50'Sロックンロールや60'Sポップス、70'Sパンクなどを消化したラウド&ロマンティックなポップス集だった去年のファーストがプラチナを達成。ギター・ロック低迷が叫ばれる英国において救世主的な扱いを受けるTHE VACCINESだが、それがあくまで結果論であり、彼らが純粋に優れたポップ・ミュージックを求めているバンドであることが、このセカンドを聴けばわかる。全体的にまだ荒さも目立っていた前作に比べ、ソングライティングが格段に進化。音楽的参照点に大きな変化はないのだろうが、乱暴に言えばラウドなロックンロールとメロウなバラッドという2本柱によって成り立っていた以前と違い、1曲の中に様々な要素を取り入れ、より表現力豊かになった楽曲が並んでいる。期待を裏切らない充実のセカンドだ。(天野 史彬)
[SONY MUSIC JAPAN]
【デラックス盤 2CD】SICP3583-4 \2,940 (税込)
【通常盤 1CD】SICP3585 \2,310 (税込)
2012.9.19 ON SALE
10年6月結成、ロンドンを拠点に活動する4人組。UKの長寿音楽TV番組“Later With Jools Holland”(BBC)にシングルを含む一切のリリースを前にして出演した初めてのバンドとしてメディアのみならずJohnny Marrなど著名アーティストからも早くから注目される。そんな中、シングル・リリースを経てたったの2週間で制作したデビュー・アルバム『What Did You Expect From The Vaccines?』がUKで初登場4位を記録し、プラチナ・ヒットを達成。その成功を受けて12年NME AWARDSのベスト・ニュー・バンド、XFMのニュー・ミュージック・アウォードを受賞するなどUKシーンの注目を一手に受けていると言っても過言ではない状況になっている。その後も12年5月に新人としては異例スピードで各会場、数千人規模のアリーナ・ツアーを成功裏に終える。そして9月、プロデュースにEthan Johns (KINGS OF LEON、Ryan Adams)を迎えたバンドの意欲作が早くもリリースされる。