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LIVE REPORT

Overseas

TOM TOM CLUB

2009.08.07 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ

Writer 佐々木 健治

 TALKING HEADSのリズム隊夫婦が結成したTOM TOM CLUB。ニューウェーヴがアフロ・ビートやトロピカルなワールド・ミュージックへと接近していき、新しいビートをロックに取り込んでいった時代。彼らのサウンドは、その中でも驚くほどに楽しく、キュートだった。闘うことを放棄するような、生真面目なロック・リスナーの中には、「ふざけているのか!?」と怒り出す人もいたんじゃないかと勝手に思ってしまうようなサウンド。いや、頭が固い人には、絶対に理解できないものかもしれない。だが、TOM TOM CLUBは人気を博した。このグルーヴが生み出す楽しさが、多くの人を虜にした。そう、単純に彼らの音楽は楽しいのだ。マッチョイズムの対極にあるその音こそ、TOM TOM CLUBが生み出したパンク・アティチュードそのもの。

 そして、どれだけの年月が流れても、この日、TOM TOM CLUBのグルーヴは人々を虜にしてしまった。
Chris FranzとTina Weymouth夫妻は、 ジャマイカ人のヴォーカリストやターンテーブリスト、コーラスの美しいお姉さん(Tinaの姉妹だそう)まで率いて登場。賑やかに彩られたステージは、一言で言えばピースフルの極致。
ゆるーいファンキー・グルーヴとともに、笑顔を振りまき、楽しそうにステージ上で戯れるメンバー達。時にはメンバー全員で卒倒してみたり、演出のエンターテイメント性もバッチリ。とにかく楽しそうに演奏するメンバー達。そして、そのステージ上の空気が、会場全体を満たして行く。「Genius Of Love」や「Wordy Rappinghood」を始め、その自然と腰が動くグルーヴに、会場の後方まで、笑顔で踊る人、人、人。こんなにピースフルなライヴがあるだろうか。

 それにしても、Tina Weymouthは一体、何歳なんだ?というほど、若々しかった。58歳なんて、誰も信じられないでしょう。遠めからということを差し引いても、本当に可愛かったです。Chris FranzはTinaと比較すると歳相応だったけれど、それでもよく喋り、煽りまくる。もちろん、とても楽しそうに。
TOM TOM CLUBというバンドの素晴らしさどこまでもピースフルで自由な精神を備えた素晴らしいステージだった。

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