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INTERVIEW

Japanese

ANON

2025年07月号掲載

ANON

Interviewer:サイトウ マサヒロ

ANONの原点として、忘れたくない気持ちを曲にしました


-自主制作のMVでも、実写やアニメーション、CG等多彩な手法を駆使しています。

作りたいものを実写だから、CGだからっていう理由で諦めるのが嫌なんですよ。できないことをなくしたいっていう変なプライドがあって。表現したいものを的確に届けるには、自分のスキルを高めていくしかないっていう。CGでも絵でも楽器でも練習して、頭の中にある世界観を忠実に再現して届けたい。それしか考えてないです。

-ここからは、7月5日にリリースされるシングル「エマタリア」について聞かせてください。日常に潜む幸せがテーマになっている楽曲ですが、この着想はどこから?

ANONの原点として、忘れたくない気持ちを曲にしました。自分の置かれた環境が当たり前ではないことって、どうしても第三者じゃないと分からないし、当事者はどれだけ恵まれてるかに気付けない。それを感じられるかどうかっていうのが、人と接する上で本当に大切なことだと思います。「エマタリア」は自分に言い聞かせる曲でもあるし、人に感謝を伝える曲でもあります。

-例えば、これから先様々に活躍していっていろんな作品を出すとしても、ここにまた戻ってこられるようなっていうことですね。

はい。もともとはもっとロックで激しい曲にしようと思っていたんですけど、ピアノだけを弾いていた自分の原点に立ち返って、使う楽器を少なくしました。あえて空白を作って。

-おっしゃる通り、これまでの楽曲よりミニマムなサウンド感が印象的です。

表現活動で一番大切なのって"間"だと思うんです。最近は、間が強調された音楽が少なくて、ただ主張を垂れ流し続けるような曲が多いと感じてて。でも、聴いたら飲み込む時間がいるじゃないですか。作品にも人間関係にも、空白や間が絶対必要なはず。特に「エマタリア」は日常の中の幸せを再認識するための曲だから、空白を多くすることで一人一人が考える時間を作ってます。

-今回の取材にあたって、「エマタリア」を繰り返し再生してたんですけど......この曲、無限リピートできる仕掛けがありますよね?

あ、あります! 曲が終わってからまた始まるまでの時間を20通りくらい試した結果、一番しっくり来たので2.5拍にしました。2拍が自然ではあるんですけど、0.5拍遅いことによって、考える時間が生まれるというか。今回かなりこだわったポイントなので、気付いてくれて嬉しいです。

-4月にはイベント("登竜門2025")出演でKT Zepp Yokohamaのステージに立ちました。大舞台でのライヴはいかがでしたか?

本当に貴重な経験でした。映像での演出も含めて、自分のやりたいことを最も実現できたライヴだったと感じていて。まさかあそこに立てるなんて思っていなかったので、そこで芽生えたいろんな人への感謝の気持ちが「エマタリア」にも繋がりました。たくさんの人が連携してサポートしてくれて初めてお客さんにそれを届けることができる。会場にいる全員で1つの作品を作り上げているんだなと改めて感じました。最高に楽しかったです。

-なるほど。おっしゃる通りスケールアップによってやれることの幅は広がると思いますが、これからの活動の中で挑戦したいことはありますか?

たくさんありますけど、一番は映画を作りたいです。映画というか、僕の世界観を表現した映像作品を作って、それを映画館で上映したい。あとはVRや仮想空間も駆使して、僕の表現を届けるプロジェクトを展開していきたいです。

-それがまさに、"この世界のどこでもない場所"になると。

はい。世界そのものを作りたいですね。ANONワールドを作りたい。技術も急速に発展しているし、自分が小さい頃に思い描いていた夢がようやく実現できる時代が来ている実感があります。

-今後の展開が楽しみです。用意してきた質問は以上ですが、リスナーの方に伝えたいメッセージはありますか?

......ないです。それを歌と映像で届けるのが僕の仕事なので。

RELEASE INFORMATION

ANON
NEW DIGITAL SINGLE
「エマタリア」

ANON-000001
[PRO-SPERTY]
2025.07.05 ON SALE