。どちらも90年代、栄光と挫折を味わった、波乱万丈なロック・ストーリーを体現したバンド同士。あちらは新たなバンドを結成し、これまでにないスタイルを模索するに対し、こちらは古巣に戻った。SMASHING PUMPKINSとしては10年ぶりの来日だが、オリジナル・メンバーはBillyただひとり。James IhaもD’arcyもJimmy Chamberlinもいない。だが、神経質な完璧主義者Billyにとって、そんな状況は好都合なのかもしれない。ステージ上で嬉々としてプレイする姿を見ると、やはり居場所はここしかないのだろうと痛感した。
ライヴは現在進行形のアルバム『Teargarden By Kaleidyscope』の「Astral Planes」から幕開け、続けて4曲をシームレスで畳みかけられる。そのメタリックな轟音アンサンブルは、現在のBillyが想い描くバンドを象徴したものだった。また、バックを支える新加入メンバーも豪快かつ安定したプレイをみせ、圧倒的な音圧を叩きつける。“昔の曲をやろうか?”と言って始まったのが「Today」。これには場内のボルテージが一気に高まり、凄まじい歓喜の叫びで大盛り上がり!「Bullet With Butterfly Wings」でもそうだったが、盛り上がるオーディエンスの手拍子に“そうじゃなくてここは歌わなきゃ”とダメ出しした瞬間はなんともBillyらしさがあり微笑ましかった。
そんな中に感じたことだが、初期の楽曲群は盛り上がるが、どうしても現在形の新曲に対し微妙な温度差が生まれてしまった。バンド側もそれは承知の上で、バランスの取れたセット内容にはなっていたが、場内はオールド・ファン層が目立っていただけに、スマパン・クラシックを期待した者との食い違いが起きたのかもしれない。そこから見える課題は、ダウンロード形式をとった新作『Teargarden By Kaleidyscope』の浸透性の薄さだ。そこはネット配信の功罪でもあるが、まだまだ若いファン層には認知されてないようだ。しかし、この日のライヴはそんなファン層へ存在感を知らしめる素晴らしいパフォーマンスだったのも事実。今後の活動にも注目だが、現在形のSMASHING PUMPKINSとして新たなクラシックを生み出してほしいと願っている。
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