Japanese
monobright
2010.10.13 @渋谷 CLUB QUATTRO
7月から始まった夏のツアー「LIVE TOUR 2010真夏不思議アドヴェンチャーへ!」が8月31日のclub Lizardでもって終了。あえて都内は除いて行われたこのツアーを終えたmonobright、いよいよ東京にご帰還である。
"帰還"とは大袈裟ではない。前ツアーが「真夏不思議アドヴェンチャーへ!」、そして今日の公演は「真夏不思議アドヴェンチャーZ」。その名の通り、夏のツアーはニュー・アルバム『ADVENTURE』へといざなう道程といえるものであり、今日でようやく『ADVENTURE』の世界の扉を開いたのだから。そう、あのツアーは『ADVENTURE』という、バンドの新境地にして、拳を挙げて狂喜乱舞していたファンを裏切る問題作への伏線でもあったわけで、各地でファンを戸惑わせ、賛否両論巻き起こし、アルバムの全貌公開と同時にいよいよ東京進出という、いうなれば凱旋公演のようなものなのだ。
はじまりはいつも通りだった。泣き笑いのダンスミュージックはご健在。しょっぱなの「踊る脳」でフロアの全員をダンス脳に洗脳し、「学校」では手拍子がまき起こる。続く「紅色ver.2」は、やはりmonobrightの初期衝動。リフひとつで一瞬にして会場のテンションを沸点まで持っていく瞬発力には恐れ入る。まさに怒涛の3曲だ。のっけから、これでもかとたたみかけまくっている。うん、いままで通りの流れだ。
しかしそんなもんを見に来たのでないのだ。見たいのはあくまでも『ADVENTURE』の世界。夏のツアーで垣間見せた、"泣き笑いのダンスミュージックと決別"した曲たちと、これに合わせて大きく変わったバンドの姿をもう一度見たいのだ。現在のmonobrightの全貌を見せてくれ。
そして、その時間はやってきた。この日唯一のMCでの桃野の言葉は、笑いをはさみながら面白おかしく言うものだから、聞き流しそうになってしまったが、この公演の目的をきちんと伝えていた。桃野ギャグを省き、要約するとこうだ。「前のツアータイトルは"アドヴェンチャーへ"。つまりアドヴェンチャーではなかった。今日がアドヴェンチャー!たっぷりとアドヴェンチャーな世界をお見せします!」
そうしてプレイされたのは「黒」。アルバムのラストを飾る曲「白」のイントロダクションとしての役割を持っているというこの曲は、まさに呼び水だった。先ほどまでの空気が一変し、いっきに静まりかえる会場。桃野がギターを置き、シンセの前に立つ。さあ、『ADVENTURE』の世界は開かれた。聴こえてきた雨音は、アルバム冒頭を飾るインストナンバー「81日目のAM1:16」。そしてその雨は、シングル曲「雨にうたえば」へと続いていく。都会的なのにやわらかくてあたたかい音とセンチメンタルなメロディ。白のライトのみのシンプルな光に照らされながら、音の中に潜って、音を選びとるようにシンセを弾く桃野の姿が印象的だった。
雨はまだ止まない。また少し色が加わり、より深く作品の世界へといざなうのは「黒い雨」。降りしきる雨のような激しいバンドアンサンブルにより、ますます音に飲まれていく桃野は、エクスタシーに達したように、シンセに倒れ込まんばかりに前のめりになって弾いている。これまでにはなかった、桃野の"エモ"の形だ。
ほぼアルバムそのままの曲順でプレイされているので、アルバム同様に、中盤から徐々にテンションが上がり、アグレッシヴになっていった。桃野が再びギターに持ち替え、少し男らしい仁王立ちスタイルで披露されたのは、アルバムの中でもその力強く圧倒的なメロディで、一本の柱のように雄々しく存在する「孤独の太陽」。音作りを模索した結果生まれたような実験的な作品の中で、最もシンプルに"歌"を歌っている曲だ。
遊び心満載の「2010年のKOZOO」では、雨と戯れていた。お遊びモードになってきたところで…ようやくのダンス・タイム!みんなこのながれを待ってたんでしょうね。「JOYJOYエクスペリエンス」です!フロアがもみくちゃになる様と同様に、マーブル模様の愛とJOYを描きながら、渦巻くように上がっていくテンション。そして、理性なんか吹っ飛ばせと、そのまま一気に箍を外さんとする「ポーツス」。神経細胞飛び出しちゃってますというようなアヴノーマルなテンションの曲が、文系男子によるアグレッシブ・タイムを作り上げていく。そしてしまいにゃ「英雄ノヴァ」ですから。
最後は、やはりアルバムと同じ「白」だった。胸に絡み付くようなメロディラインは、この日鳴った全ての音をリセットしていく。そして響きわたる松下のサイケデリックなギター。音の反響の中、「ありがとう monobrightでした。」と一言だけ挨拶をすると、バンドはステージをあとにした。
アンコール、最初の一言で桃野はこう言った、「かなりシュールだったかもしれないけど、アドヴェンチャーにお付き合いいただきありがとう」。これまでのmonobrightのとっつきやすさからはあまりにもかけ離れた作品世界を、そのままこのフロアで再現することを、ポジティブな言葉では締めくくらなかったわけだ。そうして『ADVENTURE』は終わった。
アンコールでは、新曲「踊りませんか」を初披露してくれた。「僕の中でも一番エネルギッシュで、踊りたくてたまらないナンバーです。」というだけあり、桃野はこの日一番激しく歌い踊っていた。だが、そんな桃野には申し訳ないが、この曲で最もフロアを煽り、最も歌っていたのは松下のギターだった。そして、最後は数量限定シングル「宇宙のロック」。音を放射するような、開放感と幸福感に溢れたこの曲は、これまでは理解しきれなかった奇才・桃野陽介の激情が、ようやく具現化されたような、未知の手応えがあった。
ライヴで分かったこと、いや、ライヴを見なければ分からなかったことは、このアルバムを作り上げたことで、monobrightはどう変わったのかということだ。
一つは、改めて桃野陽介の、純粋なまでの音楽への渇望が浮き彫りになったということ。フロアを無視して、惹かれるままに音に酔う姿は、まさに音楽に純粋培養された生き物だった。元来サービス精神旺盛である彼は、これまでは、本当の意味でKYではなかった。皆に楽しんで欲しいということが最優先であるからこそ、こんなふうに音楽に陶酔することなどなかったのだ。もう一つは、バンドとしての佇まいの変化。バンドの"超"個性である桃野を中心としていた彼らが、4人で試行錯誤して音を紡ぎ、音楽を作り出すようになり、四者四様の佇まいを持つバンドになっていたのだ。だからこそ前述したとおり、新曲「踊りませんか」は松下のギターが桃野を食っていたのだろう。
『ADVENTURE』を生みだした彼らは、バンドを一度解体し、生まれ変わったかのごとく、急速な変化を遂げていた。
※ライヴ写真は8/31日@club Lizardのものです。
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